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異世界に飛ばされて  作者: Katty
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子供達の話し合い

俺はツバサとユカリと言う二人が隣国ローラン王国にいることを五人に伝える。

「ツバサとユカリちゃんがいるのか!じゃあ迎えに行こう!」

タケフミは元気よく答えるが、


俺はローラン王国から手配中の身、向かうことが出来ない。その事をみんなに伝える。

「悪いけど、俺はその国には行けないんだ。」

「何でだよ!」

「俺がその国に追われているからね。」

俺は申し訳無さそうに言う。


「そんなのお前の事情だろ!俺達には関係ない!」

「お兄ちゃん!何を言っているの!」

マイは青い顔をしてタケフミを止める。


「何だよ、ツバサとユカリちゃんがいるんだぞ!迎えに行かないと!」

「私達は今ヨシノブさんに頼っている状態なのよ、それなのにヨシノブさんの事情を無視するのは違うと思うの。」

「うるさい!マイは黙ってろ!」

タケフミはマイを叩こうとする。


たが、叩く前に俺はタケフミの手を握り叩けないようにする。

「妹とはいえ、女の子を叩くのは見逃せないな。話し合いで決めよう。

それとタケフミくんがどう考えるかは君の自由だ、だけどそれに俺が従う必要が無い事もわかるよね?」

「・・・」

タケフミは言葉が出ない。


「もし、ローラン王国に行きたいなら手配を頼んでもいい。」

「本当か?」

「ああ、この国はローラン王国と戦争には至っていないからな、送るぐらいは出来るのではないかと思っている。」


「じゃあ、送るように手配してくれ。」

タケフミは慌てるように向かおうとする。


「まあ、落ち着け、少し話を聞け」

「なんだよ!あんたはさっさと手配してくれたらいいんだよ!」

「まあまあ、君が向かうのは良いが他の人はどうする?」

女の子三人は顔を見合わせる。


そんな中ショウはハッキリと断る。

「タケフミ、悪いけど俺は行けないよ。」

「ショウ、何でだよ!ツバサが心配じゃないのか?」

「タケフミ、考えて見ろよ、他国まで名前が聞こえて来るんだぞ、今すぐ身の危険は無いんじゃないかな?」

「そんなことわからないだろ?それに俺達と離れて寂しい思いをしている筈なんだ!」


「それはあるかも知れないけど、行ってどうするんだ?俺達にどんな力があるんだよ。」

「えっ?」

「俺達は今ヨシノブさんに養ってもらっているんだぞ。それが他国行って何が出来るんだ?」

「それはヨシノブさんから資金を借りたらいいじゃないか?」

「・・・お前は何で貸して貰えると思うんだよ。」

タケフミの一方的な考えにショウはあきれてしまう。


「何でって、同じ日本人じゃないか。」

「はぁ、俺達が養ってもらっているだけでも感謝しないといけないのに何を言っているんだ。」

「でも!友達が別の所にいるんだぞ、お前は助けたいと思わないのか?」


「それは俺達が助けられる立場ならの話だよ。

それに、俺はスジが切れていてまともに歩けないんだぞ?どうやって行くんだ?」

「それは馬車とかに乗ればいいじゃないか。」


「無理だ、もし何かあったらこの足じゃ死ぬだけじゃないか・・・」

ショウはコウキの死を思い出す、自分のケガも死んでもおかしくなかった。

ヨシノブが大規模な捜索をしてくれた事で奇跡的に生きているのだ、


タケフミもショウのケガを思うと強く言いにくい。

「わかったよ、お前は残ったらいいさ、この薄情者!

マイ達は来るよな?」


タケフミはショウを諦め、他の三人の顔を見る。


最初に口を開いたのはミキだった。

「私は行かないわよ。ユカリには悪いけど、私は此処を離れたくない。」


ミキに同調するようにカエデも答える。


「タケフミさんの言うこともわかりますけど、私も行きたくありません・・・」

カエデは言いにくそうに言う。

カエデにとっても外の世界は怖いのだ、奴隷として店に並べられて、いつ男に弄ばれるか、ましてや、コウキのように人体実験の末に殺されるなんて・・・

カエデは恐ろしくて外に出れなくなっていた。


「カエデちゃんもかい?マイ!マイならわかってくれるよな!」

「・・・私も行くべきではないと思う。」

「マイ!ツバサもユカリちゃんもお前の友達じゃないか!

それを見捨てるのか!」

「見捨てるつもりなんて無いよ!でも、私達に何が出来るの?

お兄ちゃんこそ、よく考えてよ!

ここは日本じゃないんだよ、1歩間違えたら命が無いんだよ!

何も考えずに動いたら死んじゃうのよ、お兄ちゃんはコウキくんの事を忘れてるの?」


「それでも俺は友達を見捨てたくはないんだ!お前らが来なくても一人でも行くぞ!」

タケフミはムキになっていた。

自分が言えばみんな賛同してくれると思っていたのに、誰一人言うことを聞いてくれない。

みんながヨシノブに頼っている姿が許せなくなっていた。


「みんな、落ち着いて、どうも話が平行線みたいだから一度解散して、また明日にでも、話し合えばいい。

向かうにしても手配が出来るか確認しないといけないからね。」


俺が険悪になりつつある場を鎮め、後日の話し合いをするように言うが・・・

「お前の指図なんて受けるか!」

タケフミは怒って部屋から出ていってしまった。



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