表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に飛ばされて  作者: Katty


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/171

ルールのお仕事

「誰だ・・・って、貴女は!」

「私ですよ、貴方をこの世界に送った、ルールです。」

「今更、何のようだ!」

ツバサは剣を構える。

「主神の命令で貴方の調整に来たんですよ。私に剣を向けないでください。」

ルールが睨むとツバサの持つ聖剣が持てないぐらいに重くなる。


「な、何をした。」

「いいですか、話を聞かないからです。」

「わ、わかった、話を聞くから元に戻してくれ。」

「話が終ってからです。えーと、主神の命令で貴方の調整にやって来ました。」

「調整?そうか!なら早くやってくれ!」

ツバサは自分の都合のいいように考えていた。

勇者の肩書きがあるんだ、最強でなくてはならない筈が、どう見ても最強ではない。

それはきっと今回の調整でただされるのだ。


「ではいきますよ~」

ルールはささっとやる。

光がツバサを包む。


「はい、終わりました。

これで貴方は不死では無くなりましたよ。

あっ、でも、いきなり死にやすくなるのは可哀想でしたので、あと一回その場で復活出来るようにしときました!

私の優しさに感謝してください!

あと理性が無くなっていたのも直したのでこれで元通りですよ♪」


「えっ?俺が死ぬの?」

「はい♪死なないなんて世界の摂理に反していましたから。」


ツバサの頭は現状を理解する、

先程まで靄のかかったような状態で自分は何でも出来ると思い込んでいたが、

理性を取り戻した、いや取り戻してしまった今では・・・


ツバサは震え出す。

ここは戦場、相手は銃いや兵器を持っている軍勢・・・


先程まで死を恐れる事はなかった、大聖堂のガレキの下で何度も死んだんだ、今更怖くはなかった、どうせ死んでも大聖堂だ。

そう思っていたのだが・・・


「なんで今なんだよ。」

「えっ?見つけたから?」


「せめて戦争が終ってからでも良かっただろ!」

「なんで、私が待たなくてはいけないのですか?

私はさっさと片付けて早く神界に帰れるようにしないといけないのです!」

「お前の都合なんて知らないよ、なあ戻してくれ!」

「ダメです、これは主神の命令ですから。じゃあそういう事で。」

ルールは消え去った。


「そんな・・・」

ツバサは膝をつく、どうしていいかわからなくなっていた。


「勇者様!御無事ですか!」

「ああ、大丈夫だ・・・」

「それは良かった、見てください、敵まで、あと一息、さあ向かいましょう!」

声をかけてきた兵士が示したのは銃弾飛び交う、多数の者が倒れていく場所だった。


「い、いやだ・・・」

さっきまで恐怖なんて無かった。

しかし、今あるのは恐怖だけだった。


「勇者様?」

「いやだ、なんで僕があんな所に行かなきゃならないんだ!」

「勇者様、何をおっしゃるのです。勇者様の御命令で皆、死を恐れずに突撃しているのです。

さあ、共に参りましょう!」


「いやだ!離せよ!俺はこんな所から・・・」

そこにルーデルの爆撃が直撃する。

ツバサを含め、周囲の兵士達も多数死ぬ。


ツバサは蘇る事が出来た。

四方に散った身体が一つに集まり傷が癒えたのである。

しかし、再生する間、意識があった。

非常に気持ち悪い感覚だった。

治った後も身震いが止まらない。

身体に残る嫌悪感とこれで蘇る事が無くなった恐怖。


ツバサは聖剣を拾い全力で逃げ出す事を選んだ。

「勇者様!何処へ向かうのですか!」

「か、帰るんだよ!あんな所に攻め込むなんて出来るか!」

ツバサは全てを投げ出し全力で逃げ出した。


その姿を見て、突撃を敢行していた者達も呆然とし足が止まる。

信じていた者に裏切られたのだ・・・

足の止まった者はただの的となり戦場に露と消えるのだった・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ