第5章 闇の淵より生まれ出でて
かなり、更新遅いですねー。
すいません、見てってください。
最悪だ…。
「おっし、ストライク!」
秀太の声と呼応して、菜緒がキャーと叫び、ぴょんぴょん飛び跳ねている。
「あいつ、やるなぁ…。これでまた離されたぞ…」
「篤希くん!うちらも負けてらんないよ!」
「おう、俺に任せろ!」
と、盛り上がりを見せている。
何故こうなったかというと話は30分前にさかのぼる。
「やっぱり、男子と女子が組んで3レーン使ってやろうぜ?」
秀太のこの問いかけに、僕と水月さんを除く3人は、賛成!と叫び勢いでペアまで決まってしまった。
で、もちろんさっき話してたペア。僕は水月さんとだ。
普通の人ならいいとこ見せようと張り切るところであろう。僕はいかんせんボーリングなどやったことがなく、いいとこを見せるも何もないのである。
そして肝心の点数は…、ガーターばかりで入れてない。
交代制なので水月さんが投げるときは点が入る。なんとも空しいものである。
「蒼くん、初めてだもんね、しょうがないよ」
ふわりと笑顔をかける水月さんに、僕の鼓動は早くなる。
しかし、嬉しさという感情はこみ上げてこない。逆に悔しさがこみ上げる。
情けない、情けない。秀太や篤希はあんなにできるじゃんか。僕にできないはずがない。
「今度は任せて」
僕は水月さんを見つめて微笑んだ。水月さんは心なしか頬を染めたように見える。
そんなことも気にせずに僕は、唇を結び前方を睨んだ。
10本のピン、一つ一つが僕に挑戦しているようにも見える。
僕はボールを後方へ振り上げた、そして…。
「残念だったね〜」
「ゴメンね、僕のせいで…」
簿記はうつむき加減に話した。
「え!? 蒼くんは、途中から凄くよかったよ!そしたら、私が今度はミスってばっかりで…」
水月さんは顔を赤らめた。
「蒼!このまま、6人で祭りに行こうってことになったけどいいか?」
「優菜もいいよね?」
篤希と菜緒が僕たちに呼びかけた。
またも、事後承諾。僕に権利はないのだ。
「うん」と一言だけ言っておいた。
水月さんも、菜緒に向かって返答していた。
「じゃあ、早速行こうか!」
話がまとまったようなので秀太が合図をした。
僕は、緊張の連続で結構疲れていた。今日一日で、何回ドキドキしたか、分からない。
そう、このときの僕は知らなかった――。
過去最大級のドキドキが、今日僕を襲うことを――。