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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第三章 聖女の建国記

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57 聖女、火龍の従者を募集する

火龍であるファイリス様が住み着くことになって2週間が経過した。各所から悲鳴の声が上がる。

まずはエリーナだ。


「もう限界です。こちらも仕事があるのに『従者なのだからいつも側に控えて、もっと世話をするのじゃ』と言ってくるのです。もう仕事になりません」


続いてはゲディラだ。


「今はカレン様の像を建設中ッスけど、『わらわの像も作れ』と言って聞かないッス。人員も足りないし、予算のほうも・・・・」


予算の話になったところで、コウジュンも口を挟む。


「食費がかなり掛かるのもそうですが、最近は買い物に嵌っているようで、このままでは赤字に・・・」


これは対処しなければならない。

火龍に町を焼かれるとかではなく、財政面で破綻するなんて本当に予想外だ。


「分かったわ。私からファイリス様に進言します」



従者達の期待を背負い、私とエリーナはファイリス様の居室を訪ねた。

部屋はこれでもかというくらい荒れ果てていた。本当にこのドラゴンは片付けができないようだ。

私達がファイリス様に説明をしようとしたところ、先に予想外のことを言われてしまう。


「エリーナだけでは、わらわの世話を満足にできんようじゃから、別の従者を用意するのじゃ。最近、お主らのわらわへの扱いが雑になってきているしな」


まだ、要求して来るのか・・・・本当にこの馬鹿ドラゴンは!!


でも言えるはずもなく、その威圧感に屈してしまい、要求を呑んでしまう。

帰りにエリーナと話をした。


「どこかにファイリス様を崇め奉るような、奇特な人達はいないかしら?それに無償でファイリス像を建設してくれるような・・・」


言いかけたところで、エリーナが遮った。


「居ます!!それも多くの人達が!!」



★★★


ということで、やって来たのはマトキン男爵領だ。

ファイリス様の背中に乗って移動すればあっという間だ。すぐにマトキン男爵の領主館を訪ねた。ファイリス様はドラゴンの姿で登場したので、町は騒然となっていた。慌ててマトキン男爵と婚約者のザーラさんがやって来た。


「マトキン男爵、先触れも出さず、失礼かと思いましたが、少し相談したいことがありまして・・・・」


「そ、それはいいのですが・・・・ところで、何用で?」


何とか落ち着きを取り戻したマトキン男爵とザーラさんに事情を説明する。

すると、ザーラさんは涙を流しながら言った。


「古龍様にお会いできるなんて、本当に幸運です。それに従者を募集しているなんて!!

もしお腹に子供がいなければ、領主婦人の座を投げうってでも私が従者となったものを・・・」


「おい!!ザーラ。というか、最近私への態度が冷たくないかい?」


「貴方は黙っていてください。これはリザードマンの一大事なのです。従者の件ですが、里で募集すれば希望者多数でしょう。選抜するのが大変なくらいです」


「分かりました。それでは里にこれから行きませんか?ファイリス様に乗れば、すぐですので」


「そ、そんな恐れ多い・・・・」


ザーラさんは気絶してしまった。



★★★


ザーラさんが復活したところで、マトキン男爵とザーラさんと共にファイリス様の背に乗って移動する。

里に着くと案の上、大騒ぎになった。


やって来たザーラさんの父親の族長に事情を説明した。


「なるほど・・・それなら我が娘達が適任かと思います。他の者達は羨ましがると思いますが、そこは族長権限でねじ伏せますよ」


これで、争いごとなんかは絶対にやめてほしい。


すぐに感動の表情を浮かべたリザードマンの若い娘たちがやって来た。


「ジーラです」

「ズーラです」

「ゼーラです」


ザーラさんの妹達から挨拶を受けたファイリス様が言う。


「うむ、まあよかろう。ただし、わらわの指導は厳しいぞ。いばらの道と思え」


「「「はい!!」」」


何をどう指導するのかは分からないけど、厳しいことだけは確かだ。


続いて、ファイリス像の建設についての要望を行う。


「費用はこちらで負担しようと思うのですが、建設に必要な人員を・・・」


「聖女様、気にしないでください。こちらですべてやります。ただ、技術者がいないので、そこさえ何とかなりましたら」


「そうですか、それならこちらのゲディラを派遣します」


これにゲディラが難色を示す。


「そんなことをしたら、カレン像の完成が遅れてしまうッス!!みんな楽しみにしているんスよ」


私の像なんて、作らなくていいのだけど・・・・


「ゲディラ、私のことは気にしなくていいの。まずはリザードマンの方達の幸せを大事に考えてね」


「流石は聖女様ッス。分かったッス」


ここでマトキン男爵も会話に入って来る。


「聖女様、何から何まで悪いので、像の建設費用は我が領で負担します。ここに像を作って人を呼び寄せれば、収入アップ間違いなしです。街道の宿場町からこちらに誘導すれば、大勢の方にお金を落としてもらえますからね。

その代わりと言ってはなんですが、こちらで定期公演を開いてもらえないでしょうか?3ヶ月に1回でも構いませんからね」


マトキン男爵は本当に商売上手だ。

こちらに移動するのはファイリス様に乗ってなので、ファイリス様を見に来るだけでも多くの人が寄って来る。特に古龍を信仰している種族は特にだ。この里も人口が爆発的に増えているしね。


これで、従者の確保とファイリス像の建設の目途は立った。

後はファイリス様の予算の確保だけど・・・・・

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