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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第二章 聖女、ビジネスに励む

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39 聖女、復興を支援する

フレイムグリズリーの危機は去ったが、ドルト男爵領がダメージを受けたことには変わりない。農地の半分が焼失し、狩人達が狩りをしていた森も大きな被害を受け、当面は狩猟や薬草採取もできない状況だ。救いは復興支援金が潤沢にあることだろうか。

これには訳がある。ブラックローズ公爵、ドーン子爵を中心に私に対して褒賞金を出したいと言ってきたので、その褒賞金を全額ドルト男爵領に寄付するようにしてほしいと言ったからだ。


「聖女様は何と気高い方なのだろうか!!」


称賛されたが、私は親切心だけでそうしたのではない。実はドルト男爵領は宝の山なのだ。まず、魔石関係だが、良質の魔石をミニサラマンダー達が定期的に集めて、集積所においてくれることになったので、それだけで大きな収益が得られる。

それに火山地帯で作物が育たないというが、育てやすい作物を育てればいいのだ。まずは日本でのお馴染みのサツマイモ、それと乾燥地でもよく育つブドウだ。これをそのまま食べてもいいのだが、焼酎とワインにして販売すれば、保存も効くし、かなり稼げる。

すでにゲディラが焼酎とワインの工房の建設に取り掛かっている。私達が帰った後もしばらくゲディラはここに残るそうだ。ハーフドワーフで酒好きなので、本当に天職なのだろう。


「本当に楽しみッス、新しい火酒が作れるなんて。本当に聖女様には感謝ッス」



これだけなら、ドルト男爵領が発展するだけで終わりなのだが、私は儲けがこちらに来るようにもした。

お得意の聖母ガイアの幻影を出して言う。


「街道を整備し、新たな道を作るのです。そうすれば、未来も開けるでしょう!!」



実はドルト男爵領に一番近いのは、地図上では我がクレメンス男爵領なのだ。しかし、街道が整備されておらず、他国であるため交易は行われていなかった。なので、資金にも余裕がある今、我が領の発展中の交易都市レーベへと続く街道を整備する。

ドロシーが言う。


「今回は細かい整備は全部してくれるので楽です。どうせなら帰還しながら、道を作っていきましょう」


そう言えば、ドロシーの道路づくりを間近でみるのはこれが初めてかもしれない。


圧巻だった。どんどんと土が抉れ、道ができていく。舗装はされていないが、あっという間に道っぽくなった。

流石に馬車は通れないので、歩いての移動になるのだが、ドルト男爵領からレーベまでは2日しかからなかった。馬車が通れるようになれば、1日で行き来ができる。


★★★


レーベに着いた。来るたびにこの町は発展している。レーベが故郷のエリーナが言う。


「不便な村だったのが嘘のようです。もう立派な都市ですね」


「そうね。もっと発展すると思うから楽しみだね」


レーベではいつも通り歓迎されたのだが、予想外の人物と再会した。ポールさんとアンジェリカさんだった。


「ちょっと領都のエルサラに立ち寄ったんだけど、噂を聞いてここまで来たのよ。大活躍だったらしいわね。その時の話を聞かせてよ」


「そうです。是非聞かせてください。スガクールさんも知りたいでしょうし」


二人の陰に隠れてデブル枢機卿と妻のスガクールさんも現れた。特に予定はなかったが、食事会を開くことにした。私が今回の事件の顛末を話すと一同感心し、スガクールさんはしきりにメモを取っていた。


また、脚色しまくった演劇を作られるのだろうか?


話しは料理に話になり、焼酎とワイン、特産品のブドウとサツマイモが話題になった。

アンジェリカさんはいう。


「だったらこれから種芋を持ってドルト男爵領に行ってみるわ。貴方達は一度エルサラに戻るんでしょ?」


「そうですね。父や母に今回の出来事を報告して、少しゆっくりしたら再びドルト男爵領を訪ねます。意外に近いですからね」


「そうね。そのころにはスイートポテトが作れるくらいにはなっていると思うわ」


本当に頼もしい。それに食材があればアンジェリカさんは何でも作れてしまう。これからも仲良くしていきたいものだ。


レーベでは大道芸人としてミニサラ達を加えた演目を上映した。これも大盛況だった。そして、何よりも大好評だったのが、簡易の風呂だ。

ドロシーが土魔法で簡易の浴槽を作り、そこにシェルドンが水を張る。そして、ミニサラが「バーニングボール」を入れてお湯にするのだ。

数年後、これが元でエルサラに銭湯がオープンすることになった。



★★★


事件から半年が過ぎた。

ドルト男爵領では、サツマイモもブドウの収穫も順調で、ワインも焼酎も作れるようになった。ドルト男爵領とレーベを結ぶ街道もほぼ完成し、馬車も通行できるようになり、ますます交易も活発になった。


私達も頻繁にこの地を訪れている。

というのもエリーナと行動を共にしているミニサラマンダー達は、ミニサラ以外定期的に入れ替えているのだ。これはミニサラマンダー達の希望でもある。みんな外の世界が気になるようだった。

また、ヘルフレイムグリズリーさんともつながりを持ち続けたいので、定期的に訪問しているのだ。


それに行きかえりで魔石も拾えるしね。

ダリアから私達が少し魔石を拾う分には了承をもらっている。


ここまでの活動で、私は聖女としてかなりの支持を集めている。


このとき、私は心に決めていた。聖母教会の改革をしようと。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


今回で第二章は終了になります。次回からは本格的に教会の改革に乗り出します。

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