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異世界は太古から身近にあった。

異世界を信じるか?


転生を信じるか?


現代化が進み、AIとかいうものが主人公になりかけてやがる。


オカルトなんて言葉も恐怖心も薄れたこの世の中で、俺は迷い込んでしまった。


現実であって現実じゃない


そこにあってそこにはない


しかし


異世界は本当にあった。


ずっと近くにありすぎて気付かなかっただけだった。



ある夜の事だ。


深い森の中のような静けさの中、ある夢を見て目覚めた。


夢は不思議なものだった。


見たこともない森をひたすら走っている俺がいた。


それを上から見ている。そんなアングル。


みたところ、夢の中の俺は その森の道を既に知っているようで、ひたすら走り、どこかを目指していた。


たどり着いた森の最果てで、祠に手を合わせた。


その時、俺の体に違和感があった。


頭が溶けて、祠と一体化になるような変な感覚。


そして知らない声が聞こえた。


「やっと来たんだね、セイル」


セイルとは誰じゃい!


俺は穂波そら。


れっきとした日本人で容姿端麗 頭脳明晰 大和撫子とは私のことってくらい完璧な神社の跡取り美少女巫女だっつーの。



そして目が覚めた。



朝が来た。


気持ちのいい風が窓から入ってくる。


まだ眠いけど学校だもんな。


さっと牛乳とパンを食べて歯磨きだ。


寝癖を直していざ出発


家を飛び出して走る俺。


交差点が見えてきた。


そこを曲がれば学校まで一直線




ドン



鈍い音と目を背けたくなる現実が 急に目の前に現れた。



倒れる少年と、まるで時間の停止したように微動だにしなくなった車。


俺は叫んだ。


嘘だと信じたかった。


これは夢だと言い聞かせた


目を伏せた


嫌だと思った


手を合わせた



すると胸の奥から声が聞こえた


「いやなら救えば?そこだけが現実だって思うなよ」



次に目を開けると、目の前は草原だった。


とても綺麗な景色なのだけど


倒れている少年と黒い竜。


そして俺の横には白い子どもの竜。


白い子龍は言った。


「おかえり。あの黒い竜はお前たちが凶だとか不運だとか呼んでるマガモノだ。そこの少年は俺が回復させてやるから、その黒い竜を倒しな。」



俺は初めてな気がしなかった。


勇気を出して、そして自然と念じた。


「風よ、空よ、海よ。我が祈りに応じて目を覚ませ。すべての闇を照らし、光を呼びさまさんとす我に力を授けよ。倶利伽羅」


剣が現れた。


刃が赤い剣だ。


体が熱くなった。


そして、勇気が湧いてきた。


下手くそに剣を振り回し


黒竜に一太刀くらわせた。


黒竜はそれでも俺に襲ってきたが


間一髪のところで黒竜の体が すぅーっと消えていった。


白竜は俺に言った


「もう自分で来れるだろ?待ってるよ。」


うなずき、目を閉じると元の世界が目の前に広がっていた。


少年はゆっくり立ち上がり、何事もなかったかのように笑顔で走っていった。













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