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異世界に飛ばされて  作者: Katty
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治療

暫く固まったのち、サリナを連れてくる。

「こちらに寝て貰えますか。」

俺の言葉にサリナは恐る恐る従い、横になる。

「ヨシノブさんどうですか?」

「リザークさん、今から見るところです。」

俺はレントゲンを撮影して、肺の状況を見る。

そして、痰を取り検査にかける。


「結果が出るまで少しかかります、サリナさんは御部屋でお休みを、リザークさんも戻ってかまいませんよ、解ればすぐに伝えます。」

「いや、待たしてくれ、一刻も早く知りたいのだ。」

「わかりました。では、少しお待ちを。」


四時間後、

「リザークさん、サリナさんは肺結核でした。」

「肺結核?ヨシノブさんの所ではそういうのか?」

「ええ、ですが、これなら大丈夫ですね、薬で治せます。」

「治るのか!」

「はい、ただし、薬を半年から一年毎日飲んでもらいます。

症状が消えてからも必ず飲んでください。

途中で止めると治せなくなりますので約束して貰えますか。」

「わかった、治るなら必ず飲ませる。」

「では、此方を。」

俺は薬を渡す。


数日後、サリナの症状は薬が効き始め少し落ち着く、リザークはその事を凄く喜び、ヨシノブに長期滞在を願い出る。

「ヨシノブさん、どうか当家に滞在して貰えませんか?

娘が治るまでで良いのです。勿論滞在の間は報酬は払います。

どうか医師の方がおられる方が安心出来るのです。」

どうも俺は医者扱いを受けていた。


「ええ、かまいません。

行き先もないので暫く厄介になります。」

俺は暫く滞在することにした。


そして、その間にこの世界について学ぶ。

この世界にはヒト族、獣人族、魔族に分かれてはいるが、現在大きな戦争は起きていないそうだ。

それより、魔物が増えすぎ、その駆除に各国が手を焼いているらしい。


そして、この世界には大きく分けて、

ケガを治すポーション

体力を回復するポーション

毒素を消すポーション

の三種類があるらしい。

病気の治療もしくは体調の優れない時には毒素を消すポーションを使ったあと、体力を回復させるポーションを使用して治しているようだ。

この世界には細菌という概念は無いようで、あくまでも自然治癒に頼るやり方であった。


そして、学んでいる傍ら、折角だから町の人にも治療を行う事とした。

スキルから出す薬はいくらでも出すことが出来る事がわかり、加減する必要がなかった為、薬も遠慮なく出せる。そして、代金はその人が出せるだけの額でいいとした。


「ヨシノブさんいいのですか?」

額の低さにリザークが心配になり聞いてくるが。

「リザークさんから沢山貰ってますから、その分、リザークさんの住人に還元しているだけですよ。」

俺はリザークから1日金貨1枚貰っていた。

普通の人は1ヶ月金貨3枚で生活するようだ。

そう考えると高い気がするが、リザークさんは報酬を下げることはしてくれなかった。

なので、俺は住人に還元することとした。


ただ、治療するのは一応結核だけという事にしていた。

他の病気や怪我を治してしまうと他の病院が潰れたら困るので、治せない分野だけとしていたのだが・・・


代金がいらないという噂が流れ、貧しい領民から次々と訪ねて来る、俺は丁寧に治療を行っていく。

実際、結核ではなく、ただの風邪の者もいたのだが、それも関係なく診察して、薬を渡し治療する。


治療後に金が無いと告げる者も多くいたのだが、出世したら払ってね、と治療費を請求することをしなかった。


代わりに、結核の感染を防ぐ為にBCG予防接種を受けて貰う。

貧しい彼らが結核にかかると治療も出来ずに感染が広まる事は目に見えてわかる。

その為、少し騙し討ちにはなるが、代金の代わりに予防接種をしていた。


ヨシノブが治療を始めてからモス領の病人は数が大幅に減る。

半年も過ぎる頃には、ヨシノブを拝む者も出てきていた。






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