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マーク君の学園生活  義父は英雄 義妹は聖女 叔父は宰相やってます  作者: お冨
第三章 Aクラス

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クラス分けと担任挨拶

 いよいよ学園生活本格始動。ブライドの高い高位貴族子息を出して行こうと思います。


 担任の先生、高位貴族相手でも忖度しない度胸を買われて、Aクラス担任になりました。

 週明け、今日から本格的に学園生活が始まる。

 と、その前に、クラス分けの結果発表だ。男子寮の玄関を入ってすぐの大ホールに、それは張り出されていた。


 まず、学年ごとにクラス別の教室の場所が表示された平面図。その横にクラス名簿。

 三年と二年はAからKまで十一クラス。新一年生はGまでの七クラスだった。明らかに学年の人数に差がある。


「話には聞いていたけど、凄い差だな」

「なんで一年生だけ少ねぇの」

「一年が少ないんじゃなくて、二年と三年が多いんだよ。第二王子殿下が三年生にいるだろ。子供を同級生にしたい家で、ベビーブームが起きたんだ」

「ああ、そういう」


 ライナーが簡単に納得した。貴族社会のあるあるだからな。

「今はまだましだってさ。第一王子殿下の時は、教室が足りなくなるんじゃないかって人数だったそうだ」

「へえぇ」


 話している内に掲示板の前がはけて、僕らの順番が回ってきた。

「やった、マークと同じクラスだ」

「僕も嬉しいけど、Aクラスって言うのがちょっとな」


 選考基準は公表されていないが、入学式直後の実力テストの点数と、王国内の各種派閥による力関係が関係しているのは間違いない。

 端的に言うと、高位貴族の子弟および成績優秀者はAクラスに放り込まれることになる。

 ちなみにAクラス以外は、どこも同じような成績になるよう、バランスよく配分されているらしい。


 後ろの生徒に場所を譲って、寮の玄関を出た。そのまま指示された教室に向かう。





「何人かは初めましてだな。私がこのクラスの担任だ。名前はジャック。三代前が準男爵だった元貴族の家系の平民だ。専門は数学だ。一年間、よろしくな」


 担任の先生は、入学式前の待機場所で引率してくれた教師だった。伯爵家出身者だけを集めて、学園での心構えを説明してくれたっけ。

 なるほど、合理的な人選だ。


「Aクラスは、純粋に成績順で決められている。爵位の忖度は一切ない。一年の段階で上位貴族が多いのは、単に家庭教育の差だと思って良い。二年に進級する際、実力が試されるから一年間頑張ること。脱落しないように油断するなよ」


 先生の言葉に、顔を顰めるものがチラホラいた。


「貴族の特権には義務が伴う。(しがらみ)だってまとわりつく。それが無くなる訳じゃないが、幾分緩やかになるのが学園だ。身分や成績に囚われず、生涯の友人を得るチャンスだと思っとけ。特に平民と下位貴族は、学園の三年間で将来が決まりやすい。コネクションを作ったり、就職先を探したり、何なら嫁入り先や婿入り先を探すのも有りだ。自分の人生は自分で責任持てよ」


 ますます顔を顰めたのは、高位貴族の数名。先生の話から、食い物にされかねないとでも考えているんだろう。


「伯爵家の者は、ずばり、人を見る目を養うこと。全員に言えることだが、特に貴族には必須のスキルだからな。いずれ人を使う立場に成った時、信頼できる部下を作れるかどうかが成否を分ける。信用は信じて用いる、信頼は信じて頼るだ。この差は大きい」


「先生」

 たまりかねたように、一人の生徒が反論した。

「貴族たるもの、人を用いて当然でしょう。頼られるならともかく、下の者に頼るなど軟弱ではありませんか」


 そうだそうだと、賛同する声が挙がる。


「さあて、それはどうかな。ま、口でいくら言っても、自分で経験するまでは実感も何も無いだろう。いずれ失敗を許されない立場に成る前に、しっかり失敗してそこから学べ。話はこれくらいにして、授業の取り方を説明するぞ。配った資料を良く読み込んでおくように」


 失敗から学べか。癖のありそうな先生だけど、僕との相性は良さそうだ。




 毎日、昼休憩の後に、クラスの教室に集合してミーティングを行う。必須科目の座学を全員で受けるのもこの場所だ。

 選択科目は、前提条件を満たしさえすれば選び放題。たとえば、薬学の初級と中級の授業を選択して単位をとれば、上級を受けることが出来る。

 時間的に条件を満たせないので、一年生が薬学の上級を受けるのは不可能だが、三年生が薬学初級を受けるのは可能。


「どうカリキュラムを組むかは、三年分を通して考えないとちぐはぐになるからな。これから一週間、良く考えて一年前期の申し込みをするように。なんなら、片っ端から受けてみて、自分に合うものを探してもいいぞ。迷ったらいつでも相談に乗るからな」

 そう言って、にやりと笑う先生。


「卒業に必要な単位については、資料を確認しろ。数を絞って上級でそろえるか、中級で終わる代わりに数を増やすか。初級を制覇するだけでも卒業できるが、器用貧乏になってどうするって話だ。ま、それをやって故郷で子供相手の私塾を開いたやつもいるから、絶対ダメとは言わないが」


 そうなんだ。平民の進路としては有りかも知れない。

 うーん、学園卒業したエリートの進路としては、現実的じゃないかな。勿体なさすぎる。





「マーク、俺、村に戻ったら先生するの良いかも。それだったら、俺でもやれそう。その先生になった人って、会えたりするんかな」


 おい、ライナー、早まるな。人生が掛かってるんだぞ。よく考えろ。




 おおっと、長くなりました。やっぱり貴族学園ときたら、単位制でしょう。個人の学習履歴がバラバラ過ぎて、一斉授業だけでは対応しきれませんから。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。

 おかげさまで総合ポイント3000の大台に乗りました。やったね(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] テンプレな、下々のうまい使い方を教わってきてなさそうな方 実際は貴族家なりの帝王学なりありそう
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