ショウ、マルコス店へ
無事、マインズ王国に到着したショウは船をミキに預け、護衛の兵と共にマルコスの店に向かった。
「マルコスさんはいらっしゃいますか?」
ショウが訪ねると、魂の抜けたようなマルコスが其処にはいた。
「うわっ!マルコスさん大丈夫ですか?」
「・・・君はヨシノブさんの所にいた。」
「ショウです。ヨシノブさんの依頼で商品を持ってきました、今から倉庫に搬入したいのですが?」
マルコスは復活する。
「商品が来たのか!良かった・・・これで脅される日々から解放される・・・」
「本当に何があったのですか?」
ショウはマルコスから話を聞く、
ヨシノブが去ってから、すぐに商品は底をついた、しかし、その時になってヨシノブの連絡先がわからない事に気付く。
マルドラド王国に手紙を出すも、返信は未だに無く、
商品が無いのに毎日のように確認しに来るドワーフの相手や、血走った目で催促してくる貴族の使者を相手に魂を磨り減らしていたのだった。
「あはは・・・そ、それは災難でしたね。」
「災難どころじゃ無いよ!なぁ、ヨシノブさんへの連絡先は何処なんだい?」
「えーと、ヨシノブさんは領地を貰いまして、其処にいますよ。
ラードという町の近くになります、名前は・・・そういえば、まだ決まって無かった気がします。
僕は知りませんね。」
「そ、そうかい、いや、ありがとう、これで連絡がとれそうだ。
あと、これが売上だよ、持って帰って欲しい。」
「わかりました、お預かりします。」
金を受け取り商品の搬入を終えて、帰ろうとする時、フィリアがやってくる。
どうやら買い物に出ていたようで、手には食材を持っていた。
「あなたは確か、ショウくんでしたっけ?」
「お久しぶりです、フィリアさん。」
「ということはヨシノブさんも来ているのですね?」
「いえ、今回は僕とミキだけです。」
「えっ?それはどういうことかしら・・・」
ショウは自分がヨシノブに船を任され、行動している事を話した。
「・・・あなたは其処まで信用されているの?」
「どうなんでしょう?
でも、ヨシノブさんの期待に応えたいですね。」
「ねえ、お父さん、私もヨシノブさんの所に行ってもいいかな?」
フィリアはマルコスに聞く。
「そうだね、フィリアがいなくなると寂しいがヨシノブさんとのパイプが必要なのはよくわかったよ、行ってきて貰えるかい?」
二人が話し合い決めたようだった。
「わかりました。ですが、すぐに出航にはなりませんので、少し待って貰えますか?」
「それはいいです、家族と別れを惜しみたい所ではありますし。」
「ええ、では、出航の時にあらためて連絡します。」
ショウはヨシノブに頼まれたもう一つの仕事をしに、翌日城に向かうのだった。




