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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
最終章

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82 進軍

 アレッポの領主と早速会談する。


「この度は本当にありがとうございました。今後についてですが・・・」

「私たちはすぐにでも出発しなければなりません。それで今後についてですが、各国が最低限の支援はしてくれます。また、私たちが去った後もアンデットが再び襲って来る可能性も捨てきれないので、防衛用の兵力は残していきますので、心配しないでください」

「分かりました。それで今後我が領は、神聖国ルキシアに併合されるということでいいのでしょうか?」


 まあ、領主であればそう思っても無理はない。


「今はそれどころではありません。こちらとしては、何よりも今回の黒幕であるマリアを討たなければならないのです。ルキシア王国のままを望むのであれば、それで構いません。こちらは何も求めませんからね」

「分かりました・・・」

「これから私たちは、王都ルキレシアを目指して進軍します。もし難民が来たら受け入れてあげてください。それだけで、構いませんよ」

「なんと慈悲深い・・・本当に感謝いたします・・・」


 そうは言ったものの、マリアを討てば必然的にルキシア王国は終わりだろう。状況から考えて、王族が生きている可能性は低いだろうしね。


 アレッポでは3日滞在した。本当は復興支援なんかをしてあげたかったけど、そうも言っていられない。今もアンデットの大群と戦っている国民が多くいるからね。偵察部隊によると、ほとんどの領で近隣の村や町から領都などの城塞都市に避難して、籠城作戦をしているようだった。そして、アレッポを出発して、3日目にアレカイロという町を解放した。こちらは領主一家や側近たちは既に逃げてしまっていた。この町を実質的に指揮していたのは、商業ギルドのギルマスだった。


「聖女様・・・本当にありがとうございました。領主のクソ野郎なんか、今更戻って来ても、領主と認める住民はいません。聖女様に従います」

「ありがとうございます。私たちは、前に進まねばなりません。手厚く支援をしてあげたいところですが、ご了承ください」

「気にしないでください。各国から必要最低限の支援はしてもらえます。なので、困っている国民を一人でも多く救ってください」


 こちらのアレカイロは、町を上げて支援をしてくれ、義勇兵も出してくれることになった。直接戦闘には参加させられないけど、解放した町の治安維持なんかには使えるからね。


 ★★★


 アレカイロを後にした私たちは、次々と町を解放、進軍は順調に思えた。しかし、王都まで約3日の距離まで来た辺りで、問題が起こる。解放した町に多くの避難民が押し寄せ、懇願してくる。


「どうか我が町を解放してください。まだ家族がいるんです」

「それを言うなら我が町を」

「我が町のほうが・・・」


 王都に近付くにつれて、壊滅している町も増えるし、今にも陥落しそうな町も多数存在する。できるなら、全ての町を今すぐにでも解放したい。だが、物資も人員も全く足りていない。一気に王都を強襲することしか計画に無かったのだから・・・


 コウジュンが言う。


「すべての町を解放するなんて、今の段階ではできません。ここは心を鬼にして、計画通りに進軍しましょう」

「そうね・・・でももっと早く王都に到達できないかしら?王都にいるマリアを討伐できれば・・・」

「そうなると、安全が確保できません。苦渋の決断ですが・・・」


 それが最善策だというのは、頭では理解している。でも、助けたい。

 だったらどうすればいいの?答えなんて出ない・・・


 そんな時だ、慌ててゴードンが報告に来る。


「ファイリス様とロックス様が、来られています」


 こんな時に何の用だ?

 でも、忙しいから帰れとは言えない。


 ファイリス様とロックス様と面会する。


「しかし、酷い顔をしておるのう。何かあったのか?わらわたちは、様子見に来たのじゃが・・・」


 ファイリス様によると、新鮮な魚介類を差し入れに来たとのことだった。でも実際は、私たちを心配して来てくれたのだろう。

 私は人払いをし、ファイリス様にすべてを話した。転生したこと、本当の聖女ではないこと、自分のミスで、多くの命を「邪神の化身」で「死霊術師ネクロマンサー」であるマリアに奪われたことなどのすべてを話した。楽になりたかったからだ。そして、聖母ガイアの像も見せ、お願いをした。


「ここまで話した通り、私は別の世界で死に、こちらの世界に生まれ変わったのです。そして、聖母ガイアより、直々に死霊術師ネクロマンサーであるマリアの討伐を命じられているのです。ですので、私だけでもマリアの元に運んでくれませんでしょうか?

 ただ、私一人を王都に運んだだけと言う建前にすれば、戦争に加担したことにならないかと・・・」


 そう言い掛けたところで、遮られた。


「馬鹿者!!それを早う言わんか!!だったら話が違ってくるぞ!!」


 ロックス様が言う。


「マリアは、「邪神の化身」だというし、聖母ガイア直々の命令ということであれば、僕たちも介入できるんだ。何たって、相手は人間ではなく邪神だからね」


「とういうことは・・・」


「王都まで運ぶだけじゃなく、アンデットを一掃しても問題ないよ。この程度のアンデットなら、僕たちだけで大丈夫さ」


 希望の光が見えた。

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