救助に・・・
「ヨシノブさん!お願いがあるのですが・・・」
マイは言いにくそうに、ヨシノブに頼みをしてくる。
「わかっているよ、タケフミくんの救出だろ?」
「・・・はい、あんな事があって出ていったのですから頼むのも違う事はわかっているんです。けど!」
「わかってるよ。拷問にあってると聞いて放置は出来ないね、すぐに助けに行きたい所だけど、少し情報と準備がいるね。」
俺はユカリから情報を聞く、ユカリによるとたぶん大聖堂居住区の地下にある牢だと思うとの事だった。
俺はみんなを集め、話をする。
「えーと、俺はローラン王国の王都ローラにタケフミくんの救出に向かう。」
「危険です、止める事を勧めます。」
ルクスは真っ先に反対した。
「ルクスさん、同郷の者が拷問にあっていると聞いたら無視出来ませんよ。
それにマイちゃんの兄でもありますし。」
「しかし、ローラン王国はヨシノブさんを探しているとの情報があります。
どうしても救助に行くと言うなら、顔の売れていない者を派遣すべきと思います。」
ルクスが提案してきたのはマインズ王国の秘密部隊を動かし救助する方法だった。
「しかし、それだと派遣まで時間がかかるだろ?」
「しかし、それぐらいしか・・・」
作戦が纏まらない中、オットーが、
「ヨシノブさん、僕達に任せて貰えませんか?」
「オットーにか?」
「はい、どんな町にも裏道はありますし、僕達ならあまり疑われないと思います!」
「しかし、子供達に危険な事は・・・」
「大丈夫です、それにヨシノブさんに何かあれば僕達も破滅ですから、ヨシノブさんが行くことだけは止めてください。」
「わかった。君達に任せる、けど俺も王都の郊外まで行くよ、何かあれば突入するから。」
「はい、それと仲間と装備を整えたいので一度基地に戻って貰えませんか?」
「わかった、一度戻ろう。」
そして、基地に戻り、子供達を連れて王都郊外につく、今回は子供を心配したサリナとマイが一緒に来ていた。
「いい、みんな無理な事はしないのよ。」
「はい、サリナさん!」
子供達は笑顔で王都に潜入していった。
一週間、俺は必要な物資を運び込み、近くの森に拠点を作り、通信が出来る状態にして待機する。
俺達の側にはシモを含め五人の子供達が警護に入っていた。
子供達曰く、俺の警戒は甘いらしい。
子供に守られながら一週間が経った、今晩決行の予定だ、
事前報告では準備は完璧のようだが、果たしてどうなる事か、俺はいざとなれば戦車を呼び出して子供達を救助するつもりだった。
決行時間・・・
俺が様子を見ていると・・・
王都を囲む城壁が広範囲に渡り爆破されたのだった・・・




