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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
最終章

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81 出陣

 初めて、「幻惑魔法」で作り出した聖母ガイアの奇跡を見た者たちは、衝撃を受けたようだ。驚きの表情を浮かべ、騒ぎ立てる。


「こ、これが噂の神の奇跡か・・・」

「信じられん・・・」

「ああ・・・夢でも見ているようだ」


 少し落ち着いたところで、ラーシア王国の関係者と思われる男性が質問をして来た。見たところ、ライオンの獣人のようだった。獅子族というらしい。話を聞いたところルーマという名で、王弟だという。


「我はルーマ、王から今回の件で、全権を委任されている。まず聞くがそちらの獣人の女性はどのような関係か?」


 エリーナを見て質問してきた。


「私の大切な従者、龍騎士エリーナです。そして、親友でもあります」

「彼女から話を聞いても?」

「どうぞ」


 ルーマは、エリーナに尋ねる。


「正直に言ってくれ。聖女殿はどのようなお方なのだ?」

「本当に素晴らしい方です。数々の奇跡を起こされてきました。かくいう私もその奇跡を受けた一人です。私は猫獣人ですが、体毛が薄い体質で、しかも呪いが掛けられていて、才能が封じ込められていたので、生まれ故郷の村では不遇な扱いを受けていました。しかし、聖女様のお陰で私の才能は開花し、今では立派な大道芸人として・・・」


 エリーナ!!そこは龍騎士と言おうね!!


 エリーナの答えに納得したルーマは言う。


「聖女殿は、噂通りの人物だと分かった。我ら獣人にも分け隔てなく接してくれるようだ。正直、宗教戦争の片棒を担がされると思い、うんざりしていたのだが、事情が事情であるし、聖女殿も信頼ができる人物のようだ。ラーシア王国としては、最大限協力をする。精鋭部隊を派遣することを約束しよう」


 これに小国家群の代表たちが反応する。


「我が国も兵を派遣します」

「我が都市は、派兵はできませんが、資金援助を」

「同じく」

「我が国は食料援助を」


 後で聞いた話だが、オルマン帝国の武勇は有名だが、ラーシア王国も数こそ少ないが、精鋭部隊を揃えていると噂されている。この二大国が賛成に回ったのだから、反対の立場を取ることは自殺行為と考えて、賛成に回ってくれたようだ。


「それでは、早速軍議に入りましょう。コウジュン!!準備を」


「はい!!」



 ★★★


 早速軍議が始まる。

 コウジュンが言う。


「まず、やってもらいたいことは、自国の防衛です。ルキシア王国と国境を接する国は、いつアンデットが湧き出るか分かりませんから、特に注意してください。その上で、余裕があれば支援をお願いしたいのです」


 ルーマは言う。


「砦での戦いを少し見させてもらったが、アンデットに細かい作戦は無理のようだ。砦を築いて守るだけなら、一般兵でも何とかなるだろう。こちらの心配はしてくれなくて大丈夫だ」


「心強いです。それでは具体的な戦略について・・・」


 この世界の戦争は拠点となる都市を取るか取られるかの陣取り合戦のような形が主流だ。コウジュンの案もいきなり王都ルキレシアを攻めるのではなく。一つずつ周辺の都市を解放していき、徐々に王都に進軍する。時間は掛かるけど、安全を最優先にする作戦だ。


「各国にお願いしたいのは、陥落した都市の防衛です。危険を伴う突撃任務は我が国の部隊で、行います。その際に防衛だけでなく、食料支援や資金援助をしてくれたら有難いと思います」


 ここでブラックローズ公爵が言う。


「危険を伴う突撃任務は我がオルマン帝国軍も参加しよう。孫娘にばかり、負担は掛けされられん。まあ、我がオルマン帝国軍がいるのだ。安心してくれ」


 これにルーマも答える。


「オルマン帝国がそうなら、我が国も精鋭部隊を出す。いつ来るか分からんアンデットの大群を引きこもって待つよりも、こちらから出向いたほうがいいからな」


 この軍議で、神聖国ルキシアの神聖騎士団、オルマン帝国とラーシア王国の精鋭部隊が都市を解放し、その後の都市防衛や住民の支援は小国家群が援助してくれることになった。


 そして、1ヶ月後、とうとう出陣することとなる。

 バージニアから連合軍を率いて出発する。出発に際して、ここでも聖母ガイアの幻影を出した。


「さあ!!進むのです!!この先に助けを求めている多くの民が待っています!!勇者たちに幸多からんことを!!」


 出発式に詰めかけた観衆から大歓声が上がる。


「き、奇跡だ!!」

「聖女様!!みんな!!頑張ってくれ!!」

「故郷を取り戻してくれ!!」


 ★★★


 最初の目的地はアレッポという城塞都市だ。バージニアから3日で到着した。偵察隊の報告によると、籠城して、何とか持ちこたえているという。


「いつまで持つかは分かりませんが、住民たちは無事のようです。ただ、兵糧などは厳しいものと推測されます」


「分かりました。皆、疲れているとは思いますが、すぐに救出に向かいましょう」


 私の案はすぐに受け入れられた。

 私は軍の先頭に立ち、拡声の魔道具で叫ぶ。


「私は聖女カレン!!アレッポの皆さん!!救援に参りました!!もう少しの辛抱です。食料もたくさん用意してきましたよ!!」


 アレッポから歓声が上がる。


「助かったぞ!!」

「もうひと踏ん張りだ!!」

「神は我らを見捨てなかった!!」


 ところで作戦はというと、そんなものはあってないようなものだ。神官騎士団がアズイーサを先頭に突撃をする。負傷したら下がり、治療が完了したら、また前線に戻る。他の部隊は、そのサポートをするだけだった。

 初めて共闘するルーマはかなり引いていた。


「どっちがアンデットか分からんな・・・我が部隊は後方から隙を見て攻撃だ!!」


 あっと言う間にアンデットの大群を撃退した。そして、私たち連合軍はアレッポ市民に大歓声で迎えられることになる。

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