第二話
そして放課後――
僕は被服室へと向かった。
ガチャ――と扉を開ける。
「よっ」
「こんにちはー」
カタカタとミシンの音がする中、僕は先輩たちに挨拶をした。
「よっ、春香さん」
「あ、先輩……」
手縫いで布を縫っていた春香さんが顔を上げる。
「今日は何を作ってるんだ?」
「給食の時の、ナフキンです」
「へぇ。僕も作ろうかな」
「いいですよ。教えてあげます」
僕は手芸部に入ってニ年経つが、一向にうまくならなかった。
手芸部は三年生3人、二年生は僕一人、一年生は春香さんひとりだ。男は僕しかいないが、みんな優しく接してくれる。良
い人達の集まる部活だった。
そして作るものは皆バラバラだ。好きなものを作っているが、きちんと手芸部として活動している。
僕は早速布をカバンから取り出し(布と裁縫セットだけは持ち歩いている)縫い方を教えてもらうことにした。
「そこ、アイロンかけてください」
「お、おぅ」
「あぁ! そこは……」
「ぬぉ……」
悪戦苦闘していた。たかがナフキン一枚で……。
「先輩」
「ん?」
僕は手を止めて春香さんに向き直った。
「朝話していた……」
「あぁ、プラネタリウムか?」
「そのことなんですけど……。今度、見せてもらえませんか?」
何を言い出すかと思えば……そんなことか。
「うん。いいよ」
そう答えると春香さんはわぁっと顔をほころばせた。
「いつ、いつ、行ってもいいですか?」
「いつでもいいよ」
「じゃあ、明日でいいですか?」
あー、明日は確か、土曜日か。親は買い物に行くらしいが……。まぁ、留守番ついでにいいか。
「いいよ」
「やった!」
相当うれしかったらしい。
その後、嬉しさのあまりか手にたくさん針を刺して血まみれにしていたのだから――。
こんにちは。まなつかです。
いいですよね。手芸部。
私の学校にもあったのですが、今年で廃部になるので入部は断られました。
……残念です。
ちなみに、私も不器用でミシンのセッティングができません。
だけど、ナフキンぐらいは作れます。
さて、二人はこの後どうなるのでしょうか?
いろんな展開が考えられますが、私の中では一つです!
それでは。




