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巨人と銃弾

『アトラスの最適化が完了しました。ナノマシンの活性化を確認、ナイトアイの解凍を承認します。付属機器及び、武器のガイダンスをインストールします』



『ガイダンスのインストールが完了しました。惑星ユーフィリアに転送します。では、よい旅路を』





「アガガガガガガガガガガガ」


いてぇ!いてぇ!いってぇ!!!

全身の細胞の一つ一つがすり潰されてるかの如く、尋常ではない痛みを感じるが、粒子となって消えたはずの視界はいつの間にか戻ってきており、手足が動くことも今、確認できた。


動くというより、痛みのあまりにブルブルと手足が震えてるだけなんだがな。口からは出ちゃいけないような声とか泡とか出てるし、痛みに霞む視界の向こうでは、奇妙な人型の生物が夢中になって、木に向かって腰を振ってる。なんだアイツ。


とりあえず、あの自慰野郎は放っておこう。それより、痛みに慣れてきたのか、収まったのか知らないけどモノを考えることは、できるみたいだ。まだ俺は人間をやめていないんだなって、なんか安心したわ。



いや、前言撤回だ、人間やめてるっぽいわ。



あれだけ痛みを感じてたはずなのに、今は何も感じないし、なんかゲーム中の画面みたく、視界にウィンドウがたくさん展開されている。これは夢じゃないか?俺の頬をぶってくれ!なんて言わずもがな、だ。あんな痛みを感じたら普通は起きるだろ?余程痛みに鈍くない限りな。


『アトラスの転送を完了、チュートリアルを開始します』


あっ、なんかめっちゃゲームっぽい。アトラス?あぁ、階級が中佐のサブ垢のことな。



…。



あん!?転送!?なんか視線が以前と比べて、かなり高いことに違和感を覚えてたけど、あの痛みが壮絶な成長痛だと思って勘違いしてたわ。まぁ、それは流石に冗談だけども。


多分、この流れ的に俺がアトラスにそのまま、ぶち込まれちゃったんだろうなってことぐらいは分かる。野良マッチ用のサブ垢だからって、色々ぶっ飛んだキャラメイキングしたことを、今更後悔するなんて思わなかったわ。



短く揃えられたオールバックの銀髪に、蛇を思わせる威圧的な金色の瞳。鼻は高く、唇は薄い、目付きが悪いことを抜けば、細マッチョでイケメンだということは保証する。しかし、何より問題なのがアトラスの由来のその身長。



だって、身長が2メートルもあるんだぜ?そら、いきなり視界が高くなるわ!当たり判定が増えて不利になるっていう理由で、大概のプレイヤーは身長設定を下限数値の170にしてる。まぁ、それが普通だな。


俺だって本垢は下限数値にしてるし、2メートルを越すキャラなんて一部の目立ちたがり屋とウルトラエンジョイ勢くらいだ。


ぶっちゃけた話、転送される前のあの防衛戦だって、陣地から出た瞬間に蜂の巣になるのは目に見えてたから館に篭って狙撃手してたんだよ。スモークをジャンジャンばりばり焚かれる前は、結構役に立ってたんだけど、まぁ焚かれてからはお察しって感じ。キメ撃ちしまくっても当たらないもんは、当たらない。


まぁ、そんな体が今、俺のリアルになっちまったんだから、うまく付き合っていかなきゃダメなんだよな…。幸か不幸か、巨人でもイケメンだからまだ許せる。これで不細工だったら、俺は今頃、きっと世界を恨んでたはずだ。



そんなことより、さっきから視界にちらつく、チュートリアルを開始しますか?って何?


『チュートリアルを開始しますか? YES/NO』


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