つぼみの月 三日
のんびり
今日は僕の六歳の誕生日だった。
父さん母さん、それから祖父さん祖母さん、ひい祖父さんひい祖母さん、ひいひい祖父さんひいひい婆さん、そのまたうえの祖父さんと婆さんが大集合してお祝いしてくれた。
そして、ひいひい祖父さんから日記帳をもらった。
と、いうわけで、今日から日記を書くことにした。
三日坊主にならなきゃ良いけど。
しかし、もう僕も六歳になったのか。
月日がたつのは早いものだ。
僕がこの世界に転生してからすでに六年もたっているだなんて。
六年も経っているのに、日本の頃の記憶は鮮明に思い出せる。
まあ、エルフだからなんだけどね。
エルフってすごい便利な体してると思う。
最近は慣れてきて、これが当たり前みたいに思えてるけど、目もよく見えるし、心配機能も優れてるし、身軽に動けるし、三百歳くらいまで生きてるし、魔法も使えるし、エルフ最高。
まあ、肉が食えないのはちょっと残念だけど。
そういえば今日のお祝いで大婆様に久しぶりに会った。
この森の長老様は、もう五百年も生きてるエルフで、みんな大婆様って呼んでる。
いろんなことを知ってて、多分この村で一番物知りだ。
そんな大婆様がしわくちゃの手で僕の頭を撫でてくれた。
父さんの話によると、六歳の時の大事な儀式なんだそうだ。
そうそう、なんか聞いた話によると六歳ってエルフにとって人生の最初の節目らしい。
明日からなにか変わったりするのかな。
六歳っていったら日本じゃ小学生だな。
学校とかあんのかな。
ま、いいや。
眠い。
おやすみ。