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異世界に飛ばされて  作者: Katty
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短刀の意味

「ヨシノブさん、短刀を受け取ったって本当ですか!」

サリナが慌てたように部屋に入ってくる。


「受け取ったよ。可愛らしいよね、自分の持ち物から御礼を選んで渡してくるなんて。」

「ヨシノブさんは短刀の意味を知らないのですか?」

「短刀の意味?」

サリナは頭を抱える。

そして、説明してきた。国は違うが短刀の意味は知っていたようだ。


「まさか~まだ子供じゃないか。そんな意味合いは無いよ。」

「そんなことはありません!良いですか、女の子は狼なんです!」

「いや、それ普通男の子の話・・・」

「いいえ!男も女もありません、美味しそうに獲物が落ちてたら狩られてしまうのですよ。」

「落ちてないし・・・」

サリナは短刀を指差した。


「既に受け取っているではないですか。

これを受け取ったということは、ルイス様の求愛に応じたという事ですよ。」

「いやいや、まだ子供だよ!」

「もう12歳と聞いております。既に結婚相手を探している筈です。」

サリナが頭を抱えている。

そんな時、また扉が開く。


「ヨシノブさん、短刀を受け取ったというのは本当か?」

ディーンもサリナと同じく慌てた様子で部屋にやって来た。


「ああ、此処にあるよ。」

ディーンも頭を抱える。

「ディーンさん、これってそんなに大事な意味があったの?」

「サリナさんが頭を抱えている所をみると説明は受けたんだね。

そのとおり、婚約の意味があるよ。

しかし、平民のヨシノブさんと婚約とは・・・ルイスも何を考えているのやら。」

「これって、返却したら不味いですよね?」

「不味いね、王家に喧嘩を売るようなものだから・・・

一応、父と相談するけど、なるべく公表しないようにお願いできるかな?」

「それは構いません、そんな意味とは知りませんでしたから。」

「ありがとう、決して悪くはしないようにするから。」

ディーンがルイスの後始末をしてくれるという話に乗ることにした。


その後、ルイスと会う事になった。

「ルイスさん、ディーンさんやサリナさんから話は聞いたよ、何でこんなことをしたの?」


「だって、私がヨシノブさんに嫁ぐならこれしか無いと思って・・・」

「それでも周りに迷惑をかけたらいけないよ。」

「ヨシノブさんは私がよくわからない小父おじさんに嫁いでもいいのですか?」

「それは言い過ぎじゃないかな?」


「いえ、王族の婚姻なんて自由なんて無いんです。

私は自分の選んだ人の妻になりたいだけです。

勿論、ヨシノブさんに他に好きな人がいるのなら、何人でも妻に迎えてくれて構わないです。

その一人に私を加えてくださるならば。」


「なんで複数結婚する予定なの!」


「えっ、なされないのですか?

父も多数の結婚をしてますが?」

どうやら結婚の価値観が違うようだった。


「俺は複数と結婚する予定は無いし、まだ相手もいないから。」

一瞬、サリナの顔が浮かぶが彼女というわけでもなかったか・・・


「それなら私としましょう。これでも見た目は自信があるのですよ。

それにまだ成長しますから、ヨシノブさんの好きに育ててくださいませ。」


ディーンが部屋にやって来て、ルイスを止める。

「ダメだからね。ルイスは何を言ってるのかな?」

「お兄様、男女の会話に口を挟むなんて無粋な真似をなさらないでください。」

「いいかい、この件は父上に判断して貰うまで保留だからね!

ヨシノブさん、すみません、迷惑をかけてます。」


「俺は良いですよ、それに可愛い子に迫られるのは役得でもありますよね。」

「ヨシノブさん・・・」

ルイスは熱い瞳を向けてくる。


「だぁーヨシノブさんも絆されないでください。ルイスも誘惑しないように!」

ディーンは慌てるように俺達を引き離していた。


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