FirstStage アルバイト時代編 はじまり
第一章 某チェーン アルバイト時代 [あの面接から始まった]
コンビニエンスストア。
この世界に俺がはまっていくキッカケは、新しく開店する近所の店の
アルバイト募集からだった。
チェーン本部直営店の新店という事で、FCオーナー店よりも働きやすいかな
と、気軽な感覚で応募したのがきっかけ。
当時の俺は、高校卒業後、いわゆるニートな感じで、特に何かをしたいわけでも
なく、フラフラしていた姿を見かねた母が、アルバイトくらいは、続けてやらな
ダメでしょ、とばかりに、毎日毎日、アルバイト誌を買ってくるものだから、半
分、仕方なく感もあったが、遊ぶお金が欲しかったのもあった。
面接当日、面接をしてくれたのは、何故か、店長ではなく、本部の人事部長。
たまたま、そこに居たから、忙しい店長の代わりに面接・・・。
スーツ姿のおっさんが、数人がかりでの面接って事で、なんだか、やだなぁ~と
か思いつつ、聞かれたことに素直に答えてたら、なんとか面接は即決で合格。
数日後、研修が始まった。
いらっしゃいませ~ ありがとうございました~ とかの挨拶の練習から始
まり、食パンをお客さんの希望で、カット(6枚切りとか、サンド゛用とか)
する練習、レジを打つ練習 etc こういう練習が、数日続いた。
研修を追え、実際に勤務の初日。
制服に着替えようと、バックヤードに入ったら、そこには、店長と一緒に、あの
人事部長が・・・。
[あのさぁ~、悪いんだけど、ここじゃなくて、他の店に行ってくれない?]
一瞬、何を言ってるんだろう、この人は・・・とか思いつつ。
[いや、家から徒歩だから・・・新店だし・・・]
とか、ボソボソと言ってみたけれど、
人事部長、全く、聞く耳持たずで・・・
[真面目な話。君、成績いいから、ちょっと、修行に行って欲しいんだよ~]
なんの話?? 修行って・・・??
何を期待しているの? 何を言ってるの?
なんだか、頭の中で、グルグルと周り始めた矢先、とどめを挿すかのように・・・
[かなり近くの店なんだけど、直営じゃないんだわ。FC店なんだけど、店長が
辞めるから、急遽、1年くらい誰かを貸してってなってさぁ~]
はい? 店長の代わりって話?
[いやぁ~、オーナーは、ちゃんとした人だし、修行には最適だよ]
いや、修行したくないし・・・
なんか、俺の想像を超えた世界の話をしてませんか?
[研修中の様子とか、試験の結果とか、君の将来のこととか、考えちゃってさぁ]
って、なんで、あなたが、勝手に将来考えてるの?
[アルバイトで来たんだろうけど、君の場合、うちの会社に就職するべきだよ]
なんと!!
[だから、1年たったら、本部に就職って事で、修行に行ってくれない??]
ええええ!いきなり就職の話なんですか!!
正直、この時、即決できるわけもなく、その日は、その店で、普通にアルバイト
をし、家に持ち帰り、家族会議をするって事になった。