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篭城再び

 

「リオンを置いてきた!」


「ヤバくないですか!? リオン君、エレナちゃんとアリスちゃんに利用されるかも……」


「だよな。どうしようか……」


 今更リオンを宿に置いていってしまったと気づき、酷く後悔をする。

 咄嗟に叢雲とフレアを呼んだので、リオンを呼ぶのを忘れてしまったのだ。

 今頃、アリスやエレナに脅されたり……


「ま、まぁ 何とかなるでしょ」


「で、ですよね……エレナさん達に殺されたりとかはないで……」


 がシャン


「「っ!?」」


 突然大きい音が響き、窓の外を覗いてみる。

 すると、中庭からアリスとエレナとリオンが俺達の方を見ていた。

 ホラー! 軽くホラーだよ!


「ますたぁ、見つけた」


「ひっ」


 アリスはニマリと笑って、最上階にいる俺らを指指す。

 怖すぎて素っ頓狂な声をあげてしまった。


「雪哉さん、ヤバくないですか!?」

「や、ヤバイよな」


「キュピ……」

「ガフガフ!」


「また城が壊される……お金が……」

「ごめん、ソフィア」


 それからアリス達の様子見に、再び窓の外を覗いたのだが、中庭には誰もいなかった。

 恐らく、城の中に入ったのだろう。


 もう本当勘弁して。


「ヤバイ。アリス達、ここに向かってきてる!」

「とりあえず、ドアに結界魔法と防御魔法を3重にかけといたわ」

「あ、ありがとう。俺も結界魔法を貼っておく。全力で」

「お、俺も効果は薄いかもですが、防御魔法を貼って置きます……」

「叢雲もありがとう」

「俺の事は軌澄って呼んでください」

「うん、了解……」


 全員が持てる魔法全てを出し尽くし、結界魔法を何重にも掛けていく。


「雪哉君! もうすぐ来るわよ」

「そうだな……みんな! 戦闘じ……」


 ガシャン! キーン


「この音……あの子達、結界を破ってるわよ!」

「くっ!」

「ど、どうしますです!?」


 軌澄が恐怖のあまり、日本語が変になってる……


「マスタァ、あと少しで結界を破り終わるよォ、待っててネ★」


「ギャァァァァァァァ」

「雪ちゃん、大丈夫!? 発狂しないで、気を確かに!」

「ちゃん付けで呼ぶなぁァァァ」


「あと4つダネ、魔法は。案外チョロいヨ」

「マスター、諦めて出てきて下さい」

「ごめん、マスター。ねーちゃんに逆らったら、コロされる……」


 リオーン。


 扉の奥からアリス達の声が聞こえてくる。


 やっぱりリオンは利用されているんだな。


 ヤバイ、今日こそは俺の命が終わる……


「ああ、神よ。アーメン」

「何言ってるのよ、雪哉くん」

「俺ももう死ぬんだ……」

「軌澄クンも気を確かに持って」


 でも何とかして、アリス達をこの部屋に入れる前に無力化しなければ……

 確か……相手を閉じ込める魔法無かったっけ?


 黒魔道書の348ページにあった……


「ソフィア、今からやる魔法は俺の最後の魔法だ……俺の屍は、深く埋めて下さい」

「はぁ?」

「分かりました、雪哉さん! 貴方との時間は忘れません!」

「貴方と雪哉が会ったのって、昨日だったわよね?」


「行くゾォ!」


「キュピ!」


「ガフ!」


『春の櫻……夏の碧……秋の朱……冬の白銀(シロガネ)……』



『魔王である我の名において、彼の者の動きを封じよ』


『四重結界』


 すると……廊下からキャアなどという声が聞こえてきて、急に大人しくなった。

 これは動きが封じる事が出来たとみていいだろう。


 そう思って、恐る恐るドアを開ける。


「ふぃ〜」


 廊下には左右上下、全ての方角を魔法結界で封じられ、気絶している3人の姿があった。





 ♦︎






「今回はそこまで被害は無かったわよ」


「それは良かった」


またまた、俺とソフィアは女王の部屋で駄弁っていた。

まぁ、アリスは寝ているし誰もツベコベ言わないだろう。


「また私の城の結界は、破られたわ……」

「お前の結界が弱いのでは?」

「そんな筈はないのだけれど」

「だが俺の従者は、二度も軽々術式を破ったんだぞ? 今度俺が結界を張ってみるか?」

「……お願いするわ」


冗談で言ったつもりなのだが、ソフィアから正式にお願いされてしまった。

まぁ、女王の頼みなら聞くしかないよな。


「あの、雪哉クン。頼みがあるんだけど」

「なに? まだ何かあるのか?」

「ええ。実は…… ドラントと人格交代をして欲しいの」

「ドラントと?」

「出来るかしら?」

「い、良いけどよ」


『おい、ドラント』

『何だ? 雪哉』

『俺と人格交代をしてほしいんだけど』

『お前と?』

『ああ』

『構わん。交代してやろう。だが、お前の意識をこちらに持ってくる必要があるのだ』

『それってどうやるんだ?』

『とりあえず目を閉じろ。さすれば我がお前の意識を、我の領域に持っていく』


そう言われたんで、渋々目を閉じた。




9日程連載を続けています!

50話までは連載を続けたいです!

出来ればずっと……



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