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ギザ砂漠の亡霊

更新するのが、かなり遅れました、と言うのも、大聖堂のネタバレ回避を考えていましたら、アイデアが上手く纏まらず、更に腸炎に掛かってしまいました。


腸炎が完治してから、ふと、20年前に落書きで書いていた姉妹キャラを思い出したので、ネタバレ回避の為に登場させる事にしました。



自由聖騎士団本部~Side

エクリアSide


今さっき、おとん事ガレス・アリアドネ教導官の呼び出しで自由聖騎士団の訓練所に駆け付けた、勿論何かやらかした訳ではなく、ただ単にうちの能力を試したいそうや、それでリデェアのお父さんのアルトさんがうちの対戦相手や、アルトさんは温厚ななんやれど、模擬戦では手加減を一切してくれないので、全力でぶつからんと赤点と追試がうちらをまs待って居る、一度は前大戦で怪我を負って現役を引退していたらしいけれど、その怪我の治療もようやく終えて、最近は道場に出稽古に近い感覚でうちらを鍛えに来る、でも本職は喫茶店のオーナーをしているから、そっちが暇な時はフェリオさんを相手に新作のお菓子とかのアイデアを考えていたりもする。


「さて、エクリアさん、そろそろ始めましょうか? さ、どこからでも打ち込んできてください」


「はい、お願いします。では、いくでっ」


用意射なくうちも訓練用の木剣で攻勢に出る、何せ相手は(・・)あのイリアさんの旦那さんで前大戦の名うての騎士だった人で引退した現在でもその技は鋭さを増していた。ちなみに夫婦喧嘩はしないそうで

この前、久々に夫妻で剣を取っての練習をしていたら、リデェアに夫婦喧嘩と間違われたという微笑ましいエピソードがあったそうや。


「では、エクリアさん、いきますよ?」


「はい!」


そう、うちに声をかけるとリデェアのお父さんが訓練様の剣を構える、やはり、おかんから聞かされた通り全く隙が無い、さて、どうしたもんやろか? そう考えていたら、うちのおとん(おに)がよりにもよって、アルトさんにとんでもない事を言う。


「アルト、うちの馬鹿娘には一切、遠慮は要らんし、実戦のつもりになって本気で頼む」


「ええ、勿論、最初からそのつもりですよ、ガレスさん?」


え、えぇーーっ! アルトさんが先に仕掛けて来る、しかも本気でアルトさんの姿が消えたと思った瞬間、反射的に腕をクロスさせてアルトさんの攻撃を防ぐ、余りの衝撃で脚に力を入れていなかったら軽く吹き飛ばされていたかもしれへんな? こっちも全力で行かんとぜったい負ける。


「痛っっ、うちも本気で行くわ【筋力解放】と【未来予測】使うで!」


筋力解放とは、おかんエレノアとおとんのガレスの能力で一時的に筋力を増幅させて瞬発力を爆発的に向上させるが、余り乱発する酷い時は筋肉痛で動けなくなる、また、未来予測はお婆…… コホン、お母さんの(怖くて、お婆ちゃんとは言えない)おかんエレノアの母クレアの能力をほんの少しうちが受け継いだ、未来予測と言っても、実際は相手の先に仕掛けて来る行動を少しだけ先読みする程度で普段は余り役に立たない能力や、実際、戦闘では、いざという時はかなり便利だが、普段の日常では、コップが割れるのが三十秒先か後かと言うのが解る程度でそんなもん使う位なら、【そのまま一日過ごした方がいい】と心に決めてる、だって、大して決まっている小さい未来しか解らないなら気にしない方がいい、気にしていたら、うちの神経がその日だけで擦り減ってしまうからや。


(意識を集中して…… 右から、アルトさんの斬撃があと五秒後に来る、その後、うちの脇腹目掛けて蹴りが十秒後に来る)


「はあっ」


やはり、うちの予測通りの一撃を撃ち込んでくるけど予測出来ても、かわすのが精一杯や、それにうちの打撃も全て避けられる、やっぱり実力の違いやな。うーん、


「エクリア、拳だけでなく脚も使っていけ、前にアルトに対してエレノアは……」


「アドバイスありがとう、せやけど、おとん、うちのおかんのノロケは後にしてや」


アドバイスをくれる度に、おかんは、こうしていたとか教えてくれるけど、もう少しおかんの事は…… いや、おかんやからおとんに勝てたんや、だったら、不意に考えていたら脇腹に激痛が走る、よく見るとアルトさんの剣がうちの脇腹に入っていた。


「勝負有りです」


「痛、あーーっ、おとん、負けたさかい、脇の痛み引いたら、とことん朝までしようか?」


「おい、おい、俺の歳を考えてくれ……」


やかましい! 昔はスパルタやったやないか、今更歳もへったくれもあるかい?

とにかく、朝までとことん格闘戦の勝負したろやないかっ、さぁ、朝まで練習に付き合ってもらうでっ

こうして、アルトさんをおとんと見送った後、二人で宣言通り朝まで訓練をする事にした。

※※※※

首都ヴァルゼラート大通り~Side

アレックスSide


今、俺はプラムさんと一緒に買い物に来ている。無事彼女の叔父さんの所で顔を単眼から変化させる術を教えて貰った彼女を見ると、やはり美人だ、元の彼女も今の彼女も俺の気持ちは変わらない。

あとは可愛い服があればいいのだが、プラムさんの服は騎士団の制服と地味な女の子の服しかなかったので、俺が福代をおごるおごらないでプラムさんと話をしていたら、リーザ達に出会って、なし崩し的にプラムさんの必要な物を買うための荷物持ちに選ばれてみんなで出かけることになった。


「あ、アレックスさん…… その、重くないですか……?」


「大丈夫ですよ、この位、いつもエレノアやリーザに、この倍の書類を持たされてますから」


「ふーん、アレックス君は好きな女の【お願い】なら、喜んで聞いちゃうんだ? なるほどねー」


「ちょっ、リーザ、落ち着いて……」


その声にうしろを振り返ると、いや、ホントならプラムさんを抱えて逃げ出したかったんだが…… 逃げたら即効バットエンドな展開が頭を過ぎったので、俺はからくり時計の人形の様にゆっくりと振り返ると、そこには暗黒のオーラ全開のリーザと、そのオーラに圧されているリデェアが後ろにいた。

やべえ、二人は気を利かせてくれて、別々に行動していたんだ。


「あ、あの、この荷物はアレックスさんに…… わ、私が頼んで……」


恐る恐るリーザに俺の弁護をするプラムさん、嬉しいけど彼女を犠牲には出来ないな?

ここはおとこの俺が犠牲になるべきだよな。


「リーザ、とにかく、今はプラムさんの荷物をプラムさんの家に運んでから、リーザお前の話を聞いてやる」


「別に良いわよ? じゃあ、アタシ達の荷物を追加で運んでね?」


(いや、これ以上追加されたら、俺の上腕二頭筋が圧壊する、とにかく拒否を……)


「まあ、骨は拾ってあげるわね♪ じゃあ、お願いね? アレックス、リデェアも荷物を預けて、さ、プラムさん、行きましょうか? 向こうの喫茶店昨日オープンしたんだ、あのお店のシフォンケーキが評判良いんだって、さあ、行きましょう♪」


ぐぉ、メーデ、メーデ、腕が…… リーザ、いつか…… 仕返ししてやるからなぁぁぁっ! 俺は左右へと蛇行しながら荷物を運んで、二の腕の筋肉が限界を迎えて、悲鳴を上げていたところにプラムさんのうちまで歩きつづけた、そこへ、俺の救世主が現れた。

うん、奴は本当にいいヤツだ。今度、おごらせてくれ。


「アレックス君、大丈夫か」


「クレフトか、済まないけど半分荷物を持ってくれ、頼む、これ以上は……もう無理だ」


そして、荷物を手分けしてプラムさんの家まで運んだ、家は二階建ての洋風の建物で一階が、プラムさんが2階はアルフレッドが使用している、前にアルフレッドから聞いたのだが、幼い頃、彼女は彼の所に預けられてほとんど異母兄妹同然に育てられたそうだ。


「さて、荷物は応接間に置いて置こう、アレックス君、よければ、少し話をしないか?」


「ああ、俺もアルフレッド、君に聞きたい事がある」


さて、余り気の良い話では無いから、彼から聞いた事は次期が来るまで俺の胸にしまって置こう、まぁ、リデェアが気付くのも時間の問題なんだが……。


※※※

喫茶店黒猫~Side

リデェアSide


リーザに案内されてボク達は表通りの最近オープンした喫茶店「黒猫」にやって来た、フェリオお兄ちゃんがいたら即日完売するだろね? だって、フェリオお兄ちゃんだけ未だに【シャングリ・ラ】には出入り禁止でいい歳してウルウルしながらボクとお母さんが出掛けるのを見送っている。


(まぁ…… お菓子魔神のお兄ちゃんが相手なら首都圏内のお菓子屋さんはその日の内に閉店してしまうよね?)


それは置いておいて、店は古めかしい外見で木製のテーブルとかを外に置いてあるオープン・カフェで今は客の出入りが少ない時間帯で込み入った話をするには、まさにうってつけの時間だ。


「さて、プラムさん、少しだけ貴女に聞きたい事があるの、勿論、今日聞いた事は、アレックスにも、アルフレッド君にも絶対に言わない事を約束するわ」


「……」


リーザの眼は真剣な眼差しで、普段の少し悪戯っ子ぽい所は今は消えている、ボクも黙ってリーザの言う事に頷いてから、プラムさんに、こう切り出した。


「プラムさんはアルフレッド君の事は知っているの?」


「はい…… 知っています、幼い頃、アルフレッド様の屋敷でアルフレッド様の姉君や妹君と育ちましたから、でも、アルフレッド様は」


懸命に彼女は、アルフレッド様がボク達が考えている様な人物出はないと訴え様とするのを、ボクは静かに頷いて、彼女を制する。


「うん、プラムさんのアルフレッド様に対する気持ちは良く解ってるよ、それに、エレノア司令と面会した時も、彼は穏やかだったしね?」


ボクの特殊能力は【相手の心が少しだけ解る】と言う事だけど、日常生活においては余り嬉しく無い能力ちからだ、それよりも母の力を少しだけ受け継いだそうだけど、アレスさんがボクが赤ん坊の時にその力を封印してしまっているので、ボクもたいして【力】がどうのこうのと考えた事は無かった。


「そうですか、良かった、では、いずれ、アルフレッド様、ご本人様に何時か本当の彼の目的をお尋ね下さい。」


「そうだね、じゃあ、アルフレッド様のお姉さん達の事を教えてよ?」


はい! と彼女は穏やかに、うなづいて嬉しそうに、アルフレッド君のお姉さん達の話をしてくれた。


※※※※

リデェア達とプラムがアルフレッドの姉達について話をしていた頃~Side

ギザ砂漠北部Side


薄い金髪を三つ編みにした女性と、まだ、あどけなさが残る女の子が暗視双眼鏡で、ある武装集団を監視していた。


「見つけた、自称【解放軍】よ、ローザリア」


三つ編みの姉があどけなさの残る金髪のミディアムの少女に話し掛ける。妹は眠たそうなあくびをすると素早くASアームドスーツのコックピットの通信機から、自警団に暗号化通信を送る。


「エルザリアお姉ちゃん、自警団えの通報は終わったよ? 後は自称解放軍を懲らしめるだけだね?」


「ええ、全く、戦後手柄を立てそこなって、そして、帰る場所も無くなって、彼等のはただ、憂さ晴らしに暴れ回れるだけ、もう少し前向きに生きなさいよね?」


そう言って、彼女は自分の愛機を動かす、このまま彼等を自警団に任せておくのも一つの手段だが、それだと村に近づけてしまい、最悪村に住んでいる住民にかなりの被害が出る、だから、その前に片付けておく事にした。


「さて、行くわよ、ミサイル全弾発射っ」


夕焼けの空に向かって多頭ミサイルが複数打ち上げられ、レジスタンスのASがそれに気付いて対空射撃を始める。


<オイ! 政府軍の部隊が伏せていたのかっ!?>


<じょ、情報が違うぞ、うぁぁぁっ!>


彼等が降り注ぐミサイルに気を取られているところに、二機のASが突撃をしてくる。余りの速さに対応仕切れずに、次々と破壊されていく、最後には隊長機だけが残された。


<くそっ、ギザの亡霊がっ>


迫り来る死の恐怖にあがなおうと死に物狂いの反撃をしようとしたが、赤いASがまるでワルツを踊るかの様な機動で隊長機のマシンガンの攻撃をかわして行く。そして、赤い機体に気を取られ過ぎて、背後に紫の機体がいつの間にか回り込んでいた、この二機はレジスタンスの間では、音も姿も現さずに次々と味方を屠って行く事で、ギザ砂漠の亡霊または死に神と恐れられていた。


<うお……ぼ、亡霊……め……>


コックピットをヒートブレードで貫かれて最期に彼は恐怖にみちた台詞を言い終える前に絶命した。


「誰が、亡霊よ?」


「お姉ちゃん、あらたか片付けたから、偽装ルートでアジトに帰ろう」


村の自警団が倒したにしては距離がかなり有るので、第二陣が村に向かっていく可能性は低いだろう。傍受したレジスタンスの通信の内容では、村を襲撃して食料等を奪って更に北に移動するそうだから、合流するまで時間がしばらく有る。


(まずい、彼等の仲間が戻って来なかったら、また、別の村に行く可能性が有るわね? なら、止めを刺しておいた方がいいわね)


エルザリアはそう考えると、妹のローザリアにヴァルゼリア正規軍に連絡を頼んだ。


「少し面倒だけど、正規部隊にも動いてもらいましょう、ちょうど、腕の良い部隊がギザに居るそうだしね?」


「アルフレッドお兄ちゃんも居るかな?」


妹の問いに、彼女は静かに苦笑した、確かにその可能性はあるが、そうそう、再会する確率は低いからだ、そして、二人は機体をレジスタンスのもう一方の部隊が居る地点に向かわせた。

次回不定期ですが、更新をがんばります!



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