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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第八章 叔父さんの訪問

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サプライズ

 遅くなりましたー。


 次週も土曜仕事なので、更新無いかもです。ご了承下さい。

「正当な血筋で健康。キャサリン義姉さんが産まれて、バルトコル伯爵家は歓喜したそうだ。これで次世代は安泰だとね」

 とは言え、産まれたばかりの赤ん坊を正式な後継者にするのは難しい。


「上に姉が三人。特に長女は女伯爵の実子で、すでに成人している。それを()退()けてというのは無理があった」


「あのー、」

 ライナーがまた手を挙げた。


「そのままご長女様が跡継ぎになってれば良かったんじゃないでしょうか。病弱だったのは子供のころだったんでしょう。成人まで生きられないって言われてたそうですけど、ちゃんとご成人なさったんだし」


「確かに、そうできれば一番だったんだけどな。当時、ご息女は病弱なままだった。なんとか成人にこぎつけられたけど、余命わずかと言われて、貴族学園に入学できずじまい。学園を卒業できなければ家督を継ぐのは無理だ」


「そう、ですか」

 ライナーがしょんぼりしている。おまえ、良い奴だな。


 気を取り直すように、オスカー義父さんが声を明るくした。

「キャサリン義姉さんを後継者にすると、ご長女を差し置いてと非難されることになる。かと言って、ご長女が亡くなるのを待つというのはあまりに無情だ。そこで他家に嫁がせるという形で、家から出すことにした。姉が格上の侯爵家に嫁げば、残った妹が伯爵家を継ぐ理由にできるだろ」


 家の都合による政略結婚は、高位貴族なら当たり前のことだ。

 学園に通えない出来損ないの娘を侯爵家と縁を結ぶ駒にした、周囲からはそう見られたんじゃないかな。


「カレスン卿は父親として人並みの幸せを与えたかったと仰ってたよ。子を産めなくても肩身の狭い思いをしなくて済むよう、すでに男子が二人いるテムニー侯爵家へ第二夫人として嫁がせたと。それにテムニー侯爵領は王都よりずっと近い。移動の負担を少しでも減らしたかったそうだ」


 結果的に、これが幸いした。


「一種の転地療養かな。伯爵家では、庭はベッドから(なが)めるものだった。侯爵家では、第一夫人のご子息と一緒に遊ぶ場所になった。過保護すぎて運動不足で食欲不振、負のスパイラルに(おちい)っていたと判明したんだ」


 ご息女の不健康は過保護だったからだと分かって、家族はもとよりバルトコル伯爵邸の使用人一同の落ち込みは、それはもう酷かったらしい。


「女伯爵の病弱は本物で、少しでも無理をすると熱を出して寝込んでしまう。それが当たり前になっていたというか、ご息女も女伯爵と同じだと無意識に決めつけていたんだ。実際、幼いころはしょっちゅう熱を出して寝込まれていたそうだし、その印象のまま来てしまってたんだな」


 迂闊と言うか何と言うか。それ、医師の責任問題になったんだろうなぁ。


「とにかく、テムニー侯爵第二夫人は健康になった。学園に進学できなかった埋め合わせのために、複数の家庭教師を招いた。何もできなかった過去の反動か、何事も意欲的に学んで生き生きと活動しだした。王都のテムニー侯爵邸に移り住んで、二年が経過したころ、懐妊された」


 えーと。

 テムニー侯爵、頑張ったんだね。


「高位貴族の結婚は契約だ。事細かに条件が決められる、らしい。俺も良く分からないんだが、幾つか決まり文句みたいなのがあるんだ。その中の子供が生まれたら嫁の実家の跡取りにするっていう一文(いちぶん)が付け加えられていた」


 あくまで形式。子供が産まれるなんて、誰も当てにしていなかった。


「基本的にめでたい話だ。テムニー侯爵家の血筋でもあることだし、産まれてくる子はバルトコル伯爵家の跡取り確定。なので、元平民の母を持つキャサリン義姉さんはランドール子爵家へ輿入れすることになった訳だ」




 最後の説明がかなり雑になったけど。


 オスカー義父さん、キャサリン母上が跡目争いで暗殺されかけた話は、このまま秘密にしておくんですね。








 いろいろあったんですよ。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] クソどうでもいい話を諸事情として把握しておかないといけない側近つらすぎ
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