ツバサと会談
「止めろ!」
ショウがツバサの前に出てくる。
「おっ、ショウじゃないか、お前も生きていたんだな。」
「ああ、幸いな事にな、それより、お前何してるんだよ!
何もしてない王様に斬りかかるなんて駄目に決まっているだろ?」
「うるさいなぁ、何もしてなく無いだろ?
この俺の要求を断ったんだぞ、反逆者だ。」
「何を言っているんだ、要求を断ったからって何なんだよ!」
「黙れ!ショウ、お前なに俺と対等に話しているんだよ、俺に話すなら膝をついて話せよ。」
「えっ?」
「この俺は勇者様なんだよ、お前みたいな平民とは違うんだよ。」
「お前こそ何だよ!それが友達に言う言葉か!」
「友達ねぇ~お前こそ日本にいる時は俺を見下してただろ?」
「いや、そんな事してないぞ?」
「いいや、してたね、俺にテストの点を見せつけていたじゃないか、俺の方が低いとわかっていたんだろ?」
「それぐらい普通じゃないか?」
「うるさい!お陰で俺様の心は傷ついたんだよ!
だが、俺様も鬼じゃない。
此処で土下座して謝るなら日本での事は許してやってもいいぞ。」
「誰が土下座なんて!」
俺は激昂しているショウの肩を掴み落ち着かせる。
「ショウくん、少し落ちついて。」
「ヨシノブさん。」
ショウは俺に肩を掴まれた事で冷静さを取り戻した。
「ツバサくんと言ったよね?」
「何だよおっさん。」
「俺はヨシノブ、ショウくん達を保護している者だ。」
「そうかお前がヨシノブか・・・」
「君に聞きたい事があるんだ、タケフミくんがそちらに行ったと思うが彼はどうなっている?」
「お前に言う必要があるのかこのロリコン野郎。」
「おいおい、初対面の人に罵声とは感心出来ないね。」
「黙れ、マイさんに手を出した事はタケフミから聞いているんだよ!」
「えっ?手を出してないけど?」
「嘘をつくな!タケフミが自白したよ、よくも俺の初恋を邪魔しやがって!
死ね!」
ツバサはいきなり俺に斬りかかってくる。
パン!パン!
しかし、斬りかかるツバサに冷静に銃弾を撃ち込む者が二人いた。
パウルとオットーだ。
パウルは剣を持つ腕を撃ち抜き、攻撃出来なくし、
オットーは足を撃ち抜き動きを止めていた。
「おとうさん!下がってください!」
二人が俺の前に出る。
そして・・・
パン!パン!
二人は更に両手両足に銃弾を撃ち込み、動けなくした。
「ヨシノブさん、まだ、話す事はありますか?」
オットーは冷静に聞いてくる。
「え、えーと、まだ、あるかな?」
「なら止めは止めておきます、
ほらゴミ、ヨシノブさんの問いに答えろ!」
オットーは更に弾を腕に撃ち込みツバサに質問に答えるように言う。
ツバサは叫び声を上げるだけだ、
「な、なんで銃があるんだよ・・・痛い痛い・・・」
「ツバサくん、正直に答えるとポーションで傷を・・・」
「早く治せよ!」
パン!
「口の聞き方がなってない!」
オットーは足に一発撃ち込む。
「ぎゃあ!言う!言うから!止めてくれ!」
「まず、タケフミくんはどうなっているか教えてくれるかな?」
「タケフミ・・・あいつは生きてるよ。」
パン!
「質問の答えになっていない!」
パウルが右手の小指を撃ち抜き吹き飛ばす。
「ぐわぁぁぁ!言うよ、言うって!
タケフミは地下牢で拷問に合っているけどまだ生かしてる!」
「えっ?拷問?なんでそんな事に?君はタケフミの友人なんだろ?」
「あいつなんかは友人じゃない!俺はマイさんに近付きたくて、仲良くしてただけだ!
それなのにお前がマイさんに手を出すからいけないんだ!」
「だから手は出してないけど、
でも、そんな事でタケフミくんを拷問にかけているのか!」
「悪いか!」
「悪いに決まっているだろ!」
「俺は勇者なんだ!この世界だと何をしても許される存在なんだよ!
さあ、話したんだ、ポーションをかけろよ。
痛くてたまらないんだ!」
「ヨシノブさん、聞きたい事は終わりましたか?」
あまりの事に俺が飲み込めないでいるとパウルが聞いてきた。
「ああ、終わったかな、取り敢えずポーションを・・・」
パン!
パウルは無慈悲にツバサの頭を撃ち抜く。
「パウル?」
「ヨシノブさんに剣を向けてきた者を、生きて帰すつもりはありません。
それよりそちらの雌ブタはどうなさいますか?」
パウルが指差す方を見ると床に座り込んでいるユカリがいた。
床には水溜まりが出来ていた・・・




