魔女と剣士、それと旅
「レスティー、明日はどこに行くのでしょうか?」
ズズッ
と、少女が木製のコップに入っている野菜スープをスプーンで飲みながら、キャンプファイヤーを囲う倒木に座り、正面にいる男性...青年に話し掛ける
「レストニア王国、つまり王都、目的は物資集め...ってところだ」
同じくスープを飲んで、倒木に座っている青年が少女の質問に答える
「そうですか...あっ、火が消えそうですよ?今日は魔力の消費が激しかったから、二回目はやりませんよ?」
「分かっている」
ガサゴソ、カサ.ゴソッ
薪を足元から取り出し、消えかかっている火の中に入れる
カチッカチャッ、シュボッ、ボォオ....
倒木に立てかけられていた黒色の刀を持ち、
「...お~...それがこの前買ったファイアースターター付きの刀ですか...確か、刀の...」
「刀の鞘にある魔鉱石を刀の腹で擦る、すると術式が発動し、火の種が生成される...だ」
「そうそう、そうです。便利ですよね~...確かこの前の王国にある有名な細工職人と武器職人との共同開発じゃありませんでしたっけ?」
「あぁ、そうだ。切れ味よし、錆びる心配なし、外見良し、だがその代わり値段が高い...あっ」
彼は思った、失言した、と、だが気付くのが遅かった
「ん?ちょっと待ってください、値段が高い?そんなこと私聞いていませんよ?どういうことですか?ん?」
鬼気迫る...というのが正しいだろう。
さっきまで、キリっとした口調ながら、やんわりしていた彼女が値段の話をすると急に笑みを深め、青年に近づき倒木に立てかけられている長く青と白を基調とした高そうな杖を取り出している
「