02
でも・・・
ガラララ。
「今日は転校生が来たぞー。」
そんな後悔と疑問は、
「如月 玲於です。ヨロシクお願いしまーす。」
一瞬でこの瞬間に拭い去られた。
「あっ。」
そう呟いた如月と目が合う。
あの時の笑顔でこちらを見ていたた。
少し珍しい名前。
なのに思い当たる節はない。
小学校も中学校もそんな名前の人はいなかった。
じゃあなんであたしの名前を・・・?
謎は深まるばかり。
こちらに歩いて来る如月。
すぐに目を逸らす。
「おっおい、如月!」
「俺の席、ここでしょ?」
如月がトントンとしたのはあたしの隣のあいた席。
1番後ろという事もあり、夏休み前に転校して行った子の分の席でもある。
あれ?
なんでわかったの?
あたしの隣の隣もあまりの机が今だに置いてある
「じゃあ皆仲良くしてやってたな。」
そう言った先生が教室を出ると共に、如月の周りに来るクラスメイトと反対にあたしは教卓に向かった。
教卓の上にある席順は前より新しくなっていて、
あたしの名前“妃夏樹 琉衣”(ヒナキ ルイ)の隣にちゃんと“如月 玲於”という名前があった。
「おーい、琉衣。」
「はいっ?!」
振り向くと立っていたのは楠木 功
高校入ってすぐの席替えで席が近かった事から仲良くなった。
「あいつ、バスケ上手いと思う?」
「知らないよー本人に聞きなよ。」
「だよなー」
バスケ部の一年でも1番ってぐらいバスケが上手い功。
あたしも中学まではやってたんだよね。
「転校生って事もあるし容姿も良いし、性格良さそうだし・・・。
こりゃあすぐモテるね。」
弥生の予想は言わずとも合たった。