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伯母さん家と叔父さん家

 本日臨時休業。投稿します。

 実力テスト開けの学生食堂は静まり返っていた。突然始まった爵位講義に、皆が聞き耳を立てている。

 講師役の三年生の男子生徒が、爽やかな笑顔で話を続けた。


「調べればすぐ分かることだし、隠すことでもない。僕らの主家を聞けば、もう、分かっているだろう」

「ええ、まあ」

 テムニー侯爵とデイネルス侯爵の従属爵位家。その出身者だと言われれば、無視はできないか。


「どゆこと、マーク。俺に分かるように教えてくんない」

「はは、マーク卿のご友人は肝が据わっている。君、ライナーと言ったか。バルトコル伯爵と聞いて、分かるかな」

 

 ライナーが元気よく首を横に振った。

「そうか、じゃあ、初めから話そうか」



 バルトコル伯爵家はデルスパニア王国の東の端に位置する。他国ならば辺境伯と呼ばれてしかるべき高い家格を持つ。

「二代前に公爵家から婿入りしているし、現女伯爵の母君は王弟殿下の姫君。伯爵家でありながら侯爵家以上の血筋を持っている。領地は広大で豊か、国境を接するトマーニケ帝国との交易が盛ん。文句なしの伯爵家筆頭だ」

「へぇ、すんごい貴族様なんだ。あ、貴族様ですね」


「そう。そしてバルトコル女伯爵のご息女が、私の主家のテムニー侯爵家へ第二夫人として嫁がれている。次期テムニー侯爵のご生母だ」

「えっと、テムニー侯爵のお嫁さんの実家がバルトコル伯爵ってこと、で、いいんですよね。でも、マークと関係、あるんですか」


 ライナーが言葉使いを頑張っている。ちょっとつっかえ気味だけど、普段に比べたら上々の出来だ。


「もちろん。マーク卿の母君はバルトコル伯爵令嬢。テムニー侯爵夫人の異母妹にあたる方だ。マーク卿はテムニー侯爵夫人の甥で、次期当主の従弟(いとこ)。主家のご親族になる」


 食堂に(ざわ)めきが起きた。母のことは、知ってる人は知ってるが、知らない人が多いだろう。


「へっ、異母妹って」

「ライナー、そこを説明しだすとキリがないから。高位貴族って、ややこしいんだ。テムニー侯爵夫人が僕の伯母さんってことだけ覚えといてもらえれば良いよ」

「ふーん。分かった」


「おやおや、まあ、ここまでにしておこうか。あとはデイネルス侯爵家についてだけど」


「それは僕から話させていただきます」

 口を挟んだのはデイネルス侯爵家の従属子爵家、グローダ子爵令息だった。


「我が主家デイネルス女侯爵の配偶者が、エザール・デイネルス侯爵でいらっしゃいます。エザール卿はランドール子爵家のご出身。マーク卿の叔父にあたるお方です」


 今度はさっきより大きく騒めいた。


「エザール・デイネルスって、第三宰相閣下だろ。もうすぐ第一宰相に昇格するって噂の」

「子爵家出身って、びっくりした」

「元子爵家だ。今はランドール伯爵だよ」

「それにしたって、伯爵家から侯爵家に婿入りは破格だろ。そんなんありか」

「普通は有り得ないけどな。バルトコル伯爵家が特例なんだ。他にもあったなんて」


 聞こえてくる声はどれも御尤(ごもっと)も。我が家はつくづく特殊だ。


「ええっと」

「デイネルス侯爵は僕の叔父さん。それだけ覚えておいて」

 ライナーが心許なげに頷いた。


「筆頭伯爵家の血筋で、二つの侯爵家が近い親族。その上、義父君と義妹君のこともある。どうだい、身分序列一位で納得できるだろう」

 

 悔しいけど、否定はできなかった。










「あのさ、マーク、一緒に来てくれって言ってた王都の叔父さん家って、もしかして侯爵?」


 あ、ライナー、気付いたか。














 ややこしすぎるマーク君の家系。まだこれ以上にややこしいので、ライナー君に引かれないよう、ストップ掛けました。手遅れ感がありますが。


 なるべく解り易くしましたけど、詳しいことは本編を参照してください(笑)




お星さまとブックマーク、よろしくお願いします。感想も待ってます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ライナー君も平民ながら優秀だな [一言] 現在はまだタムルク国との開戦前っぽいからデアモント公爵が出てくるのはもうちょい後か(本編8章開始ぐらい)
[一言] いつも楽しく読んでます! どこかで主要なとこだけでも家系図欲しいですね・・・ 前さくの最後に追加はどうでしょうか。
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] あー読んでて頭グシャグシャになりました。本編のときも、でしたけど。 ライナー君と同程度に「叔父さんと伯母さんが侯爵家で本人は伯爵家」と理解しておこう。
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