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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第七章 聖女ミリア

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戦争と勝利

 遅くなりました。なんとか週末更新クリアです。

 今週は土曜休みなので、リアーチェ侯爵令嬢とマーク君、両方更新したいです。

 タムルク王国が降伏したという一報が飛び込んで来たのは、長期休暇が明けてすぐだった。

 学園に入学して半年、後期の授業が始まって、それぞれが自身の進路にそったカリキュラムを選択し終えたころだ。


 今回の戦争は、タムルク王国の挑発から始まった。

 繰り返される威力偵察を払いのけていたら、(ごう)()やしたタムルク王国が、正規軍の先遣隊を使って国境地帯に侵攻してきた。

 たまたまそれに遭遇したオスカー義父さんが、出向先の騎士団と協力して撃退したのが一年ちょっと前。その時の功績で中将に昇進して、救国の英雄の称号を得たんだ。


 それで懲りておけばいいのに、タムルク王国は宣戦布告してきた。

 失点を挽回しようと軍部の一部が暴走したとか、貴族の派閥争いで二進(にっち)三進(さっち)もいかなくなったとか、まあ、国内事情ってやつらしい。


 宣戦布告されたからには受けて立たなきゃいけない。重い腰を上げたデルスパニア王国軍だけど、それからが凄かった。


 三年続いたトマーニケ帝国との戦役で、デパ軍が動員したのは騎士団三つだけだった。それも国境地帯で侵攻してくる帝国軍を撃退していただけで、帝国本土へは一歩も踏み込まなかった。

 ところがタムルク王国へは、十五もの騎士団を派兵した。破竹の勢いで占領地を広げ、物量で圧迫して降伏に追い込んだとか。


 そう、物量。

 国王陛下が国を挙げての総力戦を宣言されて、軍事物資の大増産が国家事業として始まったんだ。


 ランドール伯爵領に吸収合併した開拓村も、国の予算で道が整備されて岩塩の採掘を大増産したくらいだ。

 辺境でそれなんだから、国中どこでも戦争景気で大発展したって不思議じゃない。 


 王領や有力貴族の領地で、大規模な生産施設が造られて、大勢の作業員が雇われた。

 大量生産とか、工場とか、そこで働く人を意味する労働者とか、新しい言葉が次々と広まって、未成年の僕でさえ時代が変わったと肌で感じている。

 戦争が終わっても、社会の仕組みは戦前に戻せないだろう。




 オスカー義父さんが戦地から帰還したのは、割と早いタイミングだったらしい。でも、戦後処理が長引いたとかで、王都のランドール伯爵邸にはなかなか帰ってこなかった。


 なんでもタムルク国内で難民になった民間人が、大量に我が国へ移民してくることになったとか。

 ほとんど領民のいないランドール伯爵領で受け入れるよう、国王陛下直々の指示があったそうだ。代官のグレーン卿は、需要と供給の一致ですねと笑っていた。


 移民問題だけならグレーン卿に丸投げして終わりなんだけど、オスカー義父さんには、デルスパニア王国の顔としての仕事が待っていた。

 聖女ミリアに下った神託を実現するため、他国と交渉する役目が与えられたんだ。


 神託は、多国間の国際条約締結。そして国際連携機構、略称国連の創立。


 もちろん、学園に在学中の僕には、一般公開される情報しか伝わってこない。義父さんから直接詳細を教えられたのは、ずいぶん後のことだった。





 新章開始。短いですが、プロローグ的な状況説明回です。

 さて、どう話が転がるかな。

 

 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。

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