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新しい仲間


僕はまた、奴隷店に来ていた。


何故か……って?

奴隷達を女王に預けてから、やはり少し寂しくなって……新しい奴隷を買う事にしたのだ。


今回は女子が欲しいな……!

男子はうるせぇ奴が多いし。


「お待たせしました。先日、女王が奴隷店にお越しになりましてね。この奴隷を南條様へ紹介するよう言われていまして……」


あのビッチ女王!!

何でいちいち僕に絡んで来るんだよ!

奴隷の紹介とかいいから!

センスなさそうだし……!


「そんな不快な顔をしないで下さいよ。紹介する奴隷は二人で、どちらも超美しい女性ですから」

「女のコなんだ……」

「ええ。女王が、南條様は次はきっと女を買うと思うとおっしゃっていました」


え……女王、僕の思考読みすぎじゃない?

怖くなってきたんだが!


それで、連れて来られた奴隷は二人。

一人は短めの金髪に青色の目。

クロエと同じ髪色だが、この子の方が綺麗だな。

もう一人は、濃い青色の髪に金色の眼。

長い髪を後ろで束ねている。


「金髪の方が16歳魔族で、青髪の方が18歳、狼人族です。狼人族の方なんですが、尻尾は天使に切り捨てられて、耳は本当の意思で隠しています」


やっべ、クソ美人じゃん!

前言撤回! 女王、センスある!


「ゴホン、それで奴隷はいくらなの?」

「代金はすでに女王が支払い済みですよ」

「えぇ!?」


僕に美人な奴隷を寄越して、女王様は僕に何を望んでいるんだい?

たくさん金をくれるし……

僕に究極の力でも求めているのかな?


「……奴隷紋は足の裏につけてくれ」

「了解しました」


そして奴隷店を後にした。


魔族の子には剣を渡し、狼人族の子には槍を渡した。

どちらも戦闘経験があり、レベルも少し高め。

だからきっと値段は高かったんだろうな……

女王と交際しているふり(演技)をしなきゃな…… なんて思いながら宿屋でくつろいでいると青髪の子が話しかけてきた。


「ご主人様……」

「ん?」

「ご主人様は、私達に妾を求めらつもりですか?」


「……えぇ!?」


何を言っているの、この子?

自分が何言ってるのか分かってるの!?


「えっとね、妾なんていらないよ。その為に奴隷(きみたち)を買ったわけじゃないし」

「じゃあ私達に何を求めるんですか?」

「僕の護衛だよ一ヶ月後の天使狩りの時でのね」

「天使狩り!?」

「という事は、ご主人様は勇者なのですか!?」


このくだり……前にもあったような……


「うん、今は悪魔の勇者と言われてる…… まぁ、だから僕らは天使狩りに備えて、ひたすらレベル上げをするよ。天使に対抗する力をつけよう」

「でも私、魔法が使えないのですが」


青髪の女の子が不安そうに訴えてきたんで、仕方なく僕の奴隷になれば、闇魔法を使う事が出来るようになると教えてあげた。

ついでに、魔王を目指してる事も話した。


「なるほど……私も協力します」

「わっ私も……」


二人とも魔王になる夢に、協力してくれるみたいだ。

良かった……

協力出来ないなんて言われたらどうしようかと思ったぜ……

あ、でも僕の奴隷だし、無理矢理従わせればいいのか?


「そういや、お前らって名前ないよね?」

「ええ、無いです」

「私もない……」

「じゃあ僕が夜の間に名前を付けておくから、二人はもう寝て」

「え? 私達に名前を付けて下さるのですか?」

「うん。僕のもう一人の奴隷が、僕のセンスは良いって言ってたから、心配しないで」

「は、はぁ……」

「じゃっ、おやすみ」


という事で、一晩かけて名前を考えたのだった。



○名前:アリス・キャンベル (金髪)

種族:魔族

年齢:16歳

性別:女

職種:隷属(南條葵) 魔術師Lv.38

魔法適性:雷Lv.18 火Lv.12 闇Lv.35


スペシャルスキル:魔王の加護


○名前:エレナ・スコット(青髪)

種族:狼人族

年齢:18歳

性別:女

職種:隷属(南條葵) 狩人Lv.39

魔法適性:闇Lv.35


スペシャルスキル:魔王の加護



女の子の名前なんて付けた事が無かったから、苦労したぜ。

ちなみに、僕のステータスは……



職種:勇者Lv.63


魔法適性:All Lv.48 闇 Lv.138



となっていた。

闇魔法の成長速度、早すぎだよな。

この()()()()()のおかげだけど、魔王って一体誰なんだろう……?


翌朝、二人に名前を発表し、初心者用のダンジョンへ狩りに行った。





一週間後


「命ずる、あの物の命を消せ……デリート!」

「やっ!」

「とう!」

「グワァァァアァア!!」


俺らは「闇の林」という、そこそこレベルの高い魔物がいる森型のダンジョンに来ていた。


俺ら闇魔法を使い、二人は身体能力アップの魔法を使って、武器で戦っている。

まぁ身体能力をアップする魔法も、闇魔法なんだがな。


「やっぱり犬系の魔物は強いよね」

「そうですね……ツインベロスとかは、先に足を切り落とした方が良いですね」


青髪を揺らしながら冷静に解析するエレナ。

エレナは、持っている魔法量は少ないが、狼人族なので身体能力は凄く高い。


そもそも獣人族は、接近戦に特化した種族だ。

獣人族の中でも狼人族と虎人族は、戦闘力が強い。


「マスター! 殺した魔物ってどうします? 肉塊にして売っちゃう?」


はしゃぎながら残酷な事を言う、魔族のアリス。

魔族は、全ての種族の中で一番戦闘力が強いので、他の種族よりも強い立場にいるのだ。

確か女王も魔族だ。


そういえばアリスって名前、お伽話から付けたんだよな。

金髪に可愛らしい顔立ちって、本当に()()()みたいだ。

そのうち、トランプ柄のアクセサリーでも買ってこよう。


「あ、あぁ、うん。じゃあ肉塊にして売ろうね……」

「マスター、今ちょっと驚いた? かわいい♡」


君の方が可愛いぞ……アリス。

あ、今思ったが、俺はこの二人には可愛く接してるんだよな。

なんでなんだろ、女子だからかもな。


「そういえばエレナは槍を使うの、慣れた?」

「はい。もう手足の様に使えますよ」

「それなら大丈夫そうだね……」

「大丈夫……ってどういう事ですか?」

「槍がダメなら、剣を持たせようと思ってたんだ」

「なるほど……」

「まぁ、その心配は無くなったけど……」

「マスター、私、闇魔法のレベルが70超えた!」

「お〜。やっぱり魔王の加護のお陰で、闇魔法のレベルの上がりがいいよね。本当に助かる」

「そうですね。魔法が苦手な、獣人族の私でもレベルが50を超えましたし……」

「僕もとうとう、レベルが150を超えてしまった……」

「闇属性魔法は、色々と応用できますし、魔法の中でもトップクラスの強さを誇りますから、使えて悪い事などありませんよ」

「私は、闇魔法と相性が良い魔族だから、闇魔法のレベルの上がりがエレナより高いよっ!」

「あぁ。魔族は色々と凄い種族だからね」


そういえば、魔族で奴隷なんて滅多に聞いた事ないが……

アリスは何で奴隷になったんだろうか?


「なぁ、アリス。何でアリスは奴隷になったの?」

「……両親が死んじゃって……そして奴隷狩りに会っちゃったんですよね……」

「なるほどなぁ」


少し怪しいな、アリスの方は疑っとくか。

この世界の奴は嘘つきが多いからな。

まぁ、日本も大概そうだったが。


「じゃあもう帰る?」

「えぇ、帰りましょう」

「うん、帰ろ〜!」

「じゃあ、僕に近づいて」

「はぁーい」

「行くよ、転移(ゲルム)


そして、宿屋に戻った。




部屋に帰ると、僕のベットの上に手紙が置かれてあるのに気づいた。

もしかして、ゼンか……?

封筒には何も書いていなかったが、中の手紙にはマスターへと綴られていた。


『マスターへ

前にマスターが危険人物と言っていた、北村茜と樹上雄大についてです。

二人は先日、女王の部屋に来て何やらマスターと女王の関係性や、マスターのステータスを事細かく質問していましたよ。女王は、あまり真剣に答えていなかったので、二人は怒り、女王を容赦なく殺そうとしていました。

少し話がしたいので、女王が城まで来て欲しい、と

ゼン』


やはり、ゼンからか……

まぁ明日にでも女王の所に行ってくるか。

それにしても、容赦なく殺そうとするとは……

一ヶ月でこんなに変わるもんかね?


「どうしたのですか、マスター」

「明日、女王の所に行くからね。部屋にいて」

「ええ!? ついて行っちゃダメ!?」

「ごめんね、二人で話したいから」

「アリス、あまり我が儘を言ってはいけませんよ」

「うん……分かった……」

「なら、もう寝てね。おやすみ」


そして僕はベットにダイブして、寝た。










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