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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第九章 修学旅行

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スピードアップ

 なんとか今日中に更新できそう。お待たせしました。

 キャラバンは順調に予定をこなして行った。

 相変わらず領内の道は閑散としていて誰ともすれ違わないが、行く先々の村では大歓迎してくれた。

 と言っても、せいぜい百人ほどしか住んでいなかった。


「なんか、ちぐはぐだなぁ。ホントにここ、開拓村なんか。普通さ、掘立小屋が並んでて、道なんてグネグネ曲がりくねってるもんじゃねぇ」


 きちんと規格整理された住宅地。空き地が目立つが、建っている家はどれも新築で、豪農の屋敷と言われても違和感のない規模だ。


「なんでこんな立派な宿ができてんの。買い物できる店があるってすっげえ贅沢」


 宿に隣接して、一階が商店になっている造りの大型施設が建っている。

 もっとも、入居している店は小さな売り場一つ分だけ。あとは伽藍堂(がらんどう)だ。

 並んでいる商品は、キャラバンが運んで来た物資ばかり。それも全戸に配布される食料や生活必需品は別扱いだから、数も種類もささやかだ。


 ライナーの疑問は(もっと)もだけど、平民が自力で開拓するのと、貴族が組織的に開拓する差じゃないかな。王家から下賜されたんだから、便宜を図ってもらえるだろうし。


 キャラバンの責任者さんによると、どの村もこんな感じだそうだ。

「どこも作りかけのまま、どんどん村の数を増やしているんですよ。おかげで来るたびに新しいルートを作り直しです。今回は最短距離で領都へ向かいますけれど」


 更に二つ先の村まで来て、僕らは答を知ることになった。


 村はずれには木材の山。住宅地に立ち並ぶテントの横では、いくつもの集合住宅が建築中だった。

 村の周囲には、ちゃんと畑が出来ている。

 そしてそれらの全てに人、人、人。


「なるほどなぁ。こんだけの人数受け入れる前提の村づくりやったんか。村の数考えたら、全部でどんだけの人口になるんでっしゃろな」

 僕も知りたいよ、コーカイ。


 挨拶に来た村長さんは、タムルク王国で地方都市の代官をしていた人だった。僕がランドール伯爵家の者だと知ると、両手を握りしめて来た。


「全てランドール大将閣下のお陰です。受け入れていただけて感無量です。あのままタムルクに残っていたら、ほとんどの者が流民になって野垂れ死にするところでした。真に、真に、感謝に堪えません」

 そのままオイオイと男泣きするものだから、どうしたものか、本当に困ってしまった。


 後でオスカー義父さんに聞いたけど、身分を笠に着るような貴族は、みんなタムルク王国に残ったそうだ。

 政争に負けて仕方なく逃げてきた人もいたけど、移民に混じると問題起こして周囲から浮くからすぐに見つかったんだ。領主権限で受け入れ拒否しといたって。

 開拓地で苦労すると分かってて移民してきた元貴族の人は、民のことを第一に考える素晴らしい人ばかりだから、安心だって笑ってた。


 その村長さんから手渡された書類には、運んで来た積み荷の全てをここで下ろすように指示があった。

 ランドール伯爵領の代官を務めるグレーン卿の公印が押された、正式な公文書だ。




 積み荷のなくなったキャラバンは現地解散。そこから引き返すことになった。

 僕ら修学旅行組は、そのまま高級馬車で港町を目指す。納車先がそこのサウザンド商会支店だからね。

 当然僕らだけとはいかなくて、キャラバンの責任者さんも一緒だ。


 足の遅い幌馬車と切り離されて、速度がぐんと上がった。

 領都に近くなると、固めただけの土の道が綺麗に舗装された道に代わった。元々揺れの少ない高級馬車が、ほとんど揺れなくなったんだ。


 一見、石畳のようだけど、継ぎ目が見当たらない。大きな一枚板のような道がずっと続いている。

 王都で見た事ないけど、これも最新技術なんだろうか。


 その内、ミリアの漫画で取り上げて詳しく説明してれるかな。









 只今、文明開化の真っ最中。新しい技術や設備がどんどん広まっているので、舗装された路面を見ても、これもそのうちの一つなんだろうなと納得しています。


 次は港町マイヅルかな。早いとこデパ地下ダンジョンまで行かないと、学園の長期休暇が終わってしまわないか心配です(笑)


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。



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