二人目、竹内ショウ
次に見つかったのは路地裏で斬られて死にかけている所を捜索隊に保護された男の子だ、
ポーションにより傷はふさがったが、足のスジを斬られており、歩くのが困難になっていた。
「俺は前田ヨシノブ、日本人だ、これから君を保護させて貰うよ。」
「日本人・・・俺は助かったんですよね。」
「ああ、一応だが助かったと思う・・・」
「良かった・・・」
命が助かった安堵からか涙を流す。
俺は落ち着いてから話を聞く、すると彼は竹内ショウ、彼もカエデと同じように地面が光ってから此方に来たと言う。
「他に一緒にいたのは?」
「俺とタケフミ、あとはツバサとコウキです。
あっ、タケフミの妹のマイちゃんとその友達が近くにいたと思う。」
「そうか、8人なんだね。配置とかはわかるかな?誰が妹さんのグループに近かった?」
「えーと、たしか、俺達のなかではツバサが近くて、次にタケフミ、俺、コウキだったと思います。」
「あれ?タケフミくんの妹と友達に会ったのにツバサという子が前にいたのかい?」
「それはツバサの奴がマイちゃんに恋してて、会えた嬉しさから先走っていたんだ。」
「ふむ、じゃあ女の子の先頭はマイちゃんだったのかな?」
「いや、別の子だったと思います、すみません、名前はわからないです。」
「いや、充分だよ、ありがとう。」
「いえ、たいした事ではないですし、あの、それより俺はどうなるのでしょう?」
「まず、君の怪我はポーションで治しているけど、足のスジが切れたままになっているそうです。
もし完全に切れているのなら手術が必要になると思う、それに後遺症の可能性も高い。
一度精密な検査がいると思う。」
「えっ、この足、治らないのですか?」
「まだ、わからない。痛みはなくなってるみたいだけど、歩けないのだろ?」
「・・・ええ。」
「手術するかは君が決めてくれていいよ、勿論検査結果次第でいいから。それまで松葉杖で生活してくれるかな?」
「はい・・・」
「あとの進路は怪我の状況次第になると思う。」
「あの、俺治療費なんて持ってません。」
「それはいらないよ、同郷のよしみだ、出来ることはすると約束する。
だけど、出来ない事もあるからね。」
「あ、ありがとうございます!」
ショウは深々と頭を下げる。
ショウを連れて船に戻るとタケフミがかけよって来る。
「ショウ!無事だったのか!」
「タケフミ、無事とは言えないが何とか生きているよ!」
ショウは自身の足について語る。
「ショウ・・・」
「そんな顔をするなよ、死んだ訳じゃないんだからな。」
「そ、そうだよな!」
「ああ、それより他の奴らも無事ならいいんだが・・・」
ショウは空を見上げて友人達の無事を祈るのであった。




