表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第六章 ダンジョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/131

仮称

 えーと、笑ってください。

 ライナーのアルバイトは、順調に滑り出した、らしい。

 残念ながら、ランドール家差し向けの馬車に乗るのはライナー一人(ひとり)。その間、僕は第二王子殿下の呼び出しをくらうことになった。


 なんで僕がと思わないでもないが、身分序列を持ち出されては断れない。ルシカ先輩が側近候補なのは極秘なので、向かうのは僕だけだ。


 学生寮の玄関ホールの二階に、自治会室がある。学園内では珍しく、限られた生徒しか立ち入れない場所だ。


 現会長は二年生のジュリアン・ヒックス先輩。ヒックス公爵家嫡男で、二年生の身分序列一位の方だ。

 去年会長を務めてらした第二王子殿下は、OBの資格で利用可能。

 僕は来年の自治会長に確定しているから、ほぼ強制的に自治会入りしている。


 来年が新米伯爵家の僕って、年々身分が下がって行くよな。誰かお一人でも侯爵家以上の方が居れば、僕に回って来なかったのに。


 自治会の活動は割と自由。男子寮内に限るけど、かなりの権限と予算がある。食べ放題の軽食コーナーを作ったのは、百年くらい前の自治会だったらしい。

 寮の大浴場が半分露天風呂になっているのも、自治会による改装だそうだ。数年分の予算を積み立てたって言うんだから、実行力が凄すぎる。

 さすがは将来国政を担う超エリート集団というところか。


「それで、何の御用でしょうか」

 ライナーと一緒に家に戻る筈だったのを邪魔したんだ。それなりの理由があってのことでしょうね。




「ランドール伯爵領で地下遺跡が発見されたことは、聞きおよんでいるだろうか」


 いや、初耳なんだけど。

「どういうことでしょうか。確か、国の調査が入っていたはずですが。そちらからの情報でしたら、僕には届いていません」


 ランドール家が陞爵と同時に下賜された領地は、辺境の未開地だった。ニーナ義母さんの実家のツオーネ男爵領とは山を挟んで隣同士だ。

 行政区分上王領になっていて、引き渡しの前に現状確認の調査隊が国から派遣されていたはず。


「領境の山の中腹で、人工物と思われる洞窟が見つかった。中には照明施設らしきものと通路が続いている。王領から伯爵領への移行を遅らせるわけにもいかず、その洞窟に限り、伯爵領内での国の調査を続行させてもらいたい」


 つまり、殿下と僕の私的な話ではなくて、王家とランドール家の話と言う事か。


「本来なら、伯爵家当主のオスカー卿に通す話だが、知っての通りランドール大将はタムルク王国へ出征中だ。正式な申し込みは当主代理の伯爵夫人に為されるが、伯爵家嫡男の卿にも話を通しておくべきだろう。まだ卿は未成年ゆえ、学園で内々に話させてもらった」


 非公式な根回しというところか。

 僕は長男だけど嫡男呼ばわりは遠慮したい。公式な場で言われたなら、きっちり否定しておかないと既成事実化してしまうけど、今は流しておいて大丈夫だろう。


「まだ調査中だが、名称が無くては不便なのでな。後でランドール伯爵に正式に命名してもらうとして、仮称が付いた。デルスパニア王国、ランドール伯爵領、地下ダンジョン。略してデパ地下だ」


 デパ地下ね。ダンジョンって初めて聞いたけど、どういう意味が有るんだろう。





 デパ地下と聞いたミリアが盛大に噴き出すことを、この時、僕はまだ知らなかった。







 

 

 本編で受けた一発ギャグです。


 オスカー君が居ない間のあれこれが続きます。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 仮称…ねぇ。な〜んかそのまま定着しそうな予感がするんですけど。
[一言] ミリアちゃんだけでなくカーク君も同じように…… 名称だけで日本からの転生者をあぶりだせそうwww
[一言] デパ地下の名前聞いた転生者達 一斉に吹きだすんじゃね? 転生者判別試験に使いだす腹黒とか居ないだろうな?(目反らし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ