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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第三章 聖女の建国記

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56 聖女、火龍に寄生される

火龍のファイリス様を連れて、エルサラに帰還した。

火龍に乗って移動しているのを多くの領民が目撃しているので、私を神聖視する領民が増殖している。建設中の私の像にお祈りを捧げている。その数は聖母ガイア像よりも、なぜか多い。


そんなことは置いておいて、今後の方針を従者達で話し合う。


「とりあえず、機嫌を取って怒らせないようにしましょう。それで、明日のエリーナの予定はどんな感じなの?」


「すぐ近くの村で定期公演があります。そこでいつも通り大道芸をして、その後はお風呂で村人を癒すという形です。今回はポールさん主催の劇団が「聖女と剣姫と勇敢な女領主」を上演するので、ここにミニサラ達もゲスト出演する予定です」


それならファイリス様を一緒に連れて行っても大丈夫だろう。


次の日、眠そうなファイリス様を連れて、私とエリーナ、ゴードン、アズイーサで公演予定の村までやって来た。


わらわは眠いのじゃ。朝っぱらから、どこに向かうのじゃ?」


朝っぱらからって、もう昼過ぎなんですけど・・・・・


私はファイリス様に今日の予定を説明する。


「そうか、わらわのためにサラちゃん達が出し物を見せてくれるのじゃな。あまり期待しておらぬが、その心掛けは褒めてやろう」


村に着くと、既に多くの村人が広場に集まっていた。

村長が代表して挨拶に来る。


「これはこれは、本日は聖女様までいらっしゃるとは・・・本当に感激です」


「いえいえそんな・・・・今日はエリーナの付き添いで来ただけですからね。もし、病人や怪我人が居たら、簡単な治療はしますから言ってくださいね」


「何とも有難い」


そこから、エリーナは公演の準備、ゴードンとアズイーサは接待兼護衛、私はというと怪我人や病人の治療を行っていた。幸い重傷者はおらず、中級回復魔法だけで対応することができた。


しばらくして、エリーナが大声を上げる。公園の始まりだ。


「さあ皆さん!!龍騎士エリーナとドラゴン達による公演の始まりだよ!!今日はこちらのミニサラがメインだから期待してよね!!」


すぐに広場は人だかりができていた。


久し振りにエリーナの公演をじっくり見たが、本当に見事だった。ミニサラ達の一糸乱れぬ団体行動は、非常に愛くるしい。それにシェルドンのウォーターキャノンにミニサラのバーニングボールを合わせて湯気を発生させ、それを利用してミニサラ達が消えたり、現れたりする演目は大いに盛り上がった。


「毎回見るけど、今日のトカゲさんは頑張っているわね」

「ああ、でも俺は亀さんの方が好きだけどな」


彼らはドラゴンだから、その点は注意したほうがいいかもしれない。


後はファイリス様だけど・・・


「す、凄すぎる。サラちゃん達があんなこともできるとは思わなんだ・・・・わらわは非常に感動しておる」


ファイリス様は涙を浮かべていた。大成功と言ってもいいだろう。


次はお風呂づくりだが、以前にドロシーが浴室は作ってくれているので、今回はシェルドンが水を入れ、ミニサラ達がバーニングボールを水に入れるだけで完成する。


「こんなこともできるのか・・・せっかくなのでわらわも入るぞ」


結局、私達は女風呂に揃って入ることになってしまった。


「いい湯加減じゃ。猫娘・・・いや、エリーナよ。そなたは龍騎士としての素質があると見える。これからも精進するがよい」


エリーナもファイリス様に認められたようだった。

ただ、冷静に考えてみると龍騎士というよりは、大道芸人として認められたような感じなので、少し複雑だ。


その後、ポールさん主催の演劇を鑑賞する。何度見ても、むず痒い展開には慣れない。ミニサラ達も劇の迫力を出していた。ファイリス様はというと少しご立腹だ。


「もっとサラちゃん達を前面に出すように言うのじゃ!!」


「ファイリス様、ミニサラ達を中心とした劇を今作っている最中ですから、またの機会まで・・・」


この場を切り抜けるための全くの大嘘だ。


「お主がそこまで言うのなら、今回は勘弁してやろう」


そんな感じで、劇については一応合格ということになった。

劇の後はカレーを振舞う。ファイリス様はどの村人よりも多くカレーを食べていた。


わらわは、劇に出て来たカツカレーが食べたい。持って参れ」


どの口が言ってるんだよ!!


「ファイリス様・・・カツ自体が高級品なので、申し訳ありません。帰ったらご用意しますので・・・」


カツカレーはのカツは別売りなのだ。そして、村で功績のあった10名は無料で食べられるという特典が付く。村が発展し、皆多少の余裕は出て来たので、多くの村人がカツを買ってカレーに乗せている。ここでファイリス様にがつがつ食べられてしまうと村人の食べる分が無くなってしまう。


「まあ、帰って食べられるのなら、今回は我慢してやるか」


とまあ、こんな感じで公演は終了した。普通は一泊して帰るのだが、早くカツカレーが食べたいファイリス様は、ドラゴンの姿に戻って、飛んで帰ることになった。村人達は呆気に取られている。それはそうだろう。いきなりドラゴンが現れ、私達を乗せて飛び去ったのだから。


帰還して、ご満悦のファイリス様に伺う。


「このような活動をエリーナは続けております。ミニサラ達の能力も向上しているので、このままエリーナを私に仕えさせてもらっても、よろしいでしょうか?」


「そうじゃな。しばらくお主に面倒を見てもらおう。それで、わらわもしばらくこちらに住むから、そのつもりで、しっかりと接待をするように」


えっと・・・・このドラゴンはここに住み着く気か・・・


貴方は居るだけで、災難なんだよ!!


と言えないことが非常につらい。

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