表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に飛ばされて  作者: Katty
121/157

指輪を渡す

ヒビキが指輪を持ってくる。


「ヨシノブ、ほら頼まれていた物だ。」

「ありがとうございます。」

俺は立派な木の箱に入った指輪を確認する。

それは鈍い金色をしていた、

「これは金ですか?」

ヒビキはニヤリと笑い、

「いや、オリハルコンだ。」

「オ、オリハルコン!」

その名の響きに驚きに驚きを隠せない。

「おっ、知っておるのか?」

「い、いえ、名前しか知りませんが・・・」

「ふむ、オリハルコンはこの世で最高の強度を持つ、普通の者では加工等不可能な物質だ。

指輪にするのは初めてだったが良くできておるだろう。」

「はい、見事な出来ですね。」

「しかも、それだけではない、これにはエルフ秘伝の魔法陣が刻まれておってな、持つ者の身に危険が及ぶと結界を張るようになっておる。」

「あ、ありがとうございます。此処までの物を仕上げていただけるとは・・・」

「構わん、ワシも礼を貰っておるしの。」

ヒビキは嬉しそうに酒瓶を上げる。


俺は更に百本、色んな銘柄の酒をヒビキに贈った。

「も、貰いすぎじゃ!」

「いえ、まだ足りないぐらいですが、これ以上は保管に困ると思いまして。」

「わ、わかった、ヨシノブからの気持ちとして受け取ろう。」

「ありがとうございます。」


俺はヒビキと別れた後、サリナに会いに行く。

「サリナ、今、いいかな?」

「いいですよ。」

部屋に入るとシモがベッドで寝ていた。


「あれ、シモもいるの?」

「はい、シモは甘えん坊ですから、時々私の部屋に来てお話をせがむんです。」

よく見るとサリナの横に日本で売られている絵本が置かれていた。

「それ、売店にあったやつ?」

「はい、シモが読んでと持ってきたんです。」

「そうか。」

俺は寝ているシモの頭を撫でる。


「それで、何の御用ですか?」

「あ、いや、その・・・」

俺はシモがいた為に渡すか迷ったが、隠すような事でもないし、シモは寝てるようなので・・・


「サリナ、これを受け取って欲しい。」

俺は指輪を差し出す。

「これは・・・」

「この世界ではどうか知らないが、俺の世界では婚約者に指輪を贈る習慣があるんだ。

少し遅くなったが受け取ってくれないか?」


サリナは瞳に涙を貯め・・・

「嬉しい!ヨシノブさん!」

俺に抱きついてきた。

「サリナ。」

俺とサリナは抱きしめあい、口づけをかわす。


「ううん・・・おはよなのよ・・・」

シモの声が聞こえ、俺とサリナは慌てて離れる!

「お、おはよ、シモ。」

「おとうさんとおかあさん・・・顔赤い・・・ハッ!ごめんなのよ!すぐベッドをあけるのよ!」

シモは慌ててベッドから飛び降りる。

だが、まだ少し寝惚けていた為、転倒しそうになった。


「危ない。」

俺はシモを支える。

「ご、ごめんなさいなのよ、シモは邪魔する気はなかったのよ~~~!!」

シモは慌てて部屋から出ていった。


普段のんびりしているシモの慌てぶりに思わず可笑しくなり、サリナと二人で笑っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ