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<最終章>結婚詐欺師、異世界で聖女に~私が聖女?女神様!!多分人違いだと思うのですが・・・  作者: 楊楊
第二章 聖女、ビジネスに励む

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24 聖女、ポールさんの秘密を知る

まず、ポールさんが話始めた。

口調もなんか落語家さんの口調になっている。


「以前にお話したかもしれませんが、私と妻は異世界の「日本」というところで暮らしていたわけですが、テティス様は転生するに当たりまして、私に特別な能力を与えてやると言われました。

私としては、どんな世界で、具体的に何をするのかも分からない状態でしたので、困ってしまいました。前世を振り返ってみると、悪役俳優人生に悔いはありません。強いていうなら、主役もやってみたかったと思うくらいです。

前世では悪人面だったので、今回は主役ができるくらいの顔にしてほしいとお願いしました。するとテティス様は言ったのです。


『そんなことか。おまえの両親は美男美女だから、心配するな。他にはないのか?』


そう言われても・・・悩んだ末にこう答えたのです。


『とりあえず、何でもそれなりにできるようにしてください』


前世では結構不器用だったので、今回は何でも器用にできたらいいな、くらいの軽い気持ちで言いました。するとテティス様が喜びました。


『そんなんでよいのか?これならもう一人できるぞ!!早速選ぶのじゃ!!』


『ちょっとお嬢ちゃん!!そういうことは良く考えてから・・・・』


時すでに遅く、気が付くと妻が召喚されていました」


話を聞いて思うのだが、馬鹿女神の娘も大概だ。親子そろって説教してやりたい。

ポールさんの話を受けて、今度はアンジェリカさんが話始める。


「ここからは私が話すわね。私は前世で「ヤクザ」というこちらで言う地下組織というか、何というか犯罪者グループにいたのよ。そこで亡き夫に代わってトップを張ってたんだけど、抗争であえなく死んじゃってね。気付いたら神殿にいたわ。黒髪の美少女がいて、その横にはポールが居たのよ。その黒髪の美少女がテティス様ね。

テティス様は何かぶつぶつ、言ってたわ。


『ヤバい!転生者同士を会わせたら駄目なやつだ・・・処分される・・・どうしよう・・・ああ』


話にならないからポールに事情を聞いたのよ。それにポールは私が良く見ていたVシネマに出てくる俳優だったのよ。それで話が弾んじゃって・・・・ってヤクザもVシネマも分からないわよね?」


よく分かりますよ。どちらも・・・

でもここは知らないフリをすることにした。私も転生者ということはまだ伏せておきたい。


「よく分かりませんが、推察するにヤクザは非合法組織、Vシネマはその非合法組織を題材にした演劇のような物でしょうか?」


「そ、そうね。Vシネマが必ずしもヤクザを題材にした作品ばかりじゃないんだけど・・・。まあいいわ、話を続けるわね。ポールから事情は聞いてある程度のことは理解した私は、私はテティス様を叱ったのよ。


『アンタは仮にも神って名乗ってんだから、多少想定外のことがあっても、ドッシリしてなさい!!それに何かのルール違反をしたようだけど、ルールなんていくらでも抜穴があるから、落ち着いてよく考えててみなさい』


ってね。そしたらポールも


『多少失敗しても観客は気付かないもんですよ。堂々と笑ってりゃいいんですよ!!神様ってことなんだから!!』


と言って励ましてね。それから落ち着いたテティス様は私にも転生の話をしてくれたのさ」


ルールの抜穴って?ヤクザは考えることが違うな・・・・


「それで、私もスキルっていうの?特殊能力をもらえることになったのよ。前世では、さっき言ったみたいな仕事だったから、普通の主婦に憧れてたのよ。だからね迷わず言ったわ。


『料理を上手く作れるようにしてください』


ってね。それで、ポールと私は転生しちゃったのよ。前世の記憶は10歳の時に二人とも突然戻ったんだけどね。ポールの父親は領主で私の両親はポールの両親に仕える従者だったから幼馴染ね。それでそのままね・・・・フフフ」


何となく事情は分かった。ポールさんもアンジェリカさんも馬鹿娘の被害者ということだ。でも二人は転生させられたことに感謝しているようだった。

今度はポールさんが話を引き継ぐ。


「それで、二人でテティス様の信仰を集めるために前世の知識を使ったり、スキルを活用したりして、領地を立て直し、信仰を集めていったんですよ。特にアンジェリカが作ったサンドイッチとホットドッグ、ハンバーガーは飛ぶように売れましたね・・・・」


ハンバーガーもホットドッグも是非とも食べたい・・・


「それで信仰心が溜まったので、光り輝くテティス像を触ったら転移されたんですよ。それで、以前話したように信仰心のポイントを使い果たしてしまったという話をされた後にこう言われたんです。


『ポイントを使い果たしたわらわが言うのも何だが・・・もう少し、悪の組織っぽい活動をしてほしい。これでは、母神ガイアを手伝う良い女神になってしまうではないか』


それでいいんじゃないのか?と思ったんですが・・・。そういうお年頃かなって思って、私もノリに付き合ってしまったんですよね。


『必ずや悪の組織を作って、世界を恐怖に陥れてやりましょう!!』


まあ、転移されて戻ってアンジェリカに事情を説明したら、こっぴどく叱られましてね。『今度から自分も連れていけ』って言われましたよ。それでアンジェリカと話し合ったところ、良いアイデアを思いついたんですよ・・・」


私は思わず、ポールさんの話に引き込まれた。


「何と悪の組織を作っちゃったんですよ!!」


「えええー」


何でそうなるんだろう?

私が戸惑っているとポールさんは話を続ける。


「驚きますよね。でも心配しないで聞いてください。おい!!ジャヒー、入っておいで」


そういうと黒髪の頭に角がある少女が、どこからともなく入って来た。どう見ても魔族だ。私は咄嗟に身構えた。


「心配しないでください。こちらのジャヒーにも関わることなんでね。とりあえず、お茶でも飲みながら少し休憩をしましょうか?」


話しはまだ続くらしい。ポールさんは本当に悪の組織を作って、世界を恐怖に陥れるつもりなのだろうか?

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