01
肌寒くなってきた紅葉の季節・・・。
いつもの通学路。
突然上から銀色に光る長細い物が落ちてきた。
無意識に手を伸ばしそれを手にする。
「ネックレス・・・?」
丸く、銀色のシンプルなネックレス。
それが落ちてきた上へ視線を移した。
「あっゴメン。それ俺の。」
金髪に近い茶髪に黒いメッシュが特徴的な男の子が大きな木の上に座っていた。
ジャンプして下りてきた彼の運動神経の良さに驚きながらもネックレスを渡す。
何この人・・・。
触れた手に少しだけドキッとした・・・。
「ありがとう。琉衣ちゃん。」
「へっ?」
不敵な笑みを見せ、数秒目が合うと、彼は走って行ってしまった。
これがキミとの出会いだった。
唖然としながらも、通学路でもある彼の行った方向へ歩き出した。
なんで分かったんだろう?
ハッとし自分の格好や鞄を見る。
どこにもあたしの名前が“琉衣”と分かる物はない。
しかも笑ってた。
知ってる人??
見た目も印象的で綺麗な容姿。
鮮明に頭の中に彼の姿がインプットされた。
そんな印象的な彼を忘れているはずはないはずなのに・・・。
――――
「おはよー琉衣。」
教室に入ると仲の良い、弥生に話し掛けられた。
「おはよー」
「ねぇ聞いた?
今日転校生来るんだって!」
「ホント?!」
「うん!男の子かなー女の子かなー。」
もしかして朝見た男の子かなぁ・・・・。
一瞬脳裏に過ぎった。
が、な訳ないよね。
でも・・・可能性は0じゃない。
逆に高い。
服装・・・ちゃんと見とけば良かった。
今さらながら後悔した。