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最後の魔女は自重したい! 〜転生しても最強すぎて世界が放っておいてくれない〜  作者: 斧名田マニマニ
1章 最強魔女は、異世界でもやっぱり最強だった
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7話 メリリカの爆弾講座

「マーフィー。あれは神の授けられた特別な力じゃ。我々に理解できなくとも当然のことよ」

「で、でも……」


 マーフィーを励ますババ様は、理解することをそうそうに諦めてしまったらしい。

 残りのエルフたちも、同じような態度だ。


「やれやれ。それじゃあ困るんだけどなあ~」


 メリリカは小さくため息をついた。

 与えるのは危険なアイテムなのだから、できればちゃんと原理をわかったうえで、使って欲しい。


「特別な力じゃないよ。いまから渡すものを使えば、誰でもその爆発が起こせるんだ」


 そう言っても、エルフたちは首をかしげるばかりだった。

 言葉で伝えられることには限度があるので、もうこのまま実践してみせることにする。


「まあ、ちょっと見ててよ。メリリカの爆弾講座、はじまりはじまり~」


 メリリカは目の前に並んだ材料を見て、自分でぱちぱちと拍手をした。

 マーフィーがはっとして、慌てて一緒に拍手をしてくれる。

 うんうん、助手としての仕事はばっちりだ。


「ここにあるのは燃える石、ハチミツ、石灰、その他いろいろです!」

「私が取ってきました!」

「マーフィーはお利口だねえ。さてここに、さらに追加で……」


 メリリカは魔法を使い、『あるもの』を宙に浮かせた。


「え!? なんかクサッ!!」

「これは……牛糞の臭い!?」

「はーひ。みんな、避へて避へてー。汚ひからねー」


 鼻をつまんだメリリカの前に、牛糞の入った桶が運ばれてくる。

 これもマーフィーに牛小屋の場所を聞いておいたものだ。


「近場で採れなかったものは、ほうやって錬成しないならないんらー」


 片手で鼻をつまんだまま、もう片手を牛糞にかざし、魔力を込める。

 牛糞に対して魔力を込める絵面がとんでもないが、気にしてはいけない。


「はい、魔力で乾燥」

「おおお!? ば、牛糞が一瞬でかぴかぴに!!」

「いろいろ抽出してー、ごりごりしてー。細菌も混ぜて……」


 あとは魔法で濃縮、濃縮、濃縮、熱して……。


「仕上げに、どーん!」


 メリリカは錬金魔法を発動させた。

 ごちゃごちゃ混ぜた素材たちの周りに錬金の魔方陣が広がり、辺りに蛍色の光が満ちる。


「おおお!? こ、これはやはり神の業……!?」

「錬金魔法だよ! よし、完成。じゃあみんな、離れて離れて-!!」


 メリリカが合図をすると、マーフィーが張り切って周りを待避させてくれた。


「みんな、私の声聞こえる-? よく見ててね-! これ導火線。これに火をつけるとー」


 火魔法で着火して、メリリカはみんなの方に走り出す。

 たっぷり距離を開けて、見守ること数分。

 導火線についた火が、錬成したものに近づいていって……。


「よしこい!」

「ひ……」


 どぉおおおおんっ!!


 響き渡った轟音と大爆発。


 エルフたちは言葉をなくして、呆然と立ち尽くしている。

 爆発が起きた場所を見れば、地面がえぐれ、広範囲で窪みが確認できた。


「な……ななな、なんと……」

「どう? これなら自分たちで岩を破壊できるでしょ?」


 メリリカは、腰を抜かしているエルフたちに向かい、にこっと笑いかけた。

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