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日本転移危機  作者: らいち
プロローグ 転移
13/43

第13話

こんにちわ。

ある程度区切りのあるところまで書き終えたので、息抜きに他の方々の作品を読んでいたのですが。

そこで思ったことが、


 いくらテンポ的に遅くなる展開でも

   他作品で1~3話で消化されてるところまでが長すぎ


そのため、勝手ですが自戒の意も込めて1章ではなくプロローグと変更させて頂きます。

これ以降書く分はなるべくテンポ良く書けるようにいたします。

67年 8/31 12:00:ソルノク守備隊:ソルノク総督府


「報告!報告!庁舎の外門が突破されました!敵部隊は雪崩を打って敷地内に侵入中!既に庭園と裏の搬入口で交戦中!」


はっきり言って、状況は最悪であった。

戦力の集結を行っていた場所は正体不明の攻撃で吹き飛ばされ、残りは庁舎内の防衛隊のみである。

このソルノク総督府は、巨大な外壁と内部にある城で構成されている。

外壁と城の間には庭園が存在し、その一段上に城が存在する形だ。

そのため、遠距離攻撃を行う場合は平射か、自然と撃ち下ろす形となる。

そのため、敵よりも長射程にて迎撃ができるはずだった。

だが、相対している奴らは違った。

長射程の魔導銃に爆裂魔法、そしてこちらの魔導銃の効果は薄いときた。

そもそも、奴らは人間なのか?

長距離でも、まるで会話しているかのように連携を取り、そして爆裂魔法を放ってくる。

しかも無詠唱でだ。

そんなこと、人間のできる芸当ではない。

おまけに空からの爆裂魔法である。

勝てる訳がない。

そんなこと、市街地の城壁が破られたと聞いた瞬間解っていた。

神の使徒や化け物か、それとも未来から来た侵略者か。

そんなことは如何でも良かった。

市街地を守れなんていう、不可能な命令さえ無ければ、部隊や市民と共に一目散に逃げているところだ。

使えない指導者などクソ喰らえだ。


「ほ、報告!庭園の迎撃線が突破されました!既に城内に侵入されています!」

「通路に障害を設置して敵を抑えろ!ここに来させるな!」


突破のスピードが早すぎる。

仮にも、庭園には部隊の中でも腕の立つ隊を配置していた。

その庭園の迎撃線がものの数十分で突破された。

抑えられる訳がない。

もはや、部隊の展開すら出来ずに蹂躙されるだろう。

これだけ電撃的に突破を行ってくる相手ならば、こちらが迎撃態勢を整える時間など与えないはずだ。

少なくとも、戦闘を知っている相手だ。

実戦経験の有無は知らないが。

もはや、増援が来るまで耐えることなどできないだろう。


「第二防衛線!突破されました!」

潮時か。

「全部隊に伝えろ、武装解除。本隊は降伏する。繰り返す、武装解除」


これ以上の抵抗は無駄だ。

我々に残された選択肢は、残り少ない兵力で誇りを掛けて戦うか。

もしくは、小さな希望に掛けて武器を捨てるかだ。

それならば、俺は希望を選ぶ。

その希望が、残った兵士を救ってくれるのならば、俺はどんな地獄にだって身を投げてやる。


「気をつけろ、降伏の振りかもしれん。拘束しろ」


外からそんな会話が聞こえてくる。

どうやら、降伏した人間を無闇矢鱈に殺す野蛮人ではなかったようだ。

その数秒後、突然ドアが蹴り飛ばされる。

そこに居たのは、緑色と茶色の混ざった斑状の服を着た男が数名であった。


「日本国陸上自衛隊である。投降するならば手を上げろ」


その指示通り、室内にいた全員が手を上げる。

あとは、成るように成るだけだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


24年 8/31 12:30:陸上自衛隊:ソルノク総督府


[CPこちらソルノク、ソルノク庁舎制圧。指示を乞う、どうぞ]


支援砲撃より攻撃開始し、6時間と30分が経過したころ、上陸部隊指揮所にソルノク市街地制圧の報が轟いた。

実に制圧完了予定から約16時間遅れ言ったところであったが、その報告は指揮所を歓喜に包んだ。

その歓喜は、制圧部隊の血と汗、そして鉛玉の結晶である訳だが、それは気にしないほうが良いだろう。

いや、気にするべきではない。

喜びの最中ではあるが、やるべき事は山積みであった。

守備隊の指揮官は捕虜にしたし、ソルノクの最高監督者との"お話"もある。

だが、とりあえずの目標は達成された。

あとは後詰めの本隊が主力となるだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


24年 9/2 10:00:陸上自衛隊:ソルノク臨時指揮所


ソルノク市街地の制圧後に行われた守備隊との会合はトントン拍子で進んだ。

面倒なことに、ソルノク市街地における文民の最高監督者は近くにある緊急用の連絡基地から逃げたそうだ。

部隊が捕縛に向かったが、既にもぬけの殻だった。

市街地をたった2日で焦土化された以上、全て当然とも言える結果であるが。


会合の結果、陸上自衛隊部隊による街の再建援助に民間人の保護を主とした条件のもと、市街地の一時的な行政権と周辺敷地の自由な処置が認められた。

というより、認めさせた(恐喝)と言ったほうが正しいだろう。


そのため、沿岸部に設置していた指揮所は最低限の揚陸機能のみ残して撤退。

ソルノク市街地に本格的な指揮機能を持たせた駐屯が建設中である。

2日では流石に完成してはいないが、最低限の機能は既に果たせる状況である。

駐屯地にはヴァクマー帝国の制圧の主力となる部隊が輸送されてきている。

以下にその編成を示す。


(長くなるため、興味の無い方は飛ばしてもらって構わない)


西部方面隊

 第四師団

  ・第十六普通科連隊 4個中隊基幹(基幹連隊)

  ・第四十普通科連隊 4個中隊基幹(基幹連隊)

  ・第四後方支援連隊

   ・第一整備大隊

   ・第二整備大隊

    ・第一普通科直接支援中隊

    ・第二普通科直接支援中隊

    ・高射直接支援隊

    ・偵察戦闘直接支援隊

   ・補給隊

   ・輸送隊

   ・衛生隊

  ・第四偵察戦闘大隊

  ・第四高射特科大隊

   ・第二高射中隊

  ・第四施設大隊

   ・本部管理中隊

   ・第一施設中隊

   ・第二施設中隊

  ・第四通信大隊

   ・第一施設中隊

  ・第四飛行隊

  ・第四特殊武器防護隊

 第二特科団

  ・西部方面特科連隊

   ・第一特科大隊(第十六普通科麾下)

   ・第二特科大隊(第四十普通科麾下)

 第三高射特科群

  ・本部管理中隊

   ・指揮小隊

   ・通信レーダー班

   ・補給班

  ・第三四五高射中隊

 第五施設団

  ・第二施設群

 西部方面戦車隊

  ・第一戦車中隊(第十六普通科麾下)

  ・第二戦車中隊(第四十普通科麾下)

 西部方面対舟艇対戦車隊

  ・第一対舟艇対戦車小隊(第十六普通科麾下)

  ・第二対舟艇対戦車小隊(第四十普通科麾下)

 西部方面航空隊

  ・第一戦闘ヘリコプター隊

   ・第一戦闘ヘリコプター隊本部付隊

   ・第一飛行隊

   ・第二飛行隊

  ・西部方面ヘリコプター隊

   ・第一飛行隊

   ・第二飛行隊

   ・第三飛行隊

  ・西部方面管制気象隊

   ・第一派遣隊

  ・西部方面航空野整備隊

   ・整備隊

   ・補給隊

 西部方面システム通信群

  ・第一○三通信大隊

   ・指揮所通信中隊

  ・第三○ニ中枢交換通信中隊

 西部方面後方支援隊

  ・第一○六全般支援大隊

    (注記 これ以下の部隊は上記大隊麾下)

   ・西部方面後方支援隊本部付隊

   ・第一○五補給大隊

   ・第一○一弾薬大隊

   ・第一○ニ特科直接支援大隊

    ・派遣部隊の支援を行う中・小隊

   ・第一○ニ高射特科直接支援大隊

    ・派遣部隊の支援を行う中・小隊

   ・第一○三施設直接支援大隊

    ・派遣部隊の支援を行う中・小隊

   ・第三○一戦車直接支援中隊

    ・整備小隊

   ・第三○一通信直接支援中隊

  ・西部方面輸送隊

   ・第三○七輸送中隊(第四師団輸送隊麾下)

   ・第三○四輸送隊(第四師団輸送隊麾下)

 西部方面衛生隊

  ・第一○三野外病院隊

  ・第三○三救急車隊


中部方面隊

 第三師団

  ・第七普通科連隊(第十六普通科連隊麾下)

  ・第三十六普通科連隊(第四十普通科連隊麾下)

 第十三旅団

  ・第八普通科連隊

 中部方面航空隊(西部方面飛行隊麾下)

  ・第五対戦車ヘリコプター隊

   ・飛行支援隊

   ・飛行隊

  ・中部方面ヘリコプター隊

   ・第一飛行隊

   ・第二飛行隊

   ・第三飛行隊


警務隊

 西部方面警務隊

  ・第一○地区警務隊

 中部方面警務隊

  ・一三一地区警務隊

        

                     以上


4個普通科連隊を軸とする大戦力である。

なお、第十三旅団第八普通科連隊は周辺地域の調査などを主目的としている。

そのための民間要員も既に移送されてきており、駐屯地内のプレハブを一つ収奪して拠点を設置している。

もちろん、自衛隊はそれを止める権利を持ち合わせていなかった。

民間人恐ろしや。


戦力は連隊戦闘団(RCT)、いやもはや旅団戦闘団(BCT)すら超えて師団を編成できるレベルであるが、主戦力は第四師団隷下の普通科連隊である。

あくまでも中部方面隊より抽出された普通科連隊は、占領後の残党処理や各種都市の武力が必要な事案の解決を担う。

謂わば駐屯部隊的な役割である。


また、本来の業務及び地域の治安維持要員としては警務隊が2個隊派遣されてきている。

各種司法施設などからも要員が派遣されてきており、現地での司法手続きを担う。

既に統治のことまで考えている訳であるが、今のところ制圧できているのはソルノクのみである。

そのため、現状過剰といえる警務隊は全員がソルノク市街地での業務に従事しており、監視国家もびっくりな治安維持となっている。


当のソルノクであるが、最初こそ抵抗があったものの1日もすれば住民に手は出さないこと、そしてソルノクの技術力を軽く凌駕していることを理解したのか、協力的になっている。

市内では水機団の施設科が警務隊も巻き込んで復興作業が行われている。

その作業の最中では、効率的な作業法や現代的な建築技法などを教え込んでいる。

もともとマンパワーと怪力で現場を乗り越えてきたソルノクの人間であるため、教え込んだ技術をフル活用すれば短期間で復興されるだろう。


第二施設群は絶賛駐屯地の建設のうち、飛行場の建設を行っている最中である。

水機の隊員が飛行場よりも風呂を寄越せと暴動を起こす一歩手前であったが、第四施設大隊が仮設の風呂を設置し事なきを得た。


そんな紆余曲折があった飛行場だが、陸自飛行隊の回転翼機のみならず、空自の固定翼機も運用できる大型なものである。

もちろん、空自の主力機のF-15J EagleやF-2 Viperが離着陸できるよう2000m級の滑走路である。

いずれ復役したRF-4EJやRQ-4B Global Hawkも運用することとなるだろう。


既に完成している区画では、方面航空隊のCH-47 ChinookやUH-60 Black Hawkが空を支配している。

滑走路は合計3本建設される予定であるが、現状は1本目がもうすぐ完成といったところである。

その内情は突貫工事であるが、1本目が完成すれば空自のC-130 HerculesやC-2の物資輸送が開始される。

そこからの建設は超特急で進むだろう。


飛来するのは第一輸送飛行隊第四○一飛行隊と第二輸送航空隊第四○ニ飛行隊である。

また、かがで治療中であった水機団や民間の負傷者の後送のため、航空機動衛生隊の第一機動衛生班も同時に輸送されてくる。

さて、ここまでソルノク市街地周辺の状況を羅列してきた訳だ。


ではヴァクマー帝国制圧の件はどうなっているのか。

今回主力を務める第四師団の2個普通科連隊は、ソルノクからの航空支援が受けられる状況になってから出発ということになっている。


第十六普通科連隊が北方に位置するタタバーニャ要塞都市へ、第四十普通科連隊が西方のソンバトヘイ市街地へと向かうことになっている。


タタバーニャ要塞都市は名の通りの要塞都市であり、ソンバトヘイ市街地は貿易が盛んな都市となっている。

後者もある程度の防衛設備を持っているとのことだが、要塞都市に比べれば貧弱なものらしい。

タタバーニャ要塞都市に関しては、ソルノク市街地の数倍は防衛設備が整っているとのことである。

全てソルノク市街地の住民からの情報である。

侵攻計画は街道沿いに全てを破壊しながら進む。

それが検問所でも要塞でもだ。


今回はソルノク市街地攻略に比べて火力が整っている。

特科も大隊規模で進出するし、F-2による精密誘導爆撃も可能だろう。

エアランド・バトル

実態は深縦戦闘による敵部隊の包囲ではなく、電撃戦による中枢の制圧であるが、やりたいことはおおよそ同じだろう。

残り時間は僅かである。

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