貴族令嬢と焼きそば
ミリアちゃんのターンです。
ランキング通知機能が実装されました。皆様のおかげで、通知が届きます。ありがとうございます。
ただ、累計ランキングに載ってるので、これからずーっと毎回通知が届き続けるのかと思うと、ちょっと遠い目に。
贅沢な言い草で申し訳ありません。
こんにちは、ミリア・ランドールです。ただいまトマーニケ帝国で、我がデルスパニア王国の文化を紹介するイベントの開催中です。
フフフフフ。
もうね、絶対公式の場って言えないように頑張りました。フードコートか縁日か、B級グルメのオンパレードです。
キャンピングカーモドキから下ろした各種調味料と調理器具の数々。
鉄板はタコ焼きやベビーカステラ用のくぼみ付きと、お好み焼きに焼きそば、べっ甲飴その他に使える平らな一枚板を用意しました。
割と単純な構造だから、短い準備期間でも、帝国側に量産してもらえたよ。
残念ながら大判焼きとたい焼きは今回ないんだよね。次の機会には絶対用意しなくっちゃ。それまでに餡子を作るぞ、おーっ。
実演調理してる屋台は王太子宮の中に並べたけど、テーブルと椅子は敷地からはみ出してるの。ぐるっと王太子宮を包囲する勢いだよ。
下働きや一般の兵士の皆さんにサクラをお願いして、練習兼ねて作った試作品を飲み食いしてもらってるから、雰囲気は完全に下町です。
良いじゃない、ハルト君だって楽しんでるし、皇帝陛下公認なんだから。無礼講よ無礼講。
この場でどんなやり取りがあったって、ぜーんぶ戯言扱いで否定できちゃうからね。
私だってちゃんと考えてるんだから。自分が楽しみたかっただけだろなんて言わないでね。
帝城の方からゾロゾロといかにも貴族ですってオジサンたちが出てきたけど、面食らってたり渋い顔してたり。
こんなとこで貴族の腹黒やり取りなんて場違いだし、開き直って楽しんじゃった方が楽だよ~。
「ちょっと貴女、デルスパニア王国からいらした方かしら」
屋台に焼きそばソースの追加を持って来たら、後ろから声を掛けられちゃった。
おお、貴族のお嬢様だ。フリフリキラキラのドレスが綺麗だわ。でも、髪は縦ロールじゃないんだね。ちょっと残念。
「はい、そうですよ。今日はようこそいらっしゃいました。楽しんで行ってくださいね」
名乗られてないんだから、私も名乗らなくて良いよね。
「そう。珍しい物を用意した手際は褒めましょう。ですが、礼儀がなっておりませんわよ。控えなさい」
わあ、ツンツンしてる。
これはアレかな。制服姿を平民と勘違いしてるから、使用人認定されてるのかな。まあ、別に良いけど。
そう思ってたら、お嬢様の目が泳いだ。私の後ろを見てる。
「礼儀がなっていないのはどちらかな」
パッと振り返ったら、そこにゼルム卿が立ってた。
デルスパニア王国の誇る近衛騎士の騎士服は、それはもう一目でお貴族様と分かる豪華さで。
それを見事に着こなすゼルム卿はカース公爵家のご次男。貫録と言うかオーラと言うか、とにかく半端なくて。
「ゼルム卿、抑えて、抑えて。今日はお遊びなんだから硬いことは言いっこなしでお願い」
近衛騎士が表に出ちゃ駄目でしょ。立場考えて。下手に抗議したら国際問題になりかねないんだから。
それに良い大人が小娘相手に凄むんじゃありません。
「申し訳ございません。聖女様のお心のままに」
あーっ、何でそこで片膝付くの。深々と頭下げるの。それ王様相手にするやつっ。私、悪目立ちするじゃないっ。
マーク兄様、目立ったのは私のせいじゃありません。みーんなカース卿の責任です。あんなパフォーマンスするから。
兄様、助けて。
カース卿、目立つためにパフォーマンスしたのか、それとも単に聖女様至上主義が暴走したのか。
どちらにしても、マーク君が胃を痛めそう。
一階のエアコンが壊れました。古すぎて部品無し、買い替えることになりました。
最近のエアコンって、性能が凄いことになってますね。オバサンに使いこなせるだろうか(;^_^A
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