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領都はキョウト

 ほんとにお待たせしました。次の更新は滞らないように頑張ります。

 デアモント公爵のお誘いを受けて、レストランで食事することになりました。

 そりゃね、大型のキャンピングカーモドキが二台並んで道を塞いでたら、邪魔にしかならないからね。場所を変えようって提案を断る理由は無かったよ。


 港町マイヅルは本格的な交易開始に合わせて、たくさんの商会が支店を出している。修学旅行で訪れた時よりずっと賑やかになってた。

 商談に使われる高級レストランもぼちぼち増えてきたとかで、公爵閣下が入店するに相応しい場所だってちゃんと存在していた。

 つまり、トマーニケ帝国の皇太子殿下や、デパ国の聖女様の格に見合った店ってことだ。


 個室に通されてテーブルに着いたのは、公爵閣下とラインハルト君とミリアと僕、四人だけ。

 席の後ろの壁際にずらりと並ぶのは、ラインハルト君の侍従さん、デアモント公爵家の執事さん、そしてミリアの後ろに近衛騎士のお二人。


 いやあの、ゼルム卿とキリー卿、ご身分的に着席していただきたいんですが。僕はしがない伯爵子息なので、居心地悪いんですけど、

 無言で訴えたけど、視線だけで拒否されてしまいました。いつものことだけどね。

 身分より役職優先ですか。聖女様の護衛の立場は譲れませんか、そうですか。はぁ、僕みたいな若造じゃ太刀打ちできないよ。

 

 魚介類をふんだんに使った料理は美味しかった。ラインハルト君が興味深そうに料理についてミリアに聞いている。

 会話が弾んでいるけど、仲睦まじい男女と言うより、仲のいい同級生って感じだ。

 ミリア、まだまだ色気より食い気なんだね。


 僕はもっぱら公爵閣下の相手。

「ランドール大将は海軍総司令官ですからな。マイヅルに詰めていると(うかが)っていたが、残念ながら領都に視察に行っているそうで。領主としての職務となれば、仕方ありませんな」

 わざわざ公爵閣下がここまで足を運んだのは、オスカー義父さんに面会するためだった。


 実を言うと、僕は領都へ行ったことが無い。

 長期休暇の時は、王都のランドール伯爵邸か祖父母の居るランデア子爵領で過ごしてた。

 ニーナ義母さんの実家のツオーネ村、じゃなくて、ツオーネ男爵領へも行ってたよ。ミリアとカークと一緒に、本当の孫扱いで可愛がってもらってた。


 そもそもランドール伯爵領が下賜されたのは学園入学直前。辺境の荒野が続くばかりで、領都なんて影も形も無かった。

 僕が今回までに領地入りしたのは、デパ地下ダンジョンへの視察と修学旅行の時だけ。どちらも開発途上というか、街道が途中までしか開通してなくて、領都予定地はスルーしてしまってたんだ。


「正直、今、領都がどうなっているか僕は知らないんです。お恥ずかしい話ですが」

 港町マイヅルから王都デルーアへは、国道クラスの街道が優先して造られた。その街道から分岐する形で、領都キョウトへの街道が整備中だ。

 どこまで出来てるんだろう。


「はっはっはっ。それはそうでしょうな。一から創る都市となれば、日進月歩。現場に居る者しか知りませぬぞ。報告が上がって来た時には、過去の姿になっておりますからな。一日どころか一時間単位で変化しておりますわい」


 デアモント公爵が豪快に笑い飛ばしたけど、なんか言葉が変じゃないか。日進月歩って、そんな使い方したっけ。変化してるって意味なら合ってるんだろうけど。


「行き違いになるのは避けたいところ。マーク卿、このままオスカー卿の帰りを待ちませぬか。その間に親睦を深めたいが如何(いかが)か」


 オスカー義父さんに顔を見せたいとは思うけど。このまま公爵閣下の話し相手を務めるのは勘弁してほしい。

 どこでどう言質を取られるか、警戒しながらなんて心臓に悪いよ。


「あいにく、学園へ戻る期日がありまして。今回はこのまま王都へ向かう予定です」

 ミリアはともかく、ラインハルト君につきあわせるのは悪いしね。


「それは残念。また機会がありましたら、ご一緒しましょうぞ」


 公爵閣下は、あっさり引いてくれた。

 この時は安堵したけど、ちょっと失敗だったかも知れない。


 デアモント公爵がオスカー義父さんに会いにわざわざ伯爵領まで出向いた。その用件がありきたりなはずなかったんだから。






 難産でした。

 話の流れ的にデアモント公爵と一緒にキョウトヘ行きそうになってしまって。

 いやいや、ここでオスカー君と対面したら、本編と矛盾してしまう。公爵閣下と別れて王都へ戻さないと(;^_^A

 辻褄合わせ、頑張りました(笑)


 キャンピングカーモドキがあるので、領都へオスカー君追いかけて行っても、学園には間に合います。 

 何なら、ミリアちやんと皇子様先に返して、マーク君は公爵閣下に送ってもらうことだってできちゃいます。

 あえてマイヅルでオスカー君を待とうとデアモント公爵が言い出したのは、待ってる間にマーク君を懐柔する時間を作るためでした。

 ついでに領都の発展具合を帝国から隠すためだったりします。例のチートがありますから(笑) 

 完成後ならともかく、建設手段はまだ秘匿しておきたい(笑)


 お星さまとブックマーク、よろしくお願いいたします。



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