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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第六章 ダンジョン

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ジャン村長

 短いですが、まとまりましたので。ようやくダンジョンに到着です。

 ツオーネ男爵領からランドール伯爵領へ抜ける道は、塩の道だった。


 男爵領の背後の山には、岩塩の鉱脈がある。

 領主のいない辺境の未開地、平民なら誰でも好きなだけ採掘し放題だが、交通の便が悪すぎて個人的に細々と採掘されるだけだった。


 状況が変わった切っ掛けは、東の隣国、トマーニケ帝国との戦争だ。

 軍事物資の保存食の材料として塩の需要が高まり、国の肝入りで大増産が始まった。荷車を通す山道が整備され、岩塩採掘のためのテント村が設営されて、やがてログハウスが立ち並ぶ開拓村へと発展した。

 まだほんの数年前の話だ。


 


「あっしが村長のジャンでやんす。伯爵様の坊ちゃんがおいでだと聞いてご挨拶に参りやした。伯爵様には、領民第一号の称号を頂いたでやんす」


 代官のグレーン卿に連れられてきたのは、いかにもな農民だった。


「あっしらを追い出さないでくれて、本当にありがたいでやんす。村のことは今まで通りあっしらに任せてもらえてやす。教会は、村の子が卒業試験を受ける齢になるまでには完成するって言ってもらえやしたから、不満はありゃあしません」

 にこにこしながらジャンが指差した先には、真新しい教会が建っていた。外観はどう見ても完成しているんだけど。


「内部の部屋のドアがまだ付いていないのですよ。試験運用ということで業務は開始していますが、正式な教会としては未登録です」

 グレーン卿がにこにこと説明してくれる。

 

 卒業試験を初めとした生活に身近な行政手続きをしてくれる教会は、神々への祈りの場と国の出先機関を兼ねている。設置は領主の義務で、義務を果たさない限り徴税の権利が無い。


 つまり、わざと完成を遅らせて無税状態を維持してるんだね。違法じゃないけど、脱法ってやつだよね。

 大人が二人そろってにこにこしてるのって、すんごく胡散臭いと実感できました。 



 塩の村から先は、かろうじて獣道が続いていた。さすがに徒歩では時間が掛かり過ぎるので、馬で移動することになったんだけど。

 

 僕はまだ学生です。それも入学したばかりで、まだ乗馬の授業は受けてないんです。

 敷地内に専用の馬場がある高位貴族の皆様とは違って、中位貴族出身だと乗馬は日常じゃないんです。

 近衛騎士出身のグレーン卿と比べないでください。


 僕は慣れない乗馬で疲労困憊なのに、代官のグレーン卿は汗一つかいてない。正直ずるいと思う。

 それでも日没前には、目的地に着くことが出来た。


 山肌にぽっかりと口を開けた洞窟。その前に建つテントと簡易建築。騎士団の徽章を付けた軍服姿の一団。


 デパ地下ダンジョンの入り口だった。












 塩の村、通称がそのまま正式名称になりそうです。オスカー君の命名センスはアレですから(笑)


 ジャン村長や塩の村については、本編第七章を参照してください。ここら辺を長々と書くと冗長になるので、駆け足で進みました。


 グレーン卿 「よろしければ私の馬に同乗されますか」

 マーク君  「遠慮します」

 子ども扱いは断固拒否したいお年頃です。


お星さまとブックマーク、よろしくお願いします。



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