序章
感想でご指摘頂いたので序章を作りました。
改変した時に詳しい書いたところを消してしまっていたので
高級マンションの一室で、柔らかいソファーに体を預けていた。
目の前のテーブルには灰皿とウイスキーの入ったコップが置いてあり、テレビをつけっぱなしにして、ボーッと目の前のノートパソコンを眺める。
テレビの声が頭の中に勝手に入る。
「はい、現場です!! 天才外科医と言われた芦屋薫さんの自宅前ですが、一向に姿を表しません。記者会見以来表に出てくることが無いですね。私達は、彼の動向をこれから追っていきます。新たな進展がありましたらまたご報告します。現場からでした!!」
リポーターが涼しい笑顔でそう言って、スタジオに画面が切り替わる。
評論家などが言いたい放題批難の言葉を永遠と言い、まるで新しいおもちゃを見つけたかのように解説を入れながら罵るのだ。
聞いていて気分が悪くなり、テレビを消す。
「なんも知らんくせに……。言いたいこと言っとるやないか……」
薫は、そう言いながらノートパソコンを操作する。
することもない。
ただ時間は膨大にある。
記者会見以降からずっとマスコミなどが家に張り付いているため全くと言っていいほど休まらない。
精神的な疲れも尋常ではなかった。
そんなとき、1つのサイトに目がいった。
サイト名は、【貴方の新しい人生を異世界で! あなたの望みを叶えます♪】普段なら見向きもしないが、なぜかこのときは気になってしまった。
サイトに何項目か入力するところがある。
性別、年齢、職業、HP、MP、スキル、アバター、その他要望の空欄、それを暇つぶしに埋めていった。
性別:男
年齢:18歳
職業:外科医
HP:1500
MP:MAX
まで埋める。
次に出てきたのはスキル。
ここは空欄になっており、好きなことが書けるようだった。
スキル、望んだ通りのどこでも手術ができる手術室が欲しい。
それを補助する魔法、及び医学医療に関わる全ての知識、技術が欲しい。
自分のわからない病気を解析できるものが欲しい。
それを治すための知識と手段も欲しい。
薬や臓器などいろいろ作れる魔法が欲しい。
合気道で正当防衛ができたらいいな。
アバター、18歳だったころの容姿で作成した。
その他要望空欄、―――、
全てを埋めて、何をやってんだかと思いながら完了を押す。
画面には、「では、楽しい異世界での人生をお楽しみ下さい♪」と書かれていた。
そのままソファーで寝てしまう。
目が覚めるとそこは、自宅ではなく全く知らない異世界だった。