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ただいま

 久しぶりに冒頭から読み返しました。

 自分で書いといて忘れてた設定がチラホラ(;^_^A


 せっかくなので、ライナー君との絡みをいっぱい楽しんでみました。短いですけど綺麗にまとまったので一話にします。

 学園の正門から街道まで、森林公園の中を歩くこと十分。乗合馬車の停留所へ着いた。

 辻馬車を拾えれば良かったんだけど、一台も客待ちしていなかった。


「しょうがない。乗合馬車が来るのを待つか」

「わぁ、俺、乗合馬車初めて」

 ライナーがワクワクしてますって顔で言った。

「あれ、そうだったか」

 意外だ。乗合馬車は平民の足だろうに。


「故郷の開拓村じゃ乗合馬車なんて見た事なかったし、王都へは行商のおっちゃんに連れて来てもらったし。ミリア様のバイト行く時は送迎付きだったし」

 言われてみれば。ランドール伯爵家で馬車を差し向けてたっけ。


「まて、里帰りして来たのに乗合馬車使わなかったのか」

「うん。コーカイのとこの商隊に便乗させてもらった。最寄りの村からは歩きだったけど」

 なるほど、サウザンド商会の流通網ならカース公爵領は守備範囲か。わざわざトクス村まで寄ってくれたんだろうな。


 制服姿でライナーと二人待つことしばし、見慣れた乗合馬車がやって来た。

 いつもなら客の大半が生徒なんだけど、今は一般客が多い。北街道を利用して王都へ来る平民でいっぱいだった。


「学園が長期休暇に入ると乗合馬車は減便しちゃうからね。いつもより混んじゃうんだよ」

「へぇ、そうなんだ。それって不便じゃねぇ」


 ライナーと話してたら、横に座ってたおじさんが笑いながら口を挟んできた。

「そうじゃないですよ、お貴族様。これが普通なんですよ。学園のための増便があると、わしらもおこぼれに(あずか)れるんで、助かっとります」

「あ、そうなんだ。ありがとうございます。それと俺、平民なんで、お貴族様じゃないんで」


 ライナーが言うと、おじさんは一度大きく(まばた)きした。

「ほーお、優秀なんだなぁ、坊主。頑張れよ」

 そう言って、大きな手でライナーの頭をポンポンと(たた)いた。


「えー、俺、子供じゃないんですけどー」

 乗り合わせた客から、温かい笑い声が上がった。


 終点は王都デルーアの玄関口の一つ、北城門。そこで辻馬車に乗り換えて、ランドール伯爵邸まで直行した。

 旧市街だけなら乗合馬車が便利だけど、貴族街に乗り入れるルートは少ないから、途中で辻馬車を拾わなくちゃいけなくなる。だったら初めから辻馬車にしといた方が手間が無い。


「でもさ、乗合馬車の方が安くなるんじゃねぇ」

「心配しなくても、それぐらいの持ち合わせはあるよ。ライナーだってランドール家の紋章入りカード持ってるだろ。それ遣えばツケに出来るから大丈夫だって」

 ミリアのアシスタントのバイト代なんだから、遠慮なんかいらないんだよ。正当な報酬だからな。


「貧乏性は分かるけど、ライナーは遣わなさすぎ。何ならカードじゃなくて現金でバイト代出そうか。金貨の山って、一度見てみたくないか」

「いいよいいよ、止めて、勘弁してー」


 そんな感じでワチャワチゃしながら帰ったんだけど。





 玄関のロータリーでドンと停まっているキャンピングカーモドキ。デアモント公爵家の紋章付き。

 そんなのと鉢合わせるなんて、タイミングが良かったのか悪かったのか。


「なぁ、あれって」

 今は何も言わないでくれ、ライナー。

 はぁ、頭が痛いよ。













 

 デアモント公爵ふたたび(笑)

 ここからシリーズ本編に沿ってストーリーを進めます。エピローグの卒業式までラストスパートと行きたいけれど。

 本編で書き切れなかったあれこれをどこまで突っ込めるか、お楽しみに。


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。



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