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薬をお届けそして・・・

一日アクセス数が10万ヒットしてました。

もうね素直に喜びます。

読んで下さった方々ありがとうございます。

 貴族区域へと移動中に町の広場で、探索者が多く集まり情報交換をしていた。

 その話し声が薫の耳にも入る。


 

「今年も第一号が出たみたいだぞ」

「もうそんな時期かよ。熱で魘されてるのは勘弁して欲しいぞ」

「そういや、もう7月に入ってるからな。出てもおかしくないだろ」

「また体力回復薬と治療所に通い詰める日々が始まるのかよ」

「罹らなければどうという事はないだろ?」

「酷くなって死ぬのだけはゴメンだよ。俺は、金が掛かっても治すぞ。迷宮をクリアしないで死んだら悔いしか残らないからな」

「お前がクリアできるわけねーだろ」

「何だと、ごるぁああああ!」



 薫は、気になり探索者達のところへと向う。


 

「すんません。病気の話をしとったみたいやけど詳しく聞けるか?」



 笑顔で、探索者達の輪に入り聞く。



「ん? お前治療師だろ? 何で知らないんだよ」



 少し困った顔をする探索者。



「ああ。ここの町の者やないからな。前に居た所は、そんな病気なかったんよ」



 苦笑いで、薫は言う。



「どんな所に住んでたんだよ。まぁいいが、7月から9月にかけて町で流行る病気だ。暑くなると何故か原因不明の高熱で倒れる者が出るんだ。始めに掛かる奴は必ず迷宮から帰ってきた探索者なんだ。だから俺らは、『迷宮熱』って呼んでるよ。症状は人それぞれなんだが、吐いたりとか下痢だ。酷い奴は、二週間も高熱に魘されて逝っちまうらしいが。現状治す手段は体力回復薬と治療所で、体力回復と体力増強を施してもらうしか無いんだよ」



 掛かりたくねーなと言った感じで、話してくれた。



「探索者からしたら迷惑な病気やなぁ。病気に掛かったら迷宮に入れへんもんな」



 ちょっと、良い事考えた的な表情の薫。



「ああ。早く【エクリクス】の方で対処法を出して欲しいぜ。じゃないと俺らが金欠になっちまうよ」



 笑いながら言う探索者。



「ええ情報ありがとな。こっちも新しい対処法でも模索しとくわ」



 薫は、からから笑いながら言った。



「おう! 頼むぜ。俺は掛かるかわかんねーけどな。掛かった時は頼むぜ」



探索者の言葉に、「まかしとき」と手を振り薫は、広場を立ち去った。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 オルビス家に着く。

 カリンに、連れられアリシアの部屋へと向う途中



「薫様のおかげですよ。アリシアお嬢様が元気に挨拶してくれるなんて夢のようでございます。あの笑顔が見れるだけで、幸せでございますよ」



 溢れんばかりの笑顔とハイテンションで、薫に言ってくる。



「救けた甲斐があったわ。喜んでもらえるってのもやっぱええな」



 少し照れながら言う。



「リハビリする時間をもっと増やせば日常生活に早く戻れるんですから、もっともっと頑張ってもらわないと」

 


 鼻息を荒くして言うカリンだった。



「焦らしたらあかんで。心臓に負担が掛らないように、ゆっくりでええんやから。余計なプレッシャーはようないで」



 舞い上がってるカリンに、釘を刺す。

 しゅんとした表情で、頭を掻くカリンは、「すいません」と、一言いアリシアの部屋の前まで、送ってくれた。



「何かありましたら、お呼び下さいね。私は、仕事がありますのでこれで」



 スキップしながらカリンは、薫と別れた。

 若干心配になる薫は、もう一本釘を刺しておこうかと思いながら、ノックをしてからアリシアの部屋に入る。



「アリシアちゃん、診察と薬持って来たで」



 そう言って薫は、言葉をかける。



「っ!!?」



 アリシアは慌てた。

 現在の格好が、仰向けになり足を上げてリハビリ中だった。

 そして、衣服は動きまわっていたせいか開けており、白く透き通った綺麗なお腹が露わになっていた。

 顔を真赤にし、急いでぱたぱたと体勢を戻し、開けた部分を隠す。



「酷いです。薫様、いきなり入ってくるなんて」



 ぷくっと、頬を膨らませながら怒るアリシア。

 その表情を可愛いなと思いながら、



「いや、すまん。入る前にノックは一応したんやけど」



 頭を掻きながら言う。



「え? あ、すいません。熱中してて気が付きませんでした」



 ぺこぺこと、平謝りをするアリシア。



「リハビリ頑張ってるみたいやな。でも、あんまり無理したらあかんで?」

「はい。気分が悪くなったりとかしない程度で、ちょっと頑張ってみました」



 頬を赤らめて俯いて薫に言う。



「ならええよ。今日は薬持ってきてん。中に、赤と白の薬包紙が入っとる。晩御飯を食べたら飲むんやで」



 ポケットから、小さな紙袋を出してアリシアに渡す。



「薫様ありがとうございます」



 アリシアは、中身にちゃんと赤と白の薬包紙があるか確認する。

 確認した後、ベッドの横に机があるので、そこの上に置く。 

ニコニコと笑顔でアリシアは、前に薫がしてくれた。

 リハビリマッサージを求めてきた。

 かなりお気に召したようだ。

 薫はそれを承諾し、アリシアに横になってもらいマッサージをしていく。

 仰向けになったアリシアに、薫は肩にタオルをひいて、肩からマッサージしていく。

 棘突起から肩峰の方向に向けて、母指の指腹で、圧迫を加えていくとアリシアは、「はぁわぁ~気持ちいいですぅ」と言いながら手をぱたぱたさせ、喜びを表現していた。

 薫は、くすくす笑いながらマッサージを続ける。

 背中に移りタオルをかけ直す。

 背中の中央にある棘突起を親指で軽く押し、圧をかける。

 ここは、あまり圧をかけないようにする。

 今のアリシアの心臓に負荷が掛かっては、いけないので軽めで済ませるがアリシアの手が「物足りないよ~」と、いった感じで先ほどのような動きはしなかったのだった。

 薫は、無言で腰へ移動した。

腰を包み込むように持ち、両方の母指で同時に腰の中心にある脊柱起立筋を押し、圧をかけるとアリシアは、「か、薫様! これは、い、いけません。笑いが、親指以外の指でくすぐらにゃいでぇぇえええ」と笑いながら良い反応をする。



「え? アリシアちゃん、さっき物足りなさそうやったから。ちょっと刺激を与えとんねん」



 薫は、いい笑顔でアリシアに言う。



「こ、これは、ち、違うと思います。や、やぁあああ」



 くすぐられたアリシアは、ピクピクと動きながらまた枕を濡らすのであった。

 薫は、ちょっとやり過ぎたかなと思う。

 頭を撫でながら「すまんすまん。可愛い反応するからいけないんやで」と言うと、アリシアは怒っていいのやら、可愛いと言われ嬉しいのやら複雑な表情になる。

 そのあとは、薫もちゃんとマッサージをしていく。

 しばらくして、アリシアは疲れていたのかそのまま眠ってしまっていた。

 薫は、起こさないようにそっと布団をかけ優しく頭を撫でる。



「(さてと、そろそろカインさんが帰ってくる頃やろう。色々聞きたいことあるから聞いてみるかな)」

 


 そう思いながら、アリシアの部屋を後にする。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 廊下を歩いていると、ちょうどカインが帰ってきていた。



「カインさん、おじゃましてます」



 軽く会釈をする。



「おお。薫様薬のお届けですかな?」

「そうやな。薬はアリシアちゃんに渡しとるから、食事後に飲むと思うで」

「そうですか。ホントに有難うございます。朝から笑顔で、リハビリして早く元気になって治療師になるって燥いでるんですよ。私は、あんな元気なアリシアを見るのは何年ぶりだろうか。感謝してもしきれんよ薫様には」



 本当に嬉しそうに言うカイン。



「大袈裟や。まだまだ回復には時間が掛かるんやから、気長に治していくって考えでおってもらわんと。無理させると体調崩すで」



 薫はカインにもカリンと、同じように釘を差しておこうかと思うのであった。



「薫様、もし宜しければこの家に泊まって貰えませんか? 往診に来る手間も省けますし。それに、アリシアからも頼まれましてね」



 笑顔で言うカイン。



「そうやな。その方がええんやけど。ちょっと、気になる事があんねん」

「なんでしょうか?」

「医療区域に一軒だけ客が、一人も入らない店があるんやけど知っとるか?」

「知ってますよ。【リース治療院】ですよね。現在薫様が泊まってると、言っていた所ですよね」

「そうや。初めてあった時に、店を潰そうとしてる奴らの仲間って言ってたんや。何があったんや?」



 カインは、苦虫を噛み潰したような顔で言う。



「言いにくいのですが。貴族が運営する治療院と揉めてしまいましてね。その貴族が、ちょっと厄介なんです。位が伯爵なんです。名前は、アルガス・ダービーと言います。今まで、この街で一番の回復魔法が使える事をいい事に、幅を利かせていたのですが。そんな時、リースさんがそれを上回る回復魔法を使えるようになりました。料金も安くて、お客さんもそちらに必然的に流れて行きました。今まで幅を利かせていたアルガス伯爵は、激怒して【リース治療院】に嫌がらせをし始めたんです。探索者を金で雇って、治療に行かせていちゃもんを付けさせたりしたそうです。そして現在は、街の迷宮に入る探索者達に、探索者を使ってあらぬ噂を流して、人が治療院に行かないようにしていると聞いてます」



 溜め息を吐きながら話すカイン。



「また、面倒くさい奴に絡まれたな。誰がやってるか分かってるんやから、どうにかできんのんか?」

「それが、捕まえた探索者に問い詰めても証拠は無いのでなんとも」

「証拠ねぇ……。証拠があれば何とか出来るんか?」

「そうですね。証拠があれば、多分位の降格は免れないと思います。信用もなくなるし。周りが相手をしなくなると思います」



 カインの言葉を薫は、噛み締め考えこむ。

 どうすれば、この状況を打破できるか薫は考える。

 そして、ちょっと危険だが一つの作戦を思いつく。



「なぁ、カインさん。ちょっと力貸してもらえんやろうか」



 薫は、真剣な顔でカインを見る。



「ん? 出来る範囲でなら力を貸せますけど私も子爵ですから。下手に動けないですがいいですか?」

「え? カインさんって子爵やったんか? それやったら今度から、カイン子爵って呼んだ方がええかな」

「いや、今まで通りでいい。それにあまり好きではないんです」



 そう言って頭を掻くカイン。



「じゃあ、今まで通りカインさんって呼ばせて貰うわ。あと無理なことは、させへんから安心してくれ」

「わかった。で、どのようにするんですか?」



 カインは、少し不安な顔で聞く。

薫は、悪どい顔をして、作戦をカインに話す。

はい今回投稿が遅れてしまいました。

初盆ですね。それとおばあちゃんが入院でバタバタしたせいでpcを触れず携帯でコメントにあった誤字脱字とかをちまちま直しておりました。


ブックマーク数も4500とかね。もう喜びますよ! もう怖いとか言ってられないです。わーい目指せ5000ブックマークと行きましょう!


読んで下さった方々ほんとにありがとうございます。

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