FirstStage アルバイト時代編 家族会議
その夜、家に帰り、母に話をした。
[なんか、よくわかんない話なんだけど・・]
[バイト先で、気に入られた?らしく、就職がどうのこうのって・・・]
何を言い出すのか、と構えていた母は、俺の話は要領を得ないので、
しつこく絡んできた。
[俺も、説明しにくいんだ]
[今日、店に行ったら、本部のえらい人が来てて・・・]
[研修中の成績が良かったし、年齢考えたら、本部に就職しないかっ?って]
母は、まともに働いていない俺の事が心配で仕方なかったのだから、
こういう話を聞けば、当然、飛び上がって喜ぶ。
[っていうか、よくわからんけど、近所のFC店に修行に1年くらい行くのが
条件みたいな話で・・]
母は、何もしていないより、コロコロ仕事を変えるより、この話に乗れ!と
強く訴えかけてくる。
[具体的な話は、明日、そのFC店に行かなきゃ、わかんないんだけど・・・]
こうして、よくわからないまま、母が喜んでいる姿だけが、そこにあり、
それを見れば、いい話なんだろう・・と勝手に思ったり。
とにかく、初日だったのと、話が混乱するばかりの内容だったので、その日は
疲れきっており、布団に入るなり、落ちてしまった。
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その翌日の昼間。そのFC店に行った。
行けば、そこには、頭のハゲあがったニタニタした顔のオーナーが居て、
来週には辞めるとされる店長が居た。
オーナーは、給与などの諸条件を一方的に話をした。
当時は、まだ、バブル崩壊前の経済状況であったせいか、いきなりの高額報酬
を延々と話をするものだから、もともと、時給700円で夕方に軽くバイトしよ
うと考えていたガキには、他の世界の話のように聞こえていた。
基本給25万円 プラス 歩合給売上げの2%
歩合給は、今の売上げ平均が、1500万/月だから、それを越えた部分が対象
要は1日50万売る店であったのだから、仮に1日10万越えれば、月300万に
対しての2%だから、60000円の歩合・・・退職金も賞与もあるとの事。
う~ん、なんかピンと来ない。
俺の様子を見ていた店長が、突然、話に割り込んできた。
[今夜、このまま、俺と一緒に朝まで夜勤に入ってみないか?]
何を言い出すのか!とは思ったが、オーナーの話にウンザリなところもあったの
で、つい、ハイ!と返事をしてしまった自分が、そこにいた。
一度、帰宅し、食事をし、風呂に入り、着替えて、店長と一緒の夜勤に出勤した。
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