クラスメイト (正月特番完結のお知らせの上書きです)
短いですが、駆け足で投稿します。久々の登場、クラスメイト四人組でした。
昼休憩の後のクラスミーティングは、三年生になってからは自由参加だ。
進路がばらけてクラス単位で受講する講義は残ってないし、学園からのお知らせは寮の玄関ホールに新設された掲示板で確認すれば良い。
クラス内での顔つなぎなんかは、とっくに終わってる。今以上にコネクション作りたいなら、クラスミーティング程度じゃ役に立たない。
それでも集まってくるのは、仲のいい友人同士。損得は………少しは有るかも知れない。
「それで、皇子様の様子は。どうなん」
購買で買ってきたスナックをポリポリつまみながら、ライナーが訊いてきた。
「フツー。本当に普通に生徒しているよ。まあ、身分から遠巻きにされていたけど、だんだん馴染んで来てる」
クラスメイトと話をするようになってきたし、話題は年相応と言うか、割と気さくらしい。
あの口調はそのままだけど、ニックネームの皇子様と相まって、個性として認められたとか。むしろ、口調と内容のギャップが面白がられてるとか。
「隣国の皇太子殿下に対して、面白がるのはいかがなものか」
レナードが言った。ルシアン伯爵家次男としては、無礼に過ぎると感じるのだろう。
「ええですやん。ここは学園でっせ。みーんな同じ生徒や。留学してる間ぐらい、身分を横に置いといたかてええですやろ」
言いながらコーカイもスナックに手を伸ばしている。
商人のコーカイにとって生徒と言う身分は、高位貴族と対等に話せる得難いチャンスだ。それも残りは一年を切ってる。せいぜい有効活用したいとこだろうな。
「それよりレナードはん。騎士団の入団試験は受かりそうでっか。何や、採用基準がメッチャ爆揚がりしとる聞いてまっせ」
これに答えたのは、ルイ・バースタイン。
「当たり前だ。レナードさ、んんっ。レナードが騎士団に入るのは決定事項だ」
ルイ、今、レナード様と言い掛けただろう。
いくらバースタイン男爵がルシアン伯爵家の寄り子でも、いい加減呼び捨てに慣れなよ。仲は良いんだしさ。
本当に、対等な仲間でいられるのはあと僅か。
成り上がり伯爵、開拓村の流民、軍閥の伯爵、腰巾着の男爵、そして大商会の跡取り息子。
学園に入学しなかったら、友人になることは無かっただろう。平民の二人とは、出会う事すら無かったかもしれない。
これが出会えた奇跡と言うものなら、そこに皇子様と聖女様が加わっても良いんじゃないかな。
だってここは、学園なんだから。
やっと上書き更新終了です。次話からは通常に戻ります。やれやれ。
十年に一度の大寒波到来中。春が待ち遠しいです。