パーティ中断
「ヨシノブさん、妹が失礼しました。」
ルクスは深々と頭を下げる。
「ルクスさん、謝られる事はありませんよ。可愛いものじゃないですか。
それにお礼を言いたいという気持ちは嬉しいものですよ。」
俺はリーナの挨拶に癒された気分になっていた。
しかし、俺の横では不機嫌になっているルイスがいた。
「ヨシノブさん、鼻の下を伸ばさないでください。」
「いやいや、伸びてないよ。
相手は子供じゃないか。」
「それでもです!」
不機嫌になってしまったルイスをなだめていると、兵士がパーティー会場に駆け付けてくる。
「陛下!一大事にございます。」
「なんだ、騒々しい。何事だ?」
「はっ!ローラン王国、王都ローラにて地震が発生、広範囲に被害が出ている模様で現在使節団との連絡が途絶えております!」
「なんと!しかし、どうしたものか・・・」
ルーズ王は頭を抱える。
現在、ローラン王国との関係は優良な物ではない。
救助に向かうか迷う所であった。
「陛下、俺は行きます。
使節団には子供を預けていますからね。
安否の確認も含めて、救援に向かいます。」
俺は話を聞き王に宣言した。
「ヨシノブ殿、あなたは国に残っていて欲しいのだ、必ず我が国から救援隊を送ると約束しよう。
それで、残ってくれないか?」
「いえ、俺の力だと早く行けますし、多くの人を助けれると思います。
それに責任もありますからね。」
ルーズ王はヨシノブの目に決意を感じ、強く止めなかった、代わりに。
「ルクスよ兵士をすぐに集めろ、
ヨシノブ殿、ルクスと兵を連れて行ってはくれんか?
好きに使ってくれてかまわない。
必ず力になるだろう。
それにルクスと一緒なら、犯罪者として捕まることもなかろう。」
「わかりました、ルイスはどうする?」
「私も一緒に行きます。」
こうして、俺達はローラン王国に向かうことになる。
俺は船に戻ると、みんなに事後報告になるがローラン王国に向かう事を告げた。
「みんな、勝手に決めてすまないと思う、
もし、行きたくないなら、この国に残れるようにするつもりだよ。」
「ヨシノブさん、私は何処までも付いて行きますよ。
それに私には故国になりますし。」
サリナは即座に答える。
子供達も各自見合わせた後、ショウが代表して話す。
「俺達も行きます。
タケフミの事は俺達の話でもあります。
本来ならヨシノブさんに手を借りることをお願いする立場ですし。」
みんなは俺の意見を肯定する。
「じゃあ、みんなで向かうよ、ただし、向かう先は被災地だからね、身の安全を確保しつつ、救援活動に協力頼むよ、
ルイス、兵士を指揮してみんなと船の護衛をお願いします。」
俺は準備が出来しだい、出港するのであった。