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ゴングその2
舞台の幕が静かに上がる。
昔、テレビでよく見たベテランの芸人がマイクを持ってステージに登場した。
「お待たせしました。それでは、ひな鳥オーディションを始めさせていただきます」
観客からパラパラと拍手が鳴った。
彼がMCなのだろう。
簡単に大会の概要を説明された。
ステージ前に一番近い席には長テーブルが置かれており五人の審査員とゲストの、今売れっ子の若手芸人とグラビアアイドルが座っている。
MCがそれらの人を紹介した。
審査員席にはカメラが回っており、控え室の高校生芸人たちも他の出場者のパフォーマンスを見ることができるようだ。
「それでは、早速始めたいと思います。最初の一方。なんと! いま旬の売れっ子高校生コンビの登場です。優勝トロフィーは私たちのもの。今日も迷路をさまよわせてあげる。ヒロインズです。よろしくお願いします」
拍手が鳴る。
舞台裏から彼女たちが早歩きでステージの中心に立った。
「「どうもー」」




