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異世界に飛ばされて  作者: Katty
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教会

俺は教会の司祭と会うことが出来た、司祭は主流派ではなかったようで、王都脱出から置いていかれたようだった。

「司祭さま、聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「何でしょうか?」

「勇者召喚について聞きたいのですが?」

「・・・いいでしょう。

民衆の味方をしている、あなた方なら知っておくべきかも知れません。」


「それはどういう事ですか?」

「今回の勇者と聖女召喚は大司教の独断で行われました。

本来、呼ぶ予定など無かったのです。

それなのにユリウス王をけしかけ、召喚の魔法陣を書きかえ、勇者と聖女の同時召喚という愚行をおかしたのです。」


「愚行といいますと?」

「この召喚のせいで大司教と四人のシスターが亡くなりました、そして、魔法陣もその負荷からかヒビが入っておりました。」

「なんと・・・

それで、その魔法陣は何処に?」

「教会の地下にあります、ただ、この災害で教会は崩壊しました。

魔法陣も無事かはわかりません。」


「あと教会に召喚した者を帰す術はあるのか?」

「ございません。いや、私が知らないだけかも知れませんが、帰ったという話は聞いたことがありません。」

「ありがとうございます。」

俺は司祭の元を去る。


そして、町の人から教会の場所を聞く、

見に行ってみたがガレキの山だった。


俺は調査の為にガレキを重機で除けて行く。

サリナにも手伝ってもらっているが、帰れる希望を摘んではいけないと思い、子供達には秘密にしていた。


兵士の協力もあり、何日かかけて教会の地下室を見つける。

「ヨシノブさま、地下室を見つけました。」

「わかった、俺も行くよ、サリナさんは此処で待機してもらえる?」

「私も行きます!」

「いや、何か合った時に備えて此処にいてくれる?もしもの時は俺を助けてくれるかい?」

「ズルいです・・・わかりました。でも、絶対帰って来てください!」

「わかってるよ、じゃあ行ってくる。」

俺は通信機を持って十人の兵士を連れて、地下室に向かった。


向かった先には魔法陣が鈍く光っていた。

「これが魔法陣か・・・まだ、動いているのかな?」

俺が魔法陣に近付くと通信機からノイズがはしる、

ザァー、ガァー、ピィー


「サリナか?何かあったのか?」

俺はサリナからの連絡と思い、通信を始めるが・・・

「サリナって誰?」

何処かで聞いたことある声が聞こえた。


「えっ?どなたですか?」

「私はトートよ、何この声、私のパソコンから聞こえるんですけど。」

「トートさんですか、俺です、ヨシノブです。」

「えっ、ヨシノブさん?何でパソコンと繋がっているの?」

「いや、全くわかりませんけど、トートさんから貰った力で出した物で繋がってるみたいです。」

「ちょっと待ってて、今調べるから・・・あれ、何で魔法陣が動いているの?」

「場所わかるんですか?」

「うん、わかるけど、召喚なんてしてないはずなんだけど?」

「えっ?召喚されてますよ、8人程こちらに来ているみたいですけど。」

「うそっ!ちょっと8人なんて呼び出したらどんな不具合があるか・・・」

「だ、大丈夫なのでしょうか?」

「・・・強く生きてとしかいいようがないわ。」

トートは答えを濁した。

深く聞きたいが、通信機のノイズが大きくなっているので、必要な事を先に聞くことにした。


「トートさん、子供達を帰す術はありますか?」

「・・・私には無理ね。でも、方法は・・・ダメね、教える事は禁止事項になっているわ。」


「禁止事項?ということはあるんですか?」

「言えないが答えよ、それに全員は無理ね、あっ!これ以上は無理だから!」

「教えてください、トートさん!」

俺の切実な声でトートさんは情報をくれようとする。

「仕方ないなぁ、魔族の・・・」

しかし、話の途中で回線が切れたようで何度問いかけてもノイズが酷く繋がる事はなかった。

魔法陣は光を失い、沈黙するのであった。





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