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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第八章 叔父さんの訪問

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伯爵からの紹介状

 本編を読まれた方なら、あーあれかと思っていただけるはず。分かりますよね(笑)

 週末。実家の馬車を森林公園入口の停留場まで差し向けてもらった。

 ランドール伯爵家の紋章入りの馬車を見せびらかしたいなんて思って無いよ。単純に乗合馬車や辻馬車の順番待ちを省略したかっただけ。それだけだから。


 ライナーと二人、貴族街のランドール伯爵邸へ到着すると、恒例の上級使用人によるお出迎えがあった。

 揃いのお仕着せで一糸乱れぬお辞儀。王城の儀仗隊かって言いたくなる見事さ。

 もう、いい加減慣れたよ。


 家令のリカルド・オーエンさんと並んでいるのは、ルシカ先輩あらため、僕の側近のルシカ・マクレーン。けじめのために、さん付けや敬語は禁止されてしまった。

 破ると叱責される。僕じゃなくてルシカ先輩が。


 理不尽だけど、これが高位貴族なんだ。

 とっとと伯爵家を出て子爵家に戻りたい。つくづくそう思うよ。


 いつもの談話室ではなく、集まったのは応接室。来客を迎える部屋だった。

 キャサリン母上とニーナ義母さん、義妹のミリア、そこにオスカー義父さんまでそろっていたのにはさすがに驚いた。


「珍しいですね、義父さん。お帰りなさい」

「ただいま、マーク。久しぶりだなぁ。元気にしてたか」

「はい」


 おい、ライナー。そんなにガチガチに緊張するなって。救国の英雄に緊張するのは分かるけど、オスカー義父さんは庶民派というか、気さくな人だから。

 ほら、キャサリン母上が怒る前に、ちゃんと挨拶して。


「は、はじれまして、じゃない、初めまして。ライナーと申します。マークとは学生寮のルームメイトで、同じクラスで親しくしております」


 あー、お小言(こごと)確定した。



 メイドさんがお茶とお菓子をサーブして下がった。リカルドさんと研修中のルシカ先輩の二人は壁際で待機。ピシッとした姿勢が決まってる。さすがです。


「今日、集まってもらったのは、少々訳ありのお客様が来るからだ。既に王家とも相談済みで、対応は我が家に一任されている。今日この場での情報は非公開となるが、情報共有は許された。というか、あらかじめ教えておくために来てもらったんだ」


 話を主導するのはオスカー義父さん。伯爵家の当主だから当然のこと。


「知っての通り、ランドール伯爵領の南の端が、神の恩寵の運河に接している。天然の良港になる入り江があって、港湾都市として開発することが決まった。大型船の建造計画も国と軍の肝入りで進んでいる。で、だ。運河を利用した貿易も合わせて始まる予定なんだが」


 その話は知っている。国際連携機構が推し進める多国間貿易でしょ。通商条約の条文は定期テストで穴埋め問題になってたし。


「東の隣国のトマーニケ帝国との交易は、いままでバルトコル伯爵家が一手に引き受けていた。戦争で一時停止していたが、徐々に戦前水準まで回復してきている」


 バルトコル伯爵領は、我が国の東の端。トマーニケ帝国に続く街道が通っている。交易の窓口になるのは当然だろう。


「運河を使えば、トマーニケ帝国と直通の海運航路が新設できる。数年後には確実に実現する将来だ。既に代官のグレーン卿へ複数の商会から接触が来ている」


 オスカー義父さんは軍で忙しくて捕まらないし、領政はグレーン卿へ丸投げ状態だからね。そうなるよな。


「そんな中で、バルトコル伯爵の紹介状を持った商人が来てな。トマーニケ帝国の商会なんだが、長い付き合いの所らしくて、まあ、色々と。我が家との付き合いを始めたいとのことだが、どの程度まで関係を持つか、まあ、その、なんだ、あー」


 オスカー義父さんの歯切れの悪さに、ライナーとルシカ先輩が戸惑っている。

 心配しなくても、いつもの義父さんだから。救国の英雄のイメージは無視して大丈夫だよ。


「しっかりしてちょうだい、あなた。とにかく、ちょっと訳ありのお客様なの。貿易はランドール家の将来に関わって来るから、取り敢えず王都に居るみんなで集まってもらったのよ。それだけじゃないけど。まあ、詳しいことは後でね」


 


 どんな商人が来るんだろうと待ち構えたけど、見知った顔が含まれていたのは予想外だった。


 お前ん()の商会だったのか。びっくりしたぞ、コーカイ。





 

 何となく成り行きでオスカー君登場。締まらない初登場ですけど、オスカー君らしいと言えばらしいです。


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