片付け
「さて、住人もいなくなったようだし、ラードには廃墟になって貰おうか。」
俺は住人の買い集めが終わった所で、大和に乗ってラードの沖に来ていた。
「主砲、発射!」
大和の主砲が火を吹く。
ラードの町は無慈悲に鉄の弾に破壊されていく。
俺はラードを粉々に打ち砕くまで破壊しつくす。
中にいた敗残兵士達の多くも町の破壊と共に命を失っていった。
俺は町を破壊することでマルドラド王国に威圧の意味も兼ねていた。
「さて、これぐらいかな、帰還するかな。」
ラードの破壊を確認してから俺は基地に帰還した。
そして、集めた奴隷となったラードの元住人を広場に集める。
「君達に仕事を与える、この町周辺に散らばった物の片づけだ、キツイ仕事だと思うが終われば奴隷から解放すると約束しよう。」
元住人達は互いに顔を見合わせる、その話が真実かわからなかったからだ。
「まあ、信じれないのは仕方ない、だが作業は明日からだ、拒否してもいいが、作業しない者には別の奴隷商に売る。
明日の日が昇る時間にここに集まるように、集まらない者は作業する気が無いとみなす。」
翌朝、俺は日が昇ってから少ししてから広場に行く。
多少の遅刻を見ないようにする為に遅れて行くことにしていたのだが・・・
残念な事に1割程の人が集まっていなかった。
「お待たせしてすまない、お詫びとしてここにいる人達には解放のあかつきには金貨1枚ずつ渡す事を約束しよう。
そして、今、この場にいない者は、明日他の奴隷商の手に渡る事となる。
知り合いがいるなら、今晩別れを惜しむといい。」
「あ、あの!私の母は身体を壊してどうしても来れなかったのです!どうかご慈悲を!」
「君の名前は?」
「マリーです!」
「そうか、ならその事を確認させる、他にも体調が悪くて来れなかった者がいるなら前に出るように、嘘偽りが無ければ見逃す事を約束しよう。
ただし、嘘偽りがあれば申告した者も同罪として奴隷商に売り渡す。
マリーもいいかい?」
「はい!母は本当に具合が悪いのです。」
「わかった、ルクス、体調が悪いかどうかの確認頼める?」
「わかった、兵士を派遣する。」
俺はルクスに確認をして貰う事にした。
「残りは作業だ、君達にして貰うのは死体の処理だ、町周辺に散らばっている死体を穴に入れて貰う。
なお、作業終了後には全員に風呂に入って貰う。
これは命令だ。入らない者は奴隷から抜けれないと覚悟してくれよ。
さあ、作業開始だ。」
俺は疫病を防ぐ為にも入浴を強制するのだった。
ラードから買い集めた奴隷は七千人に及んだ、そして、作業に従事するのは約六千人、町の周囲から死体が片付くのに長くはかからなかった。
確認も含めて一週間で俺の領内から散らばっていた死体が消える事となった。




