リーナのお茶会
リーナのお茶会。
俺は可愛らしい招待状をルクスから受けとる。
「ヨシノブさん、すいません、妹のワガママに付き合わせてしまい。」
ルクスは申し訳なさそうに言ってくる。
「かまいませんよ、可愛らしいご招待お受けします。」
受け取った招待状は花柄可愛らしい封筒に入っており、書かれている文字からも頑張って書いた事が伝わってきていた。
俺はルクスに案内され、城の庭園に着くとそこにはリーナと二人の女の子がいた。
「ようこそお越しくださいました、ヨシノブさま。」
「お招き感謝します。リーナ王女。」
「ヨシノブさん、リーナと呼んでくださいませ。」
「いや、それは・・・」
俺はルクスを見る、ルクスは頷き、呼んでくれないかと頼んできた。
「では、リーナ、これでいいかい?」
「はい♪」
満面の笑顔が見える。
俺とルクスが席につくと自己紹介が始まる。
「わたくしはマリン・フォルツ、フォルツ侯爵家の次女にございます。」
「私はアルル・ユンカース、ユンカース伯爵家の長女でございます。
以後お見知りおきを。」
二人はたどたどしくではあるが、挨拶をしてくれる。
話を聞くと三人は同じ年の友達との事だった。
俺は三人の家に手土産を渡す、日本製の美容品を詰め合わせたものだ、これを母や姉にもどうぞと言って渡した。
その上でこのお茶会に日本のスイーツを持ってきていた。
ケーキ、マカロン、クッキー、シュークリーム、チョコレート・・・
物珍しさもあって三人は目を輝かせている。
「どうぞお召し上がりください。故郷のお菓子にございます。」
俺の薦めで三人は食べ始める。
「美味しいです♪」
「こんなの初めて。」
「マリン、一人じめはやめてください。私も食べたいです。」
それぞれ楽しそうに食べてくれていた。
「ヨシノブさん、妹がお恥ずかしい・・・」
ルクスは一心不乱にお菓子を食べる妹に頭を抱えていた。
「ルクスさん、お気になさらず、この場にいるのは我々だけですから、堅苦しく食べられるよりは楽しく食べていただいた方が嬉しいですよ。」
俺達が紅茶を飲みながら三人が落ち着くのを待っていた。
さすがにお腹が一杯になる頃には冷静さを取り戻したのか、三人とも恥ずかしそうにしていた。
「あ、あの、失礼しました、どうか、お忘れいただけたら・・・」
リーナは顔を手で隠しながら恥ずかしそうに謝罪してくる。
「お気になさらず、美味しく食べていただき感謝します。」
「はぅぅぅ・・・」
リーナは顔を真っ赤に染めていた。
「リーナ、後で説教だからな。」
ルクスはリーナを叱る、余りにマナーが悪かったのだろう。
「ルクスさん、ほどほどにね。」
「わかりました、でも、さすがに王女としての教育は必要ですからね。そこの二人も一緒にマナー教育を受けてから帰ってもらいます。」
「「は、はい。申し訳ありません。」」
三人とも反省しているようだった。
そこに俺は・・・
「そうだ、これを皆さんに、多少日持ちはするので明日にでも食べてください。」
持ってきていたゼリーの詰め合わせを三人に渡す。
「はわぁぁぁ、美味しそうです!」
「どんなお味なのでしょう?」
「今、食べたらダメなのですか?」
三人の目が輝きだした。
「全く、懲りてませんね・・・ヨシノブさんも今出さないでくださいよ。」
ルクスはタメ息まじりに、俺も含め四人に呆れていた。