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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第三章 聖女の建国記

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47 聖女、教会本部に喧嘩を売ってしまう 4

神官騎士団約3万人を抱えることになってしまった。

このことはお父様にも報告したが、驚きで腰を抜かしていた。


「カレンはそんなことはしないと思うんだけど、戦争でもするのか?」


そう思われても仕方がない。

お父様とお母様、領の要職に就いている者、デブル枢機卿、ウサール枢機卿、フローラ枢機卿、ヤサク司祭、コウジュンをはじめとする従者達を集めて会議をすることになった。

お父様が言う。


「とりあえず、領都のエルサラに常駐させられるのは多くて1万だよな・・・後は・・・うーん・・・」


コウジュンが言う。


「そうですね。今のところレーベに5000名の派遣を考えています。それと返事待ちですが、ジョーンズ伯爵領でも3000名ほどは引き受けてもらえるそうです。ただ、運用を考えなければなりませんね」


こんなとき、どうすればいいのか?

日本での数少ない歴史や経済の知識を引っ張り出してくる。


思い付くのは公共事業くらいだろうか?

訓練ということで街道整備とかに回せないだろうか?

レーベがいい例だが、特産品が無くても、交易の中継都市というだけで、大発展している。現在のクレメンス子爵領は南にオルマン帝国と面しているが、オルマン帝国のドーン伯爵領やドルト男爵領とは上手く交易ができて利益が上がっている。

しかし、北側のルキシア王国については、ほとんど交易を行っていない。隣領のアバウス伯爵に法外な通行料をむしり取られていた過去があり、そこを使用しない交易ルートを確保するためにオルマン帝国との交易が盛んになった背景があるからだ。

今の資金力と豊富な人材があれば、アバウス伯爵領を通行しないルートで街道を整備すればいいのではないだろうか。

そして、そのままジョーンズ伯爵領までつなげてしまえば、もっと頻繁にアンジェリカさんやポールさんに会って、美味しい物をいっぱい食べられるかもしれない。


「お父様、よろしいでしょうか?この際、北側の街道を整備してはどうでしょうか?アバウス伯爵領を通らないルートで街道を整備するのです。そしてそのままジョーンズ伯爵領までつなげてしまうというのは?」


「それはいい考えだ。みんなはどう思う?」


ここでデブル枢機卿が言う。


「アバウス伯爵はガチガチの教皇派です。聖女様と教皇派が本格的に対立すると街道封鎖などの措置を取ってくるかもしれません。今のところメインの交易はオルマン帝国ですが、全く痛手がないわけではありません。なので可能であれば賛成したいと思います。

ただ、北側は山間部なので、工事は難しいかと・・・」


ここでドロシーが言う。


「それなら大丈夫です。山にトンネルを掘ればいいんですよ。堀ったあとの整備はゲディラが指導した職人が補強していけば何とかなりますし、新しく来た神官騎士団の中で街道整備に向いている者がいれば、回してくれると助かります」


つまり、技術的には可能ということか。


更に普段全く発言しないゲディラが話始めた。


「街道もそうッスけど、なんかエルサラに「ここに聖女様がいます!!本当の聖地はここッス!!」みたいなシンボルとなる物を作りたいッス。大聖堂でもいいし、お城でもいいんすけど・・・」


これにはヤサク司祭が食い付いた。


「それは素晴らしいアイデアです。多分、多くの人がここを訪れ、カレン様を称えるでしょう。私は大賛成です。今回は採算を度外視してもいいかもしれません」


ゴードンも続く。


「だったらカレンお嬢様の像を作りましょう。それがいいです。その美しさを世に知らしめるのです」


「そうだそれがいい」

「ゴードンは偶にはいいこと言うッス」

「それならレーベにも建てたいです」


従者達も賛成する。


ちょっと・・・それは恥ずかしすぎるわ。


「ちょっとみんな落ち着いて、予算とも相談しないといけないし・・・」


アズイーサが私の言葉を遮る。


「聖女様、そんなのは簡単だ。寄付を募ればいいのだ。我がブラックローズ公爵家はもとより、他の貴族達はこぞって寄付をするぞ。せっかくだから世界一の大きさの像にしよう」


そんな・・・止められない流れだ。


「像を作るのは止めません。だけど最初に作る大きな像は聖母ガイア様でお願いします。私はあくまでも聖母ガイア様の使いに過ぎませんから」


何とか認められ、聖母ガイア像を建設することで収まってくれた。



★★★


話が決まれば早いもので、すぐに動き始めた。デブル枢機卿は資金集めのため、スガクールさんと共にオルマン帝国を中心に劇団を率いて回ることになり、アズイーサも神官騎士団の基礎訓練が終われば合流する予定のようだった。


神官騎士団員のすべてが治療術士としての適性があるわけではない。アンボイのように1週間足らずで上級回復魔法を習得してしまう一方で、なかなか回復魔法のスキルが発現しないものも多くいる。なので、その者達をふるい分けるためにも基礎訓練を行っているのだ。

回復魔法のスキルが発現しない者や発現しても他の職務を希望する者は、私が自ら鑑定を行って、適正な部署に割り振っていく。一日に100人近く鑑定することもあり、魔力が枯渇している。しかし、魔力回復ポーションをガブ飲みして頑張っている。私が鑑定しなければ、それだけ、振り分け作業が遅れるからだ。流石にビキニアーマーを着用して垂れ流し状態ではやってないけどね。


街道を整備したり、聖母ガイア像を建設したりしている状態だが、そろそろ、私とお父様は王都ルキレシアに行かなければならないのだ。


私は教会本部に、お父様は王宮に、教皇派と意図せずに険悪な雰囲気となったので、できれば行きたくないのだが・・・

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